猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2015年4月11日
- 【恵文社コラボ】第3回関西文学サロン月曜会「古事記」
4月11日(土)、恵文社一乗寺店COTTAGEにて、関西文学サロン月曜会第3回が開催されました。
関西文学サロン月曜会は、課題本を猫町倶楽部と恵文社さんとで交互に選書します。今回は猫町倶楽部が選んだ「古事記」が課題本です。
関西文学サロン月曜会は開始以来ご好評をいただいており、毎回満員御礼。今回も読書会参加者は43名。受付開始してからすぐに定員いっぱいとなりました。関西文学サロン月曜会への参加を検討されている方は、受付開始後すぐに申し込まれることをお勧めします。 http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/124
日本史などで「古事記」という書物の名を聞いたことがある人は多いと思いますが、実際に「古事記」を読んだことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。今回の読書会参加者でも、読書会以前に古事記を読んだことがある方は、全体の一割ほどでした。
今回は参加者が6テーブルに別れ、「古事記」を読んだ感想を語り合いました。猫町倶楽部のルールはただ二つ。「課題本を読了していること」と「他の参加者の意見を否定しないこと」。各テーブルには読書会進行役であるファシリテーターがいますので、初参加の方も安心して参加いただけます。
古事記を初めて読んだという人だけでなく、池澤夏樹以外の訳者の版と読み比べてこられた方や、古事記とその解説書を読んでこられた方までおられました。課題本の読み方は人それぞれであり、本に対する知識や思い入れもまた様々です。この多様性と懐の深さが猫町倶楽部の魅力の一つではないでしょうか。
各テーブル内で話された内容をいくつか紹介します。
古事記には神様の名前がたくさん出てきます。「支配した国の神様を殺して新しい神を信仰させることで統治するのが西洋を中心とする一神教の考え方。それに対して支配した国の神様を自分たちの神話の仲間にして統治するのが日本に見られる多神教の考え方」。現代にもつながる歴史や文化の違いが読み取れます。
当時の日本には、まだ平仮名や片仮名はなく、「古事記」の原文は、すべて漢字で書かれていました。読みにくい文章も「音読すると頭に入りやすかった。当時、物語は歌や語りとして伝わっていったのではないか」。古事記には神話・伝説だけでなく、たくさんの歌謡が挿入されています。人が集う宴会で詠まれた歌や恋の歌、その時代の音の響きが伝えられています。
古典を読む楽しさの一つに、物語りを通してその当時の人々の心情や人生観を知ることができる点があります。「不思議で、そして人間くさい話が多い。まるで昼ドラを見てるよう。退屈しないように工夫しているのかな。女性に対するが扱い酷い(笑)」「全般的に、この時代は今の時代と”悪いこと”に対する概念や定義が違っていたように思われる」。
現代を生きるわれわれからすると違和感を覚えるお話も多いのですが、われわれの祖先がどんなことを楽しみとして、どのような悲しみをおぼえながら生きていたのか、古事記が残っているおかげで、その時代の息吹を感じることができます。
文学を扱う月曜会では、その回ごとに設定されたドレスコードがあります。ドレスコードは、参加者の服装など装いに一定のテーマや決まりを設定することで、会をより楽しくする『遊び』です。そして今回のドレスコードは「古着」。
読書会の締めくくりは各テーブルから選出されたベストドレッサーの発表です。
着物やビンテージ古着、家族のおさがり等、皆さま趣向をこらしていらっしゃいました。
読書会閉会の挨拶の後、同じく関西で開催されておりビジネス書や哲学書を扱う「関西アウトプット勉強会」や名古屋で開催される哲学書を読む「フィロソフィア名古屋」の紹介がありました。こちらにも興味がある方は、ぜひご参加ください。
☆ビジネス・人文系読書会「関西アウトプット勉強会」のご紹介
「関西アウトプット勉強会」の次回定例会はこちら
☆哲学・思想系読書会「フィロソフィア名古屋」のご紹介
フィロソフィア名古屋の定例会はこちら
読書会の後は、みなさんお楽しみの懇親会です。関西文学サロン月曜会では読書会と同じ会場、恵文社一乗寺店COTTAGEで懇親会を行っています。懇親会には読書会参加者のほとんどの方が参加されます。懇親会に参加されますと、友達も増え、猫町倶楽部への参加がもっと楽しくなります。
話題は、今回の課題本や関西アウトプット勉強会で扱った課題本など本について、また趣味や猫町倶楽部課外活動の話題など、本好きで多趣味な参加者ならではです。
次回は、2015年5月2日(土)、恵文社さんの選書による課題本「氷」アンナ・カヴァン(著)です。
皆さまのご参加お待ちしております。
(文:すっぱまん 写真:あっしー)