猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年4月24日(日)
- 名古屋月曜会【mixi限定】特別企画 「新カラマーゾフの兄弟 城山八幡宮&周辺ツアー!」
てるてる坊主を作ったおかげか晴天になった日曜日、『新カラマーゾフの兄弟』に登場する名所を巡る「城山八幡宮&周辺ツアー」に行ってきました。
地下鉄東山線覚王山駅(登場人物の瑠佳は覚王山に住んでいるという設定)から歩いて10分ほど、 こんもりと茂った森の中に城山八幡宮がありました。初詣や厄払いにきたことがある、という方もいらっしゃいましたが、初めて来たという方がほとんど。 ふくろうが棲む、と作中に出てくるように大木が生い茂り、なかなか風格のある神社です。
参拝の後は、皆でおみくじをひきました。みなさん、どんな結果が出たかな?
境内の横には、桃取石(良縁石)という石があり、恋占いや人生占いができます。
目をつぶって石から石へと歩いて、たどり着けるかどうか… なかなか難しそうですよ。
境内のわき道を進むと、連理木(れんりぼく)。
アベマキの大木が、二幹に分かれまた合一しているところから、
夫婦円満・縁結びの御神木だそうです。
この木をぐるっと回ってもご縁が占えます。
覚王山のマンションから、瑠佳はどんな想いで城山神社を眺めていたのか…
この神社が眺められるマンションってどっちの方向?
そんな話をしながら来たときと違う道をいくと…レトロな建物が!
愛知学院大学の大学院(旧校舎)で、どこから見ても「人」という形に作られているそうです。
坂道を下り、また上って10分ほど歩き、次は揚輝荘(ようきそう)へ。
こちらは作品には登場しませんが、意外と知られていない素敵な洋館です。
大正から昭和初期にかけて、松坂屋の初代社長だった伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろざえもんすけたみ)の別邸で、完成時(昭和14年頃)には約1万坪の敷地の中に三十数棟の各種建造物が建っていたそうです。現在残っているのは南園と北園に分かれた一部のみ。
最初に訪れたのは、南園の聴松閣(ちょうしょうかく)。山荘風の迎賓館です。
べんがら色が個性的な外観ですね。ちょうどガイドツアーの時間だったので、熱い解説を聞きながら回ることができました。
天井、柱、照明、床などに工夫が凝らしてあり、部屋毎にテイストが違うのでとても面白かったです。祐民はあの澁澤栄一らと外国を旅し、その思い出を各部屋に表現したそうです。中国をイメージした部屋の暖炉の上や天井の飾りがとても印象的でした。
聴松閣には、地下室もありました。「新カラマーゾフの兄弟」にも重要なアイテムとして出てきますが、地下室って何だか謎めいていますよね。上巻で名古屋月曜会の会場「靑猫」が登場するのも「地下にあるお店だから」と亀山先生が上巻読書会でおっしゃってました。
地下室はインドをイメージしたダンスホールのような造り。奥が半円形になっている舞台もありましたよ。どんな踊りが見られたのでしょうか。想像するだけでも、楽しいですね。
「ここ、浴衣読書会に使えないかな…」と思わずつぶやくサポーター(笑
そして、謎が謎を呼ぶ地下トンネルもありました。今はない別の建物と繋がっていたそうですが、何のために作られたのかは不明のままだそうです。
喫茶べんがらでお茶を飲んで、少し寛いだ後は、北園を見に行きました。
京都の修学院離宮の影響を受けたと考えられる池泉回遊式庭園で、
桜、新緑、紅葉と四季折々の景色を楽しめそうです。
北園を出ると、すぐ近くに日泰寺。
日泰寺の参道をゆっくり下って、出発地点の覚王山駅へと戻りました。
「新カラ」を読んだことがきっかけで「名古屋にもまだまだ知らないところがあるんだ」と実感した楽しいひとときを過ごせました。ご参加のみなさま、お疲れさまでした。
「新カラマーゾフの兄弟」は、ゴールデンウィークに読むのがぴったりの長編。今回ツアーを企画した城山八幡宮の他、名古屋人も知らなかった名所がいくつも出てきます。父の死より13年、カラマーゾフ3兄弟が1995年の日本に生きていたら…亀山流結末や如何に?
5月定例会の上下巻読書会でぜひご一緒に語りましょう。
著者の亀山郁夫先生もお招きしての開催、貴重なお話を聞けそうです。
それでは、5月14日、地階のJAZZ茶房靑猫でお待ちしております。
文:こころ
写真:シロ、ちづの、okko