猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年6月30日 読書会19時~ 懇親会21時25分~
- 名古屋アウトプット勉強会 第126回 「利己的な遺伝子」
6月30日、第126回アウトプット勉強会がウィンクあいち1208会議室にて開催されました。
参加人数は50名で、初参加の方も多い賑やかな会となりました。
今回の課題本はリチャード・ドーキンス著『利己的な遺伝子』です。動物行動学のすべてを「利己的な遺伝子」で説明しようとするドーキンスの主張は、世界中にセンセーションを巻き起こしました。「人間を含めたいかなる動物も、遺伝子を残すためのヴィークル(乗り物)に過ぎない」という主張を、参加された皆さんはどのように捉え、議論されたのでしょうか。
読書会では、「ずっと読んでみたかった本。面白かった」という意見や、「難解すぎてよくわからない」、「難解なのではなく、論理的な編集がされていないため、非常に読みづらい構成になっていると感じた」など、様々な意見が交わされました。
文系・理系によって着眼点が違ったことも、興味深いポイントです。
他のアウトプットもいくつかご紹介いたします。
●「遺伝子は利己的だ」という仮説のもとに、一貫した物語を作っているという印象を受けた。数式など理系の手法で語ることを前提としていない。仮説の立て方は大胆で、40年前の本とは思えないくらい著者は未来を読んでいたと思う。
●オスとメスの話が面白かった。メスカマキリがオスカマキリの頭を食べちゃう話は衝撃的!動物の世界で着飾るのはオスだけど、人間の場合メスだというところに驚いた。
●「利己的な遺伝子」という言葉だけをかいつまんで引用され、本書の内容とかけ離れた使われ方をしている事例が多い。この本の成功には、キャッチ―なタイトルも一つの要因になっているのではと感じた。
利己的な遺伝子に自分の行動が操られているとしたら、どこまでが遺伝子の意思で、どこからが自分の意思なのか?そもそも遺伝子に意思はあるのか?だとすれば人間が生きる目的はなんなのか?と哲学的な話に広がったテーブルもありました。
ページ数も多く、難解とされる課題本だからこそ、意見を交わす醍醐味があったように思います。
2時間近くのアウトプットを経て、最後に実行宣言です。名古屋アウトプット勉強会では、「現実にコミットする」をテーマに課題本を読んで自分が実行しようと思ったことを宣言しています。今回は現実に直結させることが少し難しいテーマでしたが、「利己的な遺伝子」とどのように関わって生きるか、という宣言をされた方が多くいらっしゃったように感じました。「自分はただ生きている人間というだけでなく、先祖から脈々と受け継がれてきた遺伝子の集合体。先祖に感謝してお墓参りに行こうと思う」や「他者の行動の中に理解できない点があっても、“遺伝子のせいかも”と寛容に受け止めるようにする」など、本から受け取った学びを発表しました。
アウトプット後は会場を移動し、懇親会のスタートです。おいしいお酒と食事で、皆様大いに盛り上がっていました。課題本について話し足りない部分や、最近読んだ面白かった本について、はたまた仕事やプライベートな話まで、あっという間に時間が過ぎました。
次回、第127会アウトプット勉強会は加藤秀一著「はじめてのジェンダー論」です。普段はなかなか話しづらいテーマですが、読書会の中で意見を交わしてみませんか?皆様のご参加をお待ちしております。
文 ななほし
撮影 tt・わとう