扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋シネマテーブル水曜会

  • 2016年11月30日(水)  
  • 名古屋シネマテーブル 第75回『この世界の片隅に』

11月30日(水)、名古屋シネマテーブル第75回課題映画『この世界の片隅に』が開催されました。


監督は『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直。すずさんの生きた世界をリアルに活き活きと描き出しています。原作はこうの史代。マンガ表現への挑戦がさりげなく織り込まれており、その創作姿勢と高い完成度から多くファンから熱い支持を得ています。主人公すずさんを演じるのは女優・のん。「ありゃあ~」とすずさんの声が今でも耳に残っています。



元サポーター自作の素晴らしい映画案内チラシが配られました。完成度が高過ぎてあちこちで驚きの声が…



今回も初参加者がたくさん来てくださり、参加者計約70名、3会場使ってのたいへん盛り上がった会となりました。ありがとうございます!



『空爆のシーンは丹念に描かれていて実写よりもリアルに感じた。
爆弾の種類に詳しくなってしまった。焼夷弾とか時限式とか、一般市民でも知っている当時の描写を見ると、日常のなかに戦争が入り込んでいて見るに耐えなかった。呉の爆撃の最初のシーン「今ここに絵の具があったらなあ…」のところが、今までの戦争映画ではみたことのないような表現の仕方で、実写の派手な爆撃シーンよりむしろゾッとした。』



『周作さんがとても素敵だった!こういう場面でこういうことを言って欲しいと思うことをちゃんと言ってくれる!言葉にしてくれるのが嬉しい。』
水原さんも素敵だったと女子の意見。
『「柿をちぎる」は「契る」を意味し、「傘をさす」は「(契りを)させる」の意味で、男女で対になっている。新婚初夜の慣例』だと民俗学者の文献を引いて解説があったテーブルも。



『日常の描写の細やかさに感動&勉強になった。特に、楠公飯のところなど。非日常の中の日常を淡々と描くことでとてもリアルに感じた。』
『のほほんとした雰囲気に対し戦争の描き方がリアルで怖かった。すずさんはやりくり上手で主婦としては完璧。どんくさい面も含めすずさんが好きだとの意見も。』



すずさんの妄想?ファンタジーのような場面をみていて、絵を描いたりお話しを考えたりするのも、ひとを思いやるのも想像力のなせる業だと思った。原作ファンから、「この世界の片隅にうちを見つけてくれて」のシーン、すごく大切でいい場面なのにサラッと終わって残念という意見も。

自由であるはずの空想=絵を描くことすら制約される、ふつうであることが奪われていく様子が描かれている。厳しい日常の中、淡々と力強く生き抜いていくすずさんとその家族の気持ちが心に響いた。と感動の共有が…



さて、シネマテーブルのあとはいつものブリティッシュパブで二次会。



 

今回も参加者が多く、賑やかな二次会となりました。



二次会の話題映画『ぼくのおじさん』や、最近観た映画、それぞれの好きな映画など話が尽きない様子…



 

ということで、今回もみなさま、ありがとうございました。

次回第76回名古屋シネマテーブルは12月21日(水)開催、課題映画『五日物語 3つの王国と3人の女』

お申し込みはこちらから。
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/40694
みなさまのご参加をお待ちしています。

またシネマテーブルでお会いしましょう!

 

文章:ビトー・モンタナ
撮影:名古屋シネマテーブルサポーター

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