猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2015年6月21日(日)
- 第五回猫町UG@東京 ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ/目玉の話』 ゲスト:大岡 淳
不定期で行われる、猫町の中でも最もディープな読書会、猫町UG(アンダーグラウンド)。日中の開催となった今回の東京UGでも、その怪しさ・魅力は失われていませんでした。
今回の課題本は20世紀フランスの思想家、ジョルジュ・バタイユの『マダム・エドワルダ/目玉の話(眼球譚)』。
一筋縄ではいかないこの二編の小説を参加者はどう読み解いていったのか。
ゲストには『マダム・エドワルダ』を人形劇として表現した、演出家・パフォーマーの大岡淳さん。
この人形劇を上演した際のアフタートークをまとめた一冊『21世紀のマダム・エドワルダ バタイユの現代性をめぐる6つの対話』をテーマに据えて、トークショーを行っていただきました。
まずは若林美保さんのオープニングパフォーマンス。いつになく強烈。
見ては行けないものを見てしまったような不安と恍惚を与えてくれました。
読書会のスタート。
UGといえばなんといってもドレスコードのマスク。参加者それぞれが様々なマスクとコスチュームで美と個性を競います。
読書会自体も大盛り上がり。
なかなか感想を伝えるのが難しい小説ではありますが、みなさん積極的な読みで読書会に臨んできた模様。
「性欲のためだけに他者をもとめる登場人物のすがたがいやらしくなく、むしろ清々しい」
「マダム・エドワルダはマダム・ボヴァリーのパロディなのではないか」
などなど、興味深い意見が飛び交います。
読書会終わりにはベストドレッサーの発表です。
個性的な人々の中から選ばれた超個性的な人たちがステージにあがります。みなさんマスクだけでなく服装全体のコーディネートが見事で、驚嘆の声が上がる上がる。
ゲストの大岡さんもマスク装着。なんと前日にご本人がお造りになったもの!!短時間で製作したとは思えない、すごいクオリティのマスクです。
そんな大岡さんのトークショーは今の時代にバタイユをどう表現できるか、この時代の空気に対して一人一人ができることはなにかという話を軸に展開。演劇人としての情熱が伝わる、理知的ながらも熱い言葉に、参加者も固唾を飲んで聞き入っていました。
クライマックスは若林美保さんのメインパフォーマンス。
課題本に合わせて、目玉のオブジェを体内に(!)仕込む仕掛け有り。エロスという言葉で片付けてしまうにはもったいない濃厚な体験で、張りつめるような美しさ、儚げな危うさ、慈悲深い優しさ、そのすべてが濃縮されていました。
終幕後は、場所を変えて懇親会。
会話は尽きることもなく何時間も続き、今回の盛り上がりっぷりを証明しているかのよう。
一夜の夢のような、素敵な読書会だったと感じます。
次回のUGもきっとよりディープで素敵な読書会となることでしょう。