扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2014年09月12日(金) 
  • 第82回 J=Dサリンジャー「フラニーとズーイ」読書会【藤ヶ丘会場】

第82回名古屋文学サロン月曜会は、猫町倶楽部で三度目のサリンジャーの読書会となりました。
第12回『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、第31回『ナイン・ストーリーズ』に引き続き、今回の課題本は『フラニーとズーイ』でした。ということで、サリンジャーの読書会は2回目、3回目だという方もいらっしゃったようです。もちろん今回も初参加の方もいらっしゃいました。


今回のテーブル札も作品にちなんだモチーフが隠れています。フラニーが抱いていた猫、たくさんの哲学や宗教の本、電話……JAZZ喫茶「青猫」の白熱灯の光を透かして、カラフルに浮かび上がりました。



今回の参加者は男性26名、女性19名、7つのグループに別れてアウトプットを行いました。
今回のドレスコードは「男性はズーイ、女性はフラニーをイメージ」でしたので、会場にはたくさんのズーイとフラニーが! ちなみにフラニーもズーイも、超美形で秀才! 本の中のキャラに負けてられない! と言わんばかりにみなさん素敵なフラニーとズーイに扮していました。



さあ、読書会が始まりました。
キリスト教や東洋哲学など難しいキーワードも並んでいて入り込みづらい所もあったようですが、それぞれの切り口から意見を交換していきます。



登場人物のキャラクターについて、好き嫌いが別れたテーブルもあったようです。でも、プライドの高さや、コンプレックスや、さまざまな心の傷を抱えて生きているフラニーやズーイには、どこか共感できる部分もあるようです。



フラニーとズーイの兄、シーモアの死についての謎もこの物語に深みを与えます。超美形で、秀才なのに、どうしてか幸せになれないこの家族。



「フラニーって、彼女だったらどう思う?」
「え、めんどくさい」
「意外と素直でいい人なのでは?」
「いえ、どストライクなんですけど……。」



「太ったおばさん」の話は、様々な解釈に別れました。
「神である」とも、「幼い頃の教育」とも、「かけがえのない家族」とも取ることのできる「太ったおばさん」。きっと、読む人にとってそれぞれの解釈があるのだと思います。
あなたにとっての「太ったおばさん」って、何ですか?



1950年代ってどういう時代なのか、イメージがわきにくい方もいたようです。当時のアメリカの大学の雰囲気や、ラジオ番組を日常的に聴く生活など、想像力を働かせながらイメージを共有して読書会は盛り上がっていきました。



話し足りないことはないですか?
聞いておきたいことはないですか?
あっという間に時間が来てしまいましたね。

そしてベストドレッサー賞の発表です。各テーブルから、最もフラニーらしい人orズーイらしい人が選ばれました!

『フラニーとズーイ』の舞台は1955年のNY。当時の女性のファッションは膝丈のAラインのスカートや、こぎれいなブラウスなど、ちょうど今のトレンドと重なるところがあったため、似たようなフラニーがあちこちに……。そんな激戦を勝ち抜いて選ばれたベストドレッサーの紹介です。


まずはクラシックなブラウスを長めのスカートにインしたスタイル。



次に、ふんわりした個性的な袖のブラウス。ソファで楽な姿勢で寝そべっているフラニーはこんな格好だったのかも。



こちらも50年代のファッションですね。映画の中から出てきたよう。



初参加の方も見事ベストドレッサーに選ばれました。



お風呂上がりに汗だくになってハンカチをかぶっているズーイを再現。この姿でずっと読書会の席に座っていたそうです。見事な努力賞ですね!



フラニーをイメージしたワンピースに、クリネックスのティッシュ! 細かい!



さて、場所を移動して懇親会が始まりました。



これまでお世話になっていた「イルマティーノ」が改装中のため、お隣の「萬蔵」で。お座敷に座っての懇親会も、落ち着いて話ができていいものですね。みんなで乾杯しながらフラニーやズーイについて語り合いました。



次回は10月10日(金)、課題本は柳田國男の『遠野物語・山の人生』です。
お会いできるのを楽しみにしています!



(第7期サポーター ららんこ)

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