猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年5月21日(土)
- トリコ組 第4回猫町BL読書会(男子禁制) よしながふみ「ジェラールとジャック」
5月21日(土)、猫町倶楽部トリコ組 第4回BL読書会が開催されました。
会場は名古屋藤が丘の「JAZZ茶房青猫」。今回BL会が初めてという方も7名が参加してくれました。
課題本はもはや国民的人気漫画家といっても過言ではないよしながふみさんの初期の傑作BL『ジェラールとジャック』。フランス革命期のパリを舞台にした課題本にあわせて、いつもジャズが流れている店内にはクラシックが流れておりました。
テーブル札は作中に登場するルソーの「社会契約論」。チラシや名札もトーンを揃えてクラシカルなあしらいになっています。
お茶菓子は特別に「これはおまえのマドレーヌだ」というフランス語のメッセージカード付きマドレーヌをリクエストしました。メッセージに気づいた参加者から「ぎゃー!」という悲鳴があがります(こちらも作中に登場するんです)。
「よしながふみさんの文法は現代の漫画のそれとはちがう。24年組の影響がかなり強い」
「彼らのあいだには恋愛だけではなく、家族愛や友情すべての愛情が含まれている」
「当時のフランスにおいて、不道徳で性に奔放な価値観は貴族にとってはあたりまえのこと。だからこそ同じ価値観をもって人を愛することのできる貴族出身のジャックと出会えて、ジェラールは救われたのではないか」
「最終的にはジャックとジェラールになる」
「家族に捨てられたお金持ちのお坊ちゃんをやさぐれた年上の男が拾いあげ、セックスから関係がはじまりやがて家族になっていく。時代背景や構成がちがうだけで、前回の課題本『新宿ラッキーホール』とほとんど同じ話」
よしながふみさんご自身が『ベルサイユのばら』の熱心な読者だったということもあり、各テーブルでは当時のフランス貴族たちの生活様式や価値観など、参加者たちが持てる知識をフルに出しあって、彼らの背景を少しでも理解しようとつとめておりました。いつものことながらジェンダー論から家族観まで話は多岐にわたり、とても二時間では語り尽せません。
今回のドレスコードは「ロココ」。
ハードルが高すぎると毎回ブーイングが飛び交うことでもおなじみになったBL読書会のドレスコード。しかし、そのハードルを軽々と飛び越えてきたお嬢様たちの勇姿をごらんください。
フェミニンながらどこかマスキュリン。まさにオスカル様の休日スタイルのようです。
宮廷音楽家をイメージしたという彼女は、この日、午前出勤をされてきたそうです。
ガチすぎて当日彼女のまわりはカメラ娘たちが群がっておりました。
「ほんとうは宮廷服を着たかった」とのこと。いやいやもう十分です!
遠方から参加のこちらの方は娘さんに手伝って仮面舞踏会用の仮面を作ってもらったとか。すばらしい!
バラのモチーフがあしらわれた淡いピンク色のドレスがすてきでした。
まるでソフィア・コッポラの映画から飛び出してきたようなすてきな五人!
ベストドレッサーに選ばれた方には特製しおりを進呈させていただきました。
この日のマスターの一曲は「フランス革命」にちなんで、モーツァルトの「夜の女王のアリア」。よしながふみさんの他BL作品「ソルフェージュ」にも登場する有名な一曲に、「神選曲!」と会場がざわつきます。
懇親会からは、男性もカップル(2名1組)で参加できます。今回参加してくださった男性陣は3組でした。
懇親会では、浮気相手の子どもを自分の子どもとして受け入れられるか、という男性視点の話を聞けて興味深かったです。
王妃様とスウェーデンの将校、それとばあやかな?
現在トリコ組内部で話題の「キンプリ」。多くの人が応援グッズ「キンブレ」を持参し、懇親会会場は異様な雰囲気に。自動的にキンプリテーブルまでできあがっていました。
今回も大盛りあがりだった読書会。BL好きというだけで魂で結ばれている気がしてしまうから不思議です。
BLってほんとにいいものですね!
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文責:トリコ
撮影:ayuppe、ちづの、トリコ