猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年9月9日(土)
- 金沢月曜会第22回『高慢と偏見』
米津玄師の「アイネクライネ」。今回の読書会のテーマソングです?
いや、あの、この拙文、最後までお付き合いいただければ…
第22回金沢文学サロン月曜会は、9月9日午後4時半から開催されました。
場所は、金沢市中心部(竪町通りをちょこっと横に入る)の古民家カフェ「Full of Beans」さん。
参加者は男性5名女性1名計6名です。
はじめましての方は、お隣富山県から国境の長いトンネルを抜けていらっしゃいました。ありがとうございます。
今回の課題本は、イギリスの閨秀作家ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」。或は「自負と偏見」。
主題はザ・結婚で、今から200年ほど前のイギリスを舞台に主人公の男女2人の恋と愛情と(恐らくその帰結としての)結婚が描かれています。夏目漱石が絶賛し、サマセット・モームが「世界10大小説」に選んだ傑作です。
●登場するお嬢さんたちについて
「ただ『美しい』というだけの容姿の描写では、どんな顔立ちだったのか…」
18世紀後半~19世紀前半のこの時代、現在のように「美人の共通基準」的なものがあったのかどうか。小説中いちばんの美人さん設定のジェイン(エリザベスの姉)で、今の芸能人でいうと…などと盛り上がります。
男性諸氏のご意見、なんだか源氏物語の雨の夜の件を思わせるような??
外見描写が具体的な造作に触れていない分、読者それぞれのエリザベス像、ダーシー像でニヤニヤできます?
映画「プライドと偏見」の監督は当初、キーラ・ナイトレイでは「(エリザベス役には)美人すぎる」と渋っていたとか。
●ダーシーの矛盾について
親友に対する助言(教唆?)の根底にあったはずのベネット家への認識が、自身のエリザベスへの求愛に影響していないのはなぜ? それが愛?
●日本に置き換えると
「ブリジット・ジョーンズの日記」パートⅠは「高慢と偏見」が下敷きに。では日本版の「高慢と偏見」は?
最初の舞踏会=合コン街コン、リディアの出奔=もっと過激に、、そういう翻案物ぜひ。ダーシーとビングリーの品定め会話=男子トイレの作戦会議。で、「敗戦処理」認定されたロングボーンの女性たち。おぅ。。
なんと登場人物を和名に変えてきたつわものも!(同人誌作れるね・・・)
●作者ジェイン・オースティンの知性について
これだけ観察力のある人が身の回りにいたらちょっと怖いかも?
→いやいや自分に観察眼があるだけに、他人もそうだろうと思っているだろうから、逆に…
読書会では、男性の視点、女性の視点で語り合えたりするのも魅力です。
特に今回は「女性から見て…」「男性にとっては…」という質疑応答が目立ったような。
「この読書会がなければ、この本に出会わなかっただろうなぁ」という方も(絵文字ハート)。
次回の金沢文学サロン月曜会の開催は、
10月7日安部公房「方舟さくら丸」
です。
この本にすでに出会っている方も、これからの方も。
皆さまのご参加をお待ちしています!
では、テーマソングとともに暫しのお別れ。。So long!!
編者注
下記の文章は、他人の著作物の引用です。
開催レポート作成上、読書会の感想と密接な関係があり、かつ本文の内容を強化するために出所を明示して引用します。
ここから引用
♪消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた
ここまで引用
(作詞:米津玄師)
(エリザベスとダーシー氏、末永くお幸せに!って続編を書いちゃったヒトがいるんですか? ちょっと読むの怖いかも…)
文 さく 写真 まるごと 編集 ふくしげ