猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年8月26日(土)読書会15:30~ 懇親会18:15~
- トリコ組 ファイナル猫町BL読書会 中村明日美子「ダブルミンツ」
8月26日(土)猫町倶楽部トリコ組 第九回にして最終回のBL読書会が、名古屋 藤が丘にあるJAZZ茶房靑猫さんで開催されました。
扉を開けるとそこは……密航船でした?! 回をおうごとに作り込みが迷走していった感のあるBL読書会ですが、ここにきてぶっちぎりの迷走ぶり。密航船に大漁旗掲げるなよ!
ついにはテーブル札の概念を超え、桃がドーンと!
今回の課題本は実写映画も絶賛公開中の「ダブルミンツ」。著者は記念すべき第一回BL読書会課題本「同級生」と同じ中村明日美子さんです。明日美子先生ではじまり、明日美子先生で閉じる。なんと美しい輪の閉じ方でしょう(自画自賛)。会場にはよるのなおこさんの手がけた過去九回分のポスターや課題本も展示。いやあ……どの回も楽しかったですよねえ……。
名札は過去九回分の参加歴を反映して初段から九段までご用意。東京で開催されたゲリラBL読書会も含めて全通したのは吉川トリコとリーダーのおがちゃん二人のみということで、特別に我々は「師範代」をいただきました。
「白みつおが師範代で黒みつおが初代ってかんじだよね」ということで、主人公二人の名札も。それぞれのキャラクター的に「いかにもこんな字書きそう~!」ってかんじに筆跡を変えてあります。芸が細かい!
毎度マスターにおねだりして課題本にちなんだスイーツを用意してもらっているトリコ組ですが、今回は桃とメロンを使った杏仁豆腐。「靑猫に通いはじめて10年になるが過去最高!」という声まであがっていました。
はじまる前から汗だくですでにおなかいっぱいというのもいつものことですが、さてさていよいよ最後のBL読書会の幕開けです!
「ダブルミンツ」は高校で同じクラスになった同姓同名の男性二人がメビウスの輪のように主従、SM、受攻の関係をめまぐるしく反転させながらもつれあう、BLならではの醍醐味が存分に味わえる作品になっています。
最終回だからと滑り込みで参加された方も数多く、どのテーブルも初心者と常連のバランスが絶妙にとれていた印象でした。「BL読むのがはじめてで右も左もわからない……」と最初はびくびくしていた参加者の方も、「思い切って参加してよかった! 聞かなくてよかったと思う話がいっこもない!」と鼻息を荒くされていました。
「セックスの代わりに彼らは暴力をふるい、女を共有する」
「共依存を描いた作品は男女ものでも親子ものでも拒否感があるが、BLだけは読める」
「桃やばい」
「白みつおは基本やばい」
「黒みつおは自分を傷つけることによって主導権を取り戻した」
「佐伯の過去にも似たようなことがあったのでは?」
「巻末のおまけ短編で二人はようやく別の名前を持ち、別々の人間として向き合えるようになった」
などなどさまざまな意見が飛び交う中で、初心者からの質問にBL熟練者がていねいに応え、やがてはBL総論やジェンダー論に発展するおなじみの光景が見られました。「いやあBLってほんとにいいものですね!」
最後は各テーブルから選ばれたベストドレッサーを発表。
毎回趣向を凝らしたドレスコードを設定してきたBL読書会ですが、最後の最後はいたってシンプルに「ダブル」。
顔出しNGさんが多数のため、トリコ組うちわ大活躍!
青猫マスターによる今日の一曲はマット・デニス「We belong together」。課題本に似つかわしくない(いやむしろぴったり?)ロマンティックな一曲。マスターも最後のBL読書会を惜しんでくれていました。
読書会の後は会場を移動して懇親会。今回はカップル制限を取っ払い男性一人参加でもOKにしたところ過去最多9人の男性にお集まりいただきました。小さな息子さんを連れたすてきなイクメン男性まで。こんな小さなころから英才教育を受けていたら、さぞやすてきな大人になることでしょうね……( ^ω^ )
最終回ということであちこちから「やめないでー」「半年後、またしれっと再開することを祈ってます」と閉会を惜しむ声が聞こえてきました。こんなにも愛される会になっていたことがとても誇らしいと同時に、名残惜しい気持ちがわきあがってくるようです。せっかく結ばれたこの縁をなんらかの形でつなげていけたらとサポーター一同願っています。二年間ほんとうにありがとうございました。BLは永遠に不滅です!
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文責:トリコ
撮影:ayuppe、ちづの