猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年6月12日(日) 16:25~18:00読書会 18:30~19:40講演会 19:40~21:30懇親会
- 挫折派・積読派のための長編小説 完読支援企画「カラマーゾフの兄弟を読む」
6月12日、ついに「カラマーゾフの兄弟を読む」読書会の
第三回にして最終回が開催されました。
今回の読書会は、全巻を完読した約80名が参加しました。
1.2回目に参加できず、今回満を持して参加、という方もいらっしゃったようです。
一人だとなかなかモチベーションが上がらず、読み切ることが難しい大長編ですが、
やはり、みんなで読み切り、語り合えるというゴールがあるので、
今回初めて完読できたという方が多くいらっしゃいました。
5巻もあるので、語り合う内容はいくらでもあります。
好きなシーンや好きな登場人物の話題はもちろん、
それぞれが疑問に感じた場面について、他の人に質問できるのも読書会の醍醐味。
例えば、スメルジャコフの父親は誰だったのか?
主人公アリョーシャの内面はあまり多くは語られないが、
彼は本当に単なる善人なのか?
カテリーナのミーチャやイワンへの感情の動きの複雑さ、
スメルジャコフのイワンに対する心象の変化、
リーザの変貌の理由など。
「カラマーゾフの兄弟」は13年後の第二部が予定されていながら、
第一部で終わってしまった未完の小説のため、
第二部につながるであろう人物、エピソードがたくさんあります。
第一部で登場してきた子供たちが、
第二部のキーパーソンになることが予想されるので、
彼らがどのような人生を歩むのか、参加者それぞれが予想しあいました。
また、「わたしの主人公」アリョーシャの13年後についても。
亀山先生も参加者全員のテーブルをまわり、
参加者からの質問に答えていただきました。
参加者の皆さんからは、するどい質問が飛び、
先生ご自身もその場で初めて気づいたり、思い至ったこともあったようです。
読書会の後は講演会です。
亀山先生お手製の資料を見ながらの講演です。
ドストエフスキーの人生や、当時の宗教的背景、
ロシア語の名前に込められた意味、など
専門的知識がないと理解しづらい部分を説明いただきました。
また、謎の多いこの小説の考察、
そして第二部へどのようにつながっていくのかが語られました。
講演の後は、参加者からへの質問にも答えていただきました。
「現代の私たちがカラマーゾフを読む意味とは?」
「カラマーゾフ万歳!とは、何に対しての万歳!なのか?」などの質問が出ました。
講演の最後には、参加者全員で
「ウラー カラマーゾフ!(カラマーゾフ万歳!)」を。
先生に本場のロシア語発音を指南いただきました。
講演会の後は、恒例のベストドレッサー賞。
今回のテーマは「赤」です。
ロシアの赤をイメージされた方、作中で登場する悪魔の姿に扮した方など、
それぞれの解釈で赤を表現しました。
そのあとの懇親会では、亀山先生もご参加いただき、
引き続き参加者と熱い会話を交わしていました。
人生で一度は読んでおきたい名作「カラマーゾフの兄弟」。
みんなで読めば怖くない!
完読できて「ウラー カラマーゾフ!!」
文:かなこ 写真:フサン、ルーザー