猫町倶楽部

○残暑の猫町
まだ暑さが残る10月4日、KAKOというオシャレなキャフェで獅子文六「悦ちゃん」の読書会が開かれたよ！
今回はKAKOに入りきれないほど参加申込があったから、特別に別会場にもう一テーブル設けたンだ。
総勢48名、うち初参加が6名だったってさ。





○読書会
読書会では各テーブルに分かれて、いろンな意見が出たンだ。
みんなの意見を公開するよ！

「勧善懲悪、ハッピーエンドが分かっているから読みやすい」
「悦ちゃんと鏡子さんのたくましさが頼もしい」
「果たして鏡子さんは幸せになれるのか？ろくさん、就職はしたものの心配…」
「禄さん京都までカオルさんを追いかけて行ったけど、そんなに好きだったの？→ろくさんって、美人に弱そうだからねー。」



「新聞小説だということで、季節感のあるシーンが多い。物語の中で夏から春に季節が進んでいる。リアルタイムで読んでたら、季節を追いながら読めたのだろうね。」
「表現に食べ物が使われていたり、当時ならではの言葉がでてきたり、新鮮で面白かった。」
「お姉さんは、悦ちゃん目線でこそ嫌な人かもしれないけど、本当は自分の立場や家族のことも冷静にきちんと考えれる人。そこまで悪い人ではないのかも。」



「まるでドラマの脚本のような物語。頭の中に映像が浮かんでくる。」
「悦ちゃんとバカボンのパパは同じ歳→一同爆笑」
「鏡子さんと悦ちゃんの会いたくても会えないという状況がより2人を強く想いあわせていて、尚且つ読者も感情移入してしまう憎い演出だと思う。」
「禄さんはダメンズだけど、鏡子さんは見る目があると読者に思わせてしまう不思議さ。」
「この時代だからこそ物語が成立してる。現代だったらこうはいかない。」
「悦ちゃんが禄さんを大好きだということが色んな出来事を丸く収めている。」



まだまだ続くよ！

「碌さんは自分の父親だったら絶対嫌だけど近所のおじさんくらいだったら面白い。」
「ところどころ作者の声というかナレーションみたいな文章が入るのが面白い。朝ドラみたい。」
「普段の課題本の3倍くらいのスピードで読める。新聞連載だったというのがよくわかる(続きが気になるように章の終わりに次への引きを作るのが上手い)。」
「碌さんはダメなところもあるけど、娘をちゃんと可愛がっているんだろうなと思う。悦ちゃんが鏡子さんに『ママになって！』って素直に言えるのは、ちゃんと碌さんに愛されていたからだよね」



「碌さんに愛されてる悦ちゃんだから、鏡子さんが良い人だと思ったら素直に懐けるんだよね」
「だから悦ちゃんて凄く健全な子どもだよね」
「前半は碌さんや悦ちゃんが主人公かなぁと思ってたけど、後半は鏡子さんが主人公だった」
「ほんと、後半の鏡子さんの行動力にびっくり！」
「予定調和なドタバタ喜劇って感じだね」
「肩に力が入ってない、気軽に読めるエンタメ」
「デリケートなテーマもコミカルに書いているのが凄いと思う」
「読みやすい。当時はラノベ感覚で読んでいたのかなぁ」
「確かにキャラクター小説っぽいね」



「碌さんと指久が出会うシーンは落語みたいな面白さがあるよね」
「鏡子さんは自分と悦ちゃんを重ねているのかな」
「うん、鏡子さんは自分が義母さんにしてもらいたかった事を、悦ちゃんにしてあげようと思ってるみたい。悦ちゃんを可愛がることによって自分も癒やされてる気がするな」
「当時はこの小説はどんなとらえ方をされたんだろうね」
「庶民目線かなぁ。わりと金持ちに対して厳しめ目線？」
「でも銀座をぶらついたり、輸入物の水着を買ったり、音楽会に行ったり、そういう庶民の憧れのような場面も多いよね」
「最後はアイドルにもなっちゃうしね(笑)」



少数だけど、つまらなかったという意見もあったんだ。ちえッ、しどいわ、しどいわ。

○ベストドレッサーを決める日
この日のドレスコードは「昭和」。
シャンなお姉さんばかりだね！昭和のオジさんもいるや！



○大団円
懇親会は九州居酒屋で開かれたよ！
オシャレして、夜おそくまで遊んでるのは、不良でしょ！



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悦子より

語　り：悦ちゃん
イタコ：すず
文責：涼
写　真：Yu