扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

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特別イベント

  • 2016年8月3日(水) 
  • フィロソフィア名古屋第5回 東浩紀「動物化するポストモダン オタクから見た日本社会」

8月3日(水)フィロソフィア名古屋の定例会が猫町倶楽部のホームグラウンドである藤が丘のJAZZ喫茶靑猫で開催されました。
参加者は19名 そのうち懇親会参加者は14名でした。



課題本は東浩紀さんの「動物化するポストモダン」です。オタクの消費行動から日本社会の変遷を探ろうとした本です。

          

さて、オタク文化と言われるアニメ・ゲームを扱っているので、新しい本かと思いきや出版は2001年。もう15年前なんですね。話はやはり本の中に出てくるアニメやゲームの話に集中します。因みにこのレポートを書いている中の人は東さんより一つ上の同世代なんですが、エヴァも見たことがないくらいオタク文化と接点がないのでひとつひとつの話がとても新鮮です。



どうしても哲学を扱うと身近な話より社会や世界の大雑把な話に行きがちなのですが、今回の課題本は具体的な作品を扱った上での考察ですので、皆さんの過去の体験談などを踏まえた話になり各テーブル意見が白熱しました。今回副読本に批評家の佐々木敦さんの「ニッポンの思想」を選びました。その中にアカデミア(大学等での研究者と言った感じでしょうか)文体から具体的な社会に焦点を向けたジャーナリスティックな文体に東さんが変化したのはこの本からだという記述がありましたが、専門研究者向けではない社会学的要素が入った本の方がアウトプットしやすいのかも知れません。



東さんの言う「近代国家をまとめ上げてきた理念やイデオロギーという『大きな物語』が80年代以降急速に弱体化し、それは文化にも波及していると。なかでもアニメやゲームを消費するいわゆるオタクは、もはや作品にテーマ性や作家性を求めない」には、

「エヴァは萌え要素やキャラクターありきの話じゃない!」や「エヴァはまだ過渡期のアニメでこの後、東さんの言ったとおりになった」などという話も

「大きな物語」に拘らないオタクたちはキャラクターの設定や容姿など、自分たちが好む「萌え要素」だけに興味を持ちその情報の断片の集まりとしてのデーターベースの消費になっているという話には二次創作(という言葉くらいは中の人も知っています・笑)が盛んなのはそういう事だったのかと納得がいきました。





フィロソフィアは猫町倶楽部の他の分科会と違って予めファシリテーターを指名しません、各テーブルで一番参加回数が多い人がファシリになり、そのテーブルで出た意見やパンチラインを専用の紙に書きだしてもらい最後に発表してもらいます。そうすると必然的に猫町倶楽部の主宰がファシリテーターかつ発表者になるのですね。参加人数が今は少ないのでできる仕掛けですが、多くなると他の分科会形式にしてしまうかもしれませんので、主宰が一参加者として楽しんでいる様子を観たい人は今のうちに是非フィロソフィアにお越しください。

 



懇親会は藤が丘近くの和食居酒屋のお店です。今までフィロソフィアはイタリアンや肉料理のお店で懇親会をやってきましたが今回は趣向を変えてみました。フィロソフィアは楽しく懇親会をするためには美味しい料理も必要ということでmixiのコミュに「次何食べたい?」というスレッドを立てました。
できるだけ参加者皆さんの要望に答えていきたいのでこちらにオススメのお店を紹介してください。
次回は9月4日(土)にビギナー読書会が開催されます。猫町参加2回までの方是非エントリーしてください。フィロソフィアの課題本はまたまた東浩紀さんの「弱いつながり」です。データベース消費から15年、「Googleが予測できない言葉を手に入れよ」と東さんが訴えかけます。

そして、その次は秋に、ドゥルージアンのあのイケメン哲学者がやってきます。先行発表はフィロソフィアのmixiコミュで行います。それまで「刮目して待て」ということで宜しくお願い致します。

文 koh 写真 hilo

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