扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

特別イベント

  • 2016年8月27日(土) 
  • 第11回  金沢文学サロン月曜会 「第七官界彷徨」開催レポート

第11回 2016年8月27日(土)、お馴染み片町のfull of beansにて
記念すべき第11回金沢月曜会定例会を開催いたしました。
第11回ということで素数の話をしてしまい、最初から脱線気味のスタートになってしまいました(反省

8月の課題本は「第七官界彷徨」(河出文庫)(著者:尾崎翠)です。


初対面の方も毎回多くいらっしゃいますので、
まずはグループごとでお互いの自己紹介をしてから読書会スタートです。


読書会の前にはリーダー兼受付兼会計兼ファシリテーターが
本のあらすじのおさらいや話題になりそうなポイントや疑問を考えています。
そのため、初めての方がいらしても、安心してご参加いただけます。
ちなみに今回の参加者の内訳は
男女比は3:3
居住地別では石川:富山:滋賀:東京が3:1:1:1でした。
遠征サポさんありがとうございます。
読書会の数時間前に申し込んでくださった掛け込み初参加者の方もいらっしゃり
猫町倶楽部の敷居の低さを改めて実感したのでありました(笑


今回は尾崎翠の「第七官界彷徨」です。
兄の一助、二助と従兄の三五郎が暮らす家に炊事係として同居することになった町子。
第七官に響くような詩を書きたいという町子と、変な同居人や隣人とのストーリーですが
なんだか訳のわかったような訳のわからないお話しです(私見です)。

まずは、変な同居人である一助、二助、三五郎の話に話題が集まりました。
例えば「妹なのに「町子」という名前で呼ばず「女の子」と呼ぶのは錠が薄い」という意見もあれば
「いや、却って優しい気持ちがあるからこそ、気を遣って「泣くと困る」などと言っているのだ」と様々な感想が聞けました。
「一助のキャラが薄くて読み取れない」「三五郎と町子は従兄なのにむしろ本当の兄妹っぽくて、近親相姦っぽい」などと
一歩進んだ過激な意見も飛び出しました。

技巧的は意見だと「文章の中に関係代名詞が多用されているが、これは尾崎翠が翻訳でよく使っていたからだろう」という話や
「初めて会った町子に対して「あれ?どっかで会ったことあったっけ?」的なナンパの常套手段」や、
直接好きだとは言わず「僕の好きな女優に君は似ているね」などという女扱いが上手い浩六という
自分が一人で読んでいたら決して思いつかない話にたくさん出会えました。


結局最後まで「第七官」や「失恋」の定義も不明なまま物語は終わるのですが
「三五郎が他の女の子と話しているのを見て、初めて自分の気持ちに気付くみたいなことはよくある」というように
課題本がやや抽象的な話であるからか、自分の経験を踏まえて具体的な例に落とし込む話が多かったような気がします。


ちなみに「蜜柑」って、何かのメタファーだったのんですかねぇ?


猫町倶楽部唯一のルールは「他人の意見は否定しない」です。
これさえ守っていただければ話す内容はどこまでも自由なので話題は尽きません。


読書会が終わるとドレスコードの紹介です。
今回のテーマは「みどり」ということで、
緑色のアウターやTシャツの方が多かったですが、
翡翠のアクセサリー、登場人物の二助が育てている蘚(こけ)に掛けて
モスグリーンのお召し物などかわいらしいものが多かったです。
女性陣は、とある男性参加者の「アマゾンで洋服を買った」発言に
異常なまでの食いつきを見せていたのも一興です。

パチリ



懇親会では、 某女史の突如始まった「暮しの手帖」への愛トークに一同びっくり。
商品テストから写真のライティングの話まで、愛が感じられる内容でした。
どんどんヒートアップして、出てきた牡蠣とともにアッツアツでした。

次回の定例会は9/17(土)「墨東奇談」です。
あのシネマテーブルと合同の懇親会も予定しておりますので
「マッドマックス怒りのデス・ロード」を野外で見たい方もぜひ。
みなさまのご参加お待ちしております。

どっとはらい

文 ふくしげ
写真(撮影) Mさん

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