猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年7月23日(日)
- 関西シネマテーブル 第5回『ありがとう、トニ・エルドマン』
2017年7月23日(日)、心斎橋cafeラポ―ティアで第5回関西シネマテーブルが開催されました。
課題映画は『ありがとう、トニ・エルドマン』
第69回カンヌ映画祭で批評家連盟賞を受賞、フランス・イギリスの著名な映画批評誌で2016年度ベストワンを獲得するなど批評的評価の高いドイツ映画です。
キャリアウーマンの娘と彼女の生活を心配する風変わりな父とのあいだの交流を独特のトーンで描いた本作品。
登場人物の強烈なインパクトからか「こんな父親は嫌…」「こういった父親の行動、自分の親と似ている…」など娘を過剰に心配する父親の「うざさ」を自分の親子関係と照らし合わせて話が盛り上がったり、主人公の社会的な立場や親子の交流を「自分ごと」として受け止め心揺さぶられたという話が出たり、はたまた作品の持つ社会的テーマの設定や演出の巧みさについての話が出たり。
色々なレベルの意見が尊重され、和やかに話し合うことができるのは、「他人の意見を否定しない」という本会のルールがあるからでしょう。
また、今回は特別ゲストとして課題作品の上映館・シネマート心斎橋の支配人横田陽子さんも参加されました。参加者と共に映画の感想を楽しみながら話し合われた後、ミニトークが催され、シネマコンプレックスやネット配信で気軽に映画を見ることが出来る現在、ミニシアターで映画を見ることのすばらしさについてユーモラスな語りが繰り広げられました。
いわくミニシアターでは今回の課題作品のように賛否両論あるが、誰かの琴線に強く響く作品と観客との出会を大切にされているそうです。そういった作品たちとの偶然の出会い、そして作品たちと暗闇の中で二時間、誰にも邪魔されず真摯に向かい合う経験を大切にしてほしい、それは今の自分が受け入れられなくとも、自分とは違った価値観に触れることで世界を違った、あたらしい目で見るきっかけになる、と語られた横田さんのお話は、映画との大切な向き合い方を思い出させてくれるようで胸を打つものがありました。
会の終了後の懇親会はゲストの横田さんと語り合うテーブルや今月の懇親会話題映画『メアリと魔女の花』テーブルなど、テーマ毎に分かれて、会とは違ったざっくばらんな盛り上がりを見せていました。
次回、第6回関西シネマテーブルは8月23日(水)19:30〜
『スパイダーマン・ホームカミング』です。
2000年以降では監督:サム・ライミ/主演:トビー・マグワイアの三部作、『アメイジング・スパイダーマン』二部作以来の再映画化。
マーベル・スタジオが制作する『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズの一環となる本作、はたしてどんな盛り上がりを見せるのでしょうか。
お申込みはこちらから:http://www.bookreading.nekomachi-club.com/schedule/46909
また、関西シネマテーブルの課外活動として平日夜にふらっと集まって映画の話をする場、「関西テアトル集い」が9月から始まります。
第1回は「マーベル・コミック」原作映画について語り合う「MARVEL TALK」!
時間・場所は以下となっています。ぜひご参加ください!
日時:9月8日(金)19:30~
場所:ミュゼ茶屋町 スパニッシュイタリアン&テラス
※支払いは各自清算・途中参加・退場OKです。
文責:わだ/写真:ねむこ・いよ・わだ