猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年8月5日(土)
- ◆必見!◆名古屋月曜会浴衣読書会 @白鳥庭園 谷崎潤一郎「吉野葛・蘆刈」
去る8月6日、続けざまに訪れる台風の合間、すっきりと晴れ渡る空の下で猫町倶楽部名古屋月曜会・8月浴衣読書会が開催されました。会場は白鳥庭園内にある茶室・清羽亭です。
91名(うち初参加7名)の方にご参加いただき、定刻前から白鳥庭園には浴衣姿がそこかしこに。庭園の池の汀や、清羽亭までの小径に浴衣姿が佇む様は、あたたかみのある感じがします。
さて今回の課題本は谷崎潤一郎の『吉野葛・蘆刈』。母性思慕の情感と吉野の郷愁的な眺望が調和する『吉野葛』、洗練された美しい女人への思いを余情含みに描く『蘆刈』、どちらも谷崎らしい美的感覚と繊細な筆致で、読みながらうっとりするような作品です。古典的な日本情緒の感ある作品を、風情ある清羽亭にて浴衣で語らうというのはなんともいえず情趣があります。
そんな情趣を一段と高めるテーブル札や名札も、花びらのひとひらに至るまでサポーターの手作り。なんとも丁寧に精魂のこもった力作です!
さて気分も高揚するなか、いよいよ読書会の開始です。
「自分が実際に吉野を歩いているように感じるくらい文章が丁寧で綺麗だね」
「熟柿とか、紙漉きのシーンが印象的。みんなはどのシーンが好き?」
「男性に聞いてみたいのだけれど、主人公みたいに母親の面影を女性に求めるものなの?」
自分の好きなシーンを分かち合ったり、聞いてみたいことを素直に聞けたり…。一人の読書にはない楽しみ方がある、それが読書会の醍醐味です。
「最後に男が消えたのはどういうことなんだろう?」
「父親の幽霊なのか、子供の幽霊か、はたまた父親の幼少期の思念体なのでは?」
「なるほど主人公の妄想とか、空想なのかも。答えが出ないけど、余韻と深みがある。答えがないのって逆に面白いって感じさせるね。」
みんなで話していると、新しい発見もあります。次々と新しい扉を開くような心持ちに、夢中になって話すうちに、あっという間に終了の時間になってしまいます。
読書会が終われば、ベストドレッサーの発表です。今回は全員女性でした。彩り豊かで艶やかでありながらも、しっとりと奥ゆかしい感じがします。浴衣の持つ不思議な魅力もあり、みなさん優美で本当にうつくしくいらっしゃいますね。
金魚の尾を模した帯、裏梅の紋様浴衣、苺柄の帯、母や祖母から譲り受けた浴衣…。意匠を凝らしたり、様々なエピソードを持つ浴衣の方々が勢揃い。
最後に記念写真です。100名近くの浴衣の方々が同じ本について語りあう。こうしてみると圧巻です。
猫町倶楽部の代表を囲んで!
楽しい時間は刹那の如く、惜しむように話せば、話すほどに却って興が乗る。「まだまだ話したりない!」とばかりに懇親会の席に。
懇親会にてリベンジベストドレッサーの選出もありました。参加者のうち誰でも、気になる浴衣の人に投票できます。選出されたお二人様、似合っていらっしゃいました。おめでとうございます。嬉しいプレゼントも。
初対面の人もそうでない人もすっかり打ち解けた様子で、旧知の仲といった風にくつろいでいるうちに夜も更けていきます。みなさん、素敵な時間を本当にありがとうございました。
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文:シータ
写真:苺奈津美、Yu、テラダユキヒロ
名古屋月曜会10期サポーター