扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋藝術部

  • 2016年6月26日(日) 読書会14:00~15:50、レクチャー16:00~17:45、懇親会18:00~
  • 【名古屋藝術部】日本美術基礎講座第2回「山下流日本美術の見方」

大人気の日本美術基礎講座シリーズ第2弾は、
日本美術史家である山下裕二さんをゲストにお迎えして
『山下流日本美術の見方』です。



当初は1月開催の予定でしたが、
山下先生が体調を崩されたため、半年遅れの開催となりました。
※ 山下先生のご病気は1週間程度のお休みで治られたとのことですので、ご安心を!

開催を心待ちにしていらした方が多く、総勢68名のご参加がありました。

第一部は読書会です。
課題本は『驚くべき日本美術』 (知のトレッキング叢書) と
『日本美術応援団』(ちくま文庫) の2冊です。



本を読んで「もっと自由に絵を楽しめば良いと気づいた。」という意見が多数ありました。






読書会中は、山下先生には、各テーブルを回って頂き、
参加者の質問や疑問に答えて頂きました。






その中で山下先生は、
「代表作、名作、傑作は観る人が決めれば良い。」
「絵を食べ物だと考えればわかりやすい。自分が食べて好きか嫌いかだ。」
とおっしゃっていました。







第二部はレクチャーです。
PCの準備に手間取り、参加者の皆様をお待たせしてしまい、
申し訳ございませんでした。




レクチャーのテーマは、
社会現象となった東京都美術館での『若冲展』についてです。



1ヶ月の会期で45万人の来館者があり、最長320分待ちだったとか。


まずは展示方法へのこだわりの紹介です。

四角い部屋を楕円形に変えて、中央に釈迦三尊像、
左右に今回の目玉となった動植綵絵(宮内庁所蔵)30幅が並びます。



まず見るべきポイントは、
釈迦三尊像(右3幅)と動植綵絵(左5幅)との大きさの違いです。

画集などでは同じ大きさに印刷されてしまうことが多いのだそうで、
生でサイズ感の確認することが大切とのことです。

次の見るべきポイントは、印刷ではわからない透け感。

絹地に描かれているので、裏彩色※の技法が駆使されています。
(※表からだけでなく、裏からも彩色を施す技法)


その後は一枚づつ気になるポイントの紹介です。



1枚だけグレーの鶏の羽(絵の具に不純物でも混じっていた?)




一羽だけ白い雀




群鶏図で一羽だけ正面を向いているのは自画像?



…などなど

若冲の絵は写実的でありながら、幻想的で、
随所に遊び心があふれていて、 今すぐ、若冲の絵を観に行きたくなりました。

ちなみに、展覧会は会期の終わり頃が混むので、
始まってすぐに行くのが良いそうです。


第2部の後の懇親会には、
山下先生と、編集者の松川さんにもご参加いただきました。








日本美術基礎講座シリーズは、
今後、山下先生の教え子である佐藤晃子先生をお迎えして、開催予定です。

お楽しみに!!!


文:美猫  写真:しょうふう・ジャスミン。

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