猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2015年1月17日(土) 18:30~21:00
- 第57回関西アウトプット勉強会 エーリッヒ・フロム「自由からの逃走」
1月17日(土)、2015年最初の関西アウトプット勉強会が開催されました。
当日ご参加いただいた32名の皆様、ありがとうございました。
今回の課題本はエーリッヒ・フロム『自由からの逃走』。
戦時中の1941年に発表された、ファシズムの勃興を心理学的に分析した本です。「自由」がいかにしてファシズム支持の精神的基盤に変質していったか、そして民主主義社会はいかに対抗すべきかが著された、心理学における古典的な名著です。
「こんな本の勉強会だなんて、きっと堅苦しい雰囲気で行われているに違いない」と思われている方は、まずは受付の様子をご覧ください。
むしろアットホームな感じで行われていることがお伝えできれば幸いです。
定刻となり、主催のタツヤさんからの挨拶や簡単な諸注意が行われた後、読書会が始まりました。
読書会は6~7名のテーブルに分かれ、ファシリテーターの進行のもとに進められます。猫町倶楽部の読書会には「課題本を読了してくること」という参加条件と「他人の意見や読み方を否定しないこと」というルールがありますが、それさえ守れば何を語ってもOKです。
難しいことを語る必要は全くありません。例えば「課題本が難しくて何もわからなかった」でも全然OK。それとて立派な感想です。
それでは、当日どんなことが話し合われていたかを少し覗いてみましょう。
◯資本主義の発達、宗教改革、ファシズムなどの背景にそれぞれの個人の心理的な変化があり、またそれが歴史的事象の基盤となっているという指摘は非常に面白かった。
◯「良心」すら、自分の自発的なものではない?そもそも良心って何?
うんうん。
◯人生という楽曲はあらかじめ決まっているかも知れないが、どう演奏するかは自分次第。
◯自分が歯車の一つであるという事を自覚した上で、その歯車として自分が出来る事を精一杯やれば、その歯車は世界に一つしかない高品質でオンリーワンの歯車になると思う。 逆に、自分は歯車なんだと諦めて惰性で仕事したり逆に歯車である事を自覚せずに居たりすると、いつでも取り換え可能な一山いくらの歯車になっちゃうんだと思う。
なるほど、このような本からも日常についての「気付き」を得ることができますね。
◯自分はMですが、あなたはSかMかでいうとどちらですか?
えっ、そんなこと聞いちゃっていいんですか?いいんです!
(補足すると、本書では「サディズム・マゾヒズム」は非常に重要な論考対象となっています)
◯一人で読んでいるときは難しくて理解できなかったけど、みなさんの話を聞いて読み方がわかった。もう一度読みなおしたい。
◯自由からの逃走みたいな難しい本は、読書会で話を聞くに限りますね!
「課題本を読了してくること」という条件は、忙しい生活の中で読書の時間を捻出する一つのモチベーションとなります。それが難しい本ならなおさらです。
また読書会の大きな楽しみの一つは「他の参加者の読み方を聞く」ことにあります。猫町倶楽部の読書会には毎回さまざまな年代・立場の方が参加されますが、同じ本を読んでも異なる読み方があり、その背景には異なる日常があります。新たな視点が得られることもあれば、同じ問題意識に気づくこともある。
この会は、いわばさまざまな意見の交差点のような場です。そしてそんなやりとりが和やかな雰囲気のなかで行われます。
2時間半の読書会はあっという間に終わってしまいました。引き続き会場近くの居酒屋での懇親会に移ります。
今回も懇親会で「ゆるゆる席替え」を行いました。これは懇親会途中で自分が話したいテーマの席に移動するというものです。
今回のテーマは以下の4つでした。
「猫町」
「趣味」
「課外活動」
「酒(SAKE)」
写真でお伝えできないのが残念ですが、今回の懇親会も非常に盛り上がりました。
さて、関西の猫町倶楽部ではこの2月から新たに文学の読書会である「関西文学サロン月曜会」も始まりました。
猫町倶楽部初となる書店とのコラボ読書会、しかもあの恵文社さんとのコラボです!
記念すべき第1回のレポートはこちらからどうぞ。第2回も募集開始から5日で満席になるなど、おかげさまで好評を頂いています。
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/report/18171
そしてもちろん、関西アウトプット勉強会も開催されます。2月定例会は2/21(土)、課題本はピケティ『21世紀の資本』(第6章まで)。
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/17670
やや手強い課題本ですが、あの話題の書を読了するチャンスでもあります。
ぜひご参加をお待ちしております。
(文:あっしー 写真:のんこ)