猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年7月2日(土)
- 関西文学サロン月曜会「そこのみにて光輝く」【第17回】
爽やかな青空に誘われて。。。と言いたいところですが、とにかく京都の夏は暑かった!7月2日の第一土曜日、 第17回関西文学サロン月曜会が 開催されました。今回は恵文社COTTEGE30名の方にお集まり頂きました。
関西文学サロン月曜会では、猫町倶楽部と恵文社が交互に課題本を選書しています。今回恵文社さんにて選定された7月の課題本は、1985年に 発表された今は亡き佐藤泰志さんの「そこのみにて光輝く」です。 2014年には綾野剛さん主演で映画化されました。
本日は金沢から遠征されてきた方もいらっしゃって、みなさんのフットワークの軽さに感銘しました! 会場には飲み物がセッティングされていて、各自好きなドリンクを飲みながら開始を待ちます。 お茶、ジュース、アルコールも取り揃えていて、タイミングが良ければボランティアスタッフがカクテルを作ってくれることもあります。
各テーブルには、ファシリテーターという進行役がいて、初めての方でも馴染めるように、読書会が始まる前から早めにお越し頂いた方とお話させてもらっています。本日は 1テーブル6~7人で今回は女性の方に多くご参加頂きました。男性陣は両手に花ではなかったでしょうか! もしくは綾野剛ラブな女子会にほりこまれて途方に暮れましたでしょうか?
定刻の17時になりましたら、司会者が読書会の始まりを告げます。
ここで猫町倶楽部を楽しむためのルールが一つだけ、あります。
「他の人の意見を否定しない」大切な優しいルールです。
まずは自己紹介(お名前、参加回数、参加するきっかけ、差し支えなければ 職業、好きな本など)をしていただいて、それからお待ちかね、本について 感想をお互い述べていきます。ここで、本の内容を知らない方のために、軽くあらすじをご紹介しますね。
ストライキ騒動に揺れる造船所を辞めた佐藤達夫は職を探さずパチンコ屋に入り浸り、そこでタバコの火を借りに来た大城拓児と知り合います。その後、彼の家で昼食をごちそうになりますが、拓児の一家は再開発が進む中、たった1軒残るボロボロのバラック住まい。そこで痴呆が進んだ寝たきりの父、その世話に明け暮れる母、スナック勤めと父の介護をしながら一家を支える美しい姉千夏に出会い、 2人は激しい恋に落ちていきます。
「愛を捨てた男と、愛を諦めた女。二つの魂が邂逅する。」
本のカバーに書かれてあるこの宣伝文をみると、どんなラブストーリーが展開するのかと思います。 しかし、恋愛主体というよりは、高度経済成長期に入った日本の闇に切り込む作品であり、様々な価値観に翻弄されやすい今の時代だからこそ、「あなたの居(生)場所はどこ?」と問いを投げかけられたように思えるのです。
さて、今回も同様に、各テーブルで和やかに熱心な議論が繰り広げられました。


・昔に書かれた作品とは思えない、今に通じるテーマ!情景が目に浮かぶよう
・タイトルの意味を考えた時、『そこ』は『海の底』、底辺層』等の意見。
→そこって何?どこ?という疑問多かったです。
・何で千夏に家族を捨てさせて他の土地へ行かなかったのか?
・一部では頻繁にでてきた千夏が2部ではほぼ出てこなくてさみしい。
・綾野剛がかっこいい! 松本がいい男!etc……
・『社会の達夫が転職したことに関連し、あこがれの職業とかある?という質問では、「読書カフェとか経営したい」という意見などがありました。こんな本をキッカケにした雑談が始まるのも楽しいですね。
一通りお話した最後にベストドレッサー賞を決めます。 毎回本のテーマにちなんだドレスコードがあるのですが、今回は「海」です。

・とってもお洒落なかばんなのに実はビーチバッグ!!
・光を集めて青く発光する、ラピュタの飛行石みたいなネックレス☆
・甥っ子にもらった沖縄旅土産のチョーカーなど、心が和むエピソード
みなさんそれぞれに素敵なドレスコードでした♪みんなで集合写真を撮って、読書会は終了です。

そしてお待ちかねの懇親会へと移ります。
お食事は、いつも素敵な料理を運んでくださる食堂スーフルさんに作っていただきました。 今回は、課題本にたくさん出てくる海にちなんでシーフード料理です。美味しいお野菜がたっぷりでした。

作中の千夏が作ったチャーハンも登場しました!

どのお料理もとても美味しい^0^見た目は鮮やかで手が込んでるのに、食べると ほっこりする優しいお味。 可愛らしいスーフルさんの人柄が料理に表れているようで、、、すぐにおかわりに手が伸びます。

読書会とセットで是非懇談会もご参加下さい!
☆お品書き☆
・サーモンとマッシュルームのオムレツ ・カニクリームコロッケ(大人気!)
・鮪のたたきカルパッチョとトレビス(お洒落すぎる!!カツオのたたき)
・蒸し夏野菜と明太子ソース(見目に鮮やか、パンチの効いた夏を感じるソース!)
・いんげん胡麻和え(たっぷりの胡麻でお箸が進みました。定番のおかずですが、 心をこめて作って頂いているのがすごく伝わりました)
・ラタトゥイユ(ワインと一緒に味わいたい!)
・ オクラのカレーいため・ ナスとゴーヤのナムル(お野菜いっぱいが嬉しい☆ 暑かったのでたくさん食べて夏バテ対策!)
・焼豚チャーハン(おこわみたいにもちもちして美味しかった!)
・ シーフードサラダクリームチーズソース ・さくらんぼとプラム(季節のフルーツ、女子は好きな人多いと思う♪)
懇親会の途中で席替えを行い、話したいテーマごとに集います。
☆本日のテーマ☆
「タクミバー(タクミカフェ)」「旅行」「芸術(音楽)」「仕事」
タクミバーでは、臨時で運営のお手伝いをしてくださったタクミさんが、「ディープブルー」や「レッドドラゴン」など、季節に応じた美味しいカクテルを作ってくださいました。その名の通り、お酒やノンアルコールドリンクを楽しみながらカウンターで雑談をするのですが、お酒も入り一緒にお食事をしたことで、よりみなさんと距離が縮まり、 リラックスモードでお話が弾みます。恵文社COTTAGEにはカウンターがあるのでこんな取組もできていいですね。

その他の「旅行」「芸術(音楽)」「仕事」も和やかにお話しました。



名残惜しいですが、定刻に近づきそろそろ終了。
懇親会の最後には facebook、mixiでつながったり、アドレス交換をすることも。
「ありがとうございました。また、お会いできるのを楽しみにしています^0^」
サポーター同士、「今日も良かったね!いっぱい盛り上がったね^0^」と笑顔で片付けに入るのでした。
☆予告☆
次回は8月6日(土)、年に一回の浴衣読書会です!
課題本は、永井荷風の「濹東綺譚」
文学の海で泳ぐ夏の思い出、作りませんか?
記 ゆうこ 写真 タクミ ゆうみ