扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

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  • 第31回 関西文学サロン月曜会 ウィリアム・フォークナー 『フォークナー短編集』

関西文学サロン月曜会[文学]

  • 2017年9月9日(土) 受付開始16:30 読書会17:00~19:00 懇親会19:00~20:40
  • 第31回 関西文学サロン月曜会 ウィリアム・フォークナー 『フォークナー短編集』

関西文学サロン月曜会へようこそ。
本と人との新たな出会いは、ここから始まります。


 

入口を入るとまず受付へ。読書会は、1テーブル約7名のグループで語り合う形式となっており、受付でどのグループかご案内します。カウンターでお好きな飲み物を受け取って、お席でお待ちください。


 

今回の課題本はウィリアム・フォークナーによる「フォークナー短編集」です。皆さん同じ本を読んでいるので、初対面であっても開始前から話がはずみます。読書会では、総合司会の他、各テーブルにも司会進行役のファシリテーターが一人配置されていますので、初参加の方でも安心して参加いただけます。この読書会には毎回初参加の方がいらっしゃいますが、今回も8名の方が初参加でした。

さていよいよ読書会スタートです。作品全体を通じて様々な感想に出会えました。

「ちょうど一年前の課題本がガルシア=マルケスの「予告された殺人の記録」だったが、その作品も一族の没落をテーマとした作品であり世界観が似ていた。」

「今の時代からすれば『何てひどい差別主義者達なんだ』と感じるが、恐らく当時のアメリカ南部に住んでいた人たちはそれが差別であるという意識すら無かったのでは?そして自分たちも、百年後の人類から見たらひどく野蛮に感じられる行動を意識せずしてしまっている可能性がある事を肝に免じておきたいと感じた。」


 

個々の短編集に関する話題も大いに盛り上がりました。

<嫉妬>
嫉妬という誰もが持つ感情なので、分かりやすく読みやすかった。

<赤い葉>
主人公の逃げる黒人は、なぜ境界の外に逃げることができなかったのか?という問いについても語られた。単純に村の外の世界に行ったことがなかったからではないか。幼い頃にアフリカから来て太鼓の音になじんでいたから、太鼓に引かれて捕まることが見えているのに現れたのではないか。

<エミリーにバラを>
全体的に救いの無い話が多かったが、「エミリーにバラを」は、事実だけ見ればホラーにしか感じないが、最後のページに少しだけ救いを感じる事が出来た。

<あの夕陽>
ジェイソンの「洗濯は誰がするの?僕黒人じゃないよ」っていうのが印象的だった。黒人がするものだと思っている、負の物を押しのけているところが、無邪気で悪意がないだけに怖いと思った。

<乾燥の九月>
「乾燥の九月」と同じような事件が当時のアメリカ南部では当たり前のように発生していたという事だが、南北戦争に負け、何かしら自分よりも不幸な人たちを探す事で自分が不幸では無いと感じたい人間心理が働いてしまったのかもしれない。


 

<孫むすめ>
ワッシに一番共感を覚えた。誰よりも尊敬し信用していたサトペン大佐と赤ちゃんの産まれた喜びを分かち合いと思っていたワッシの気持ちを思うと何とも言えない気持ちになる。

<バーベナの匂い>
父親を愛し尊敬しながらも正義との間で葛藤し、最終的には南部の古い慣習を打ち破って未来へ進もうとする少年や若者に、フォークナーは希望を抱いている。

<納屋は燃える>
ほとんどの作品に父親が出てきており、父親を愛し尊敬するが故に苦悩する登場人物の姿が印象的だった(特に「納屋は燃える」)。

 


 

文学サロン月曜会にはドレスコードがあり、今回のドレスコードは「薔薇」です。読書会の最後までにグループごとに一人ベストドレッサーを選出します。今回も薔薇のアクセサリーや、鞄、手作りTシャツ等様々なベストドレッサーが選ばれました。

 


 

関西文学サロン月曜会では、小説にちなんだお菓子や、京都ならではのお菓子をご用意しています。今回はドレスコードに合わせた薔薇のフィナンシェです。

 


 

読書会の最後には全員で集合写真を撮影します。皆さん良い笑顔ですね。

 


 

さて、読書会の後は、お楽しみの懇親会です。関西文学サロン月曜会では、「食堂スーフル」さんによる、課題本に合わせた美味しい料理も食べることができ、お腹の中までどっぷり文学で満たされます。
本日のメニューは、南米のルイジアナ州ニューオーリンズの料理で、テーマは「ケイジャン&クレオール料理」です。ジャンバラヤ、ガンボスープ、ケイジャングリルチキン、ミシシッピマッドケーキ等ここでしか味わえないメニューばかりでした。


 

懇親会では、途中でテーマに分かれて席替えをします。今回は、「続・フォークナーを語る」、「映画」、「漫画」、「夏の思い出」です。読書会とは違う話題とメンバーで、さらに色んな談義に花が咲きました。

 


 

読書会に参加する事で、読書体験が皆と話した体験に変わり、より思い出として心に刻まれるようになるのが醍醐味です。本と人との新たな出会いがあなたをお待ちしています。

次回の関西文学サロン月曜会の開催は、
10月7日(土) です。課題本は、須賀 敦子「ミラノ霧の風景」です。

お申し込みはコチラから。

※10月は恵文社ではなく、ラポーティアでの開催となります。お間違えのないようにお願いいたします。

皆さまのご参加をお待ちしています!!

 

文:ゆうみ 写真:VAN、未来

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