猫町倶楽部

8月27日(土)、猫町倶楽部トリコ組 第五回ＢＬ読書会が開催されました。


会場は名古屋藤が丘の「JAZZ茶房青猫」。
　今回の課題本は、ネットの口コミから火が付き話題になった今年いちばんの問題作『コオリオニ』（梶本レイカ・著）。北海道警の不祥事をモチーフにしたノワール色の強いハードなＢＬ作品です。



　テーブル札はトリコ組リーダー力作の氷の城。「城は見つかったか？」という佐伯さんの問いかけがいまにも聞こえてきそうです。ああ……佐伯さん……（合掌）。
　名札は警察か組員か選べるような形になってます。参加者の中には「潜入捜査員として暴力団組織にもぐりこんだ」というこみいった設定の方もいらっしゃいました。
　そして、トリコ組では作品に合わせてリクエストするのがあたりまえになってしまったお茶菓子。今回のテーマは「ノワール」ということでブラックチョコレートでコーティングされたさくさくしたクッキーをご用意いただきました。



今回は開始当初からの念願だった男子解禁読書会！
　一部は男子禁制、二部は男子解禁、という形で開催させていただきました。
　まずはいつもどおり、女性だけの読書会からスタート。

参加者の中にはＢＬを読むのがはじめてという方が毎回一定数いらっしゃいますが、そんな方々にも今回の作品は驚きだったようで、
「ＢＬってもっとキラキラしたイメージだったけどこんなかんじなの？！　びっくりなんですけど！」
　という感想に、
「そんなことないよ！　普通のはもっとソフトだよ！！！」
　と必死にフォローを入れるＢＬ愛好家たち。
「むしろキラキラしてないから読めた」という方もいれば、「ＢＬには癒しを求めてるのにめっちゃハードだった(´；ω；`)」とお嘆きの方も。
「男女の恋愛ものしか読めなくてＢＬは苦手だったんだけど、八敷を女性だと思って自分を投影して読んだらめっちゃ泣けた」
　というＢＬ愛好家からは絶対に出てこないような貴重な意見まで。



『コオリオニ』は非常に情報量が多く、構成も入り組んでいるので、一読しただけではなかなか読み解けない、まさに読書会にはうってつけの作品。「ここはどういうことなの？」と疑問に思っていたことをたずねたり、「ここはこうじゃないか」とそれぞれ発見したことを披露しあったり。
　特に書き下ろしの『ロングキス フローズンナイト』についてはどのテーブルでも物議をかもしていたようです。あるはずのない八敷の指と鬼戸の耳の存在に気づいたとき、「もしかして、夢……？」とどよめきが走ります。「ならばこれは、どちらが見た夢なのか？」読み解いたそばから新たな疑問が生まれてくる迷路のような作品の構造にふっと気が遠くなるような一瞬も。いつものことながらどれだけ時間があっても語り尽せる気がしません。

　一部の終わりがけには「男子がきたらできない話をいまのうちにしましょう！」というファシリテーターの提案により、いっせいにエロ話がはじまるという一場面も。「春画かよ！」「これが２０１６年現在、ＢＬの最前線をいくぼかし表現」「規制の水際を果敢に攻める職人の知恵と技」この日いちばん喉を涸らして叫んだのは○○○の話だったかもしれません……。



二部からはテーブルのシャッフルを行い、さらに各テーブル一人ずつ男性が投下されます。超アウェイな中に飛び込んできた勇気のある五人の男性は、ＢＬ読書会懇親会の常連から、関東から遠征でやってきたという方、なんとよりによってこれが読書会初体験という方まで！
　物怖じせずにぐいぐいと「俺のＢＬ論」を語る人もいれば、男子寮でのあんな体験やこんな体験を告白したり、「自分の知らない世界のことを知りたかった」と聞き役に徹する人まで男性陣の反応もさまざまでした。



今回のドレスコードは「ノワール」。この日はチャカと白い粉の所持率が軽く二割を超え、ほんとうにみなさん職質に遭わずに会場までたどりつけてよかったです……。


テーマは「セーラー服と機関銃」。


作中に登場するメフィストフェレスのイメージから。


サラシにボンタンにリーゼントにくわえ、
「えんそくヒール禁止なー」のハイヒール。

「トリコ組の鉄砲玉みーしゃ☆でーす！」
　


「極道の女たち」の岩下志麻をイメージしたとか。
彼女はこの日参加者のみなさんから「姐さん」と呼ばれていました。

インテリヤクザが笑顔で取り出したペンチに会場中から「きゃ～！」と悲鳴が。
　


ベストドレッサーに選ばれた方には特製しおりを進呈しました。

マスターの一曲はセルジュ・ゲンズブール「囚われ者 You’re Under Arrest」。けだるく色っぽいセルジュ・ゲンズブールの声が作品世界と絶妙にマッチしていました。

その後、場所を移動しての懇親会も大盛りあがりでした。
この日は読書会３８人（内男性５人）、懇親会２９人参加と盛況でした。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました！

二年目を迎えたトリコ組ＢＬ読書会。これからも参加者のみなさんに日常のあれこれを忘れて楽しんでいただけるようなすてきなイベントにしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします！

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文責：トリコ
撮影：ayuppe、ちづの、もは