扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

特別イベント

  • 2017年12月9日(土) 
  • 名古屋猫町倶楽部クリスマス読書会&パーティー2017

名古屋猫町倶楽部クリスマス読書会&パーティー2017

街が完全にクリスマスの雰囲気で彩られるには少し間がある12月9日、名古屋猫町倶楽部クリスマスパーティー2017が開催されました。
昨年までは文学サロン月曜会が主催していましたが、今年は初めての試みとして名古屋猫町倶楽部の6つの分科会全てが合同で開催することになりました。



本日の各分科会の課題本/課題映画は以下の通り。ドレスコードも各分科会ごとに選定しました。

①文学サロン月曜会課題本
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川epi文庫)
ドレスコード:グリーン

②アウトプット勉強会課題本
エーリッヒ・フロム『愛するということ』
ドレスコード:ホワイト

③名古屋藝術部課題本
中野京子『名画と読むイエス・キリストの物語』(文春文庫)
ドレスコード:ピンク

④フィロソフィア名古屋課題本
クロード・レヴィ=ストロース『火あぶりにされたサンタクロース』
ドレスコード:レッド

⑤猫町アンダーグラウンド(UG)課題本
ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ』
ドレスコード:ブラック&マスク(仮面)

⑥シネマテーブル課題映画
『ローガン・ラッキー』
ドレスコード:ボーダー(白×黒)

今回のイベントに合わせて選ばれた課題本/課題映画です。このラインナップを見るだけでもそれぞれの分科会の個性が伝わってきますね。



会場は、千種駅からすぐのCHIKUSA GRILL。猫町倶楽部で貸切です!
参加者はなんと170人越え!ほとんどの分科会で満員となる大盛況でした。



サンタの帽子も垣間見える受付を抜けると、店内の隅から隅まで各分科会ごとのテーブルが設営されています。



全26卓にも上るテーブルに、続々と来場する参加者をサポーターが誘導。徐々にテーブル席も埋まっていく中で少しずつ読書会の開始時間が近づいてきます。



石窯も備えられた本格的な厨房ではパーティーに向けて着々と準備が進んでいます。



今日は全分科会合同ということで30名以上のサポーターが集結。
分科会の枠を飛び越えて事前準備、当日の運営サポートを実施し、一年の総決算にふさわしいパーティーを作り上げていきました。

猫町倶楽部のサポーターは、読書会に何度も参加していく中で「運営に関わることで読書会をより楽しくして自分たちも楽しみたい!」という精神で集まったボランティアスタッフです。参加資格は、これまでに分科会に4回以上参加したことがある、ということのみです。



さあ本日のイベントがスタートです!猫町倶楽部主宰のタツヤさんと参加者全員で「メリークリスマス!」



読書会の司会の二人から挨拶と注意事項の説明が終わった後、それぞれのテーブルで読書会が始まります。

猫町倶楽部のルールはたった一つ、「参加者の意見を否定しないこと」、課題本に文句があっても全然問題ありません。
読書会の進行役であるファシリテーターの進行に沿って、各テーブルで話が盛り上がっていきます。

では、それぞれの分科会の様子を覗いてみましょう。



文学サロン月曜会では、「話の設定などには突っ込みどころはあるものの、メタファーとして現代の諸問題を取り上げた良書である」「命とは何か? 心は脳にあるのか? それとも心臓にあるのか? と考えさせられた」というような意見が上がっていました。



アウトプット勉強会では、「タイトルは『愛するということ』だったが、愛についてと言うより人生訓のような作品だった」「久しぶりに読み直したら、自分の環境も変わっていて、また感じ方が違った。そうやって何年かに一度再読して、振り返るのに良い本だ」というご意見が。再読を通して、自分自身の成長を実感するというのは興味深いですね。



名古屋藝術部では、ゲストとして日本美術基礎講座の講師である佐藤晃子さんにも参加して頂きました。「キリストと12使徒たちの関係が会社組織みたい」「一番キリストに忠実だったペテロが、キリストを否認することになったが、今の時代も会社などで最後は自分の保身に走る人もいると思うので、分かる気がする」というようなご意見が出ていました。今から2000年前の事象からも学ぶことは多いようです。



フィロソフィア名古屋では、「現在のようなクリスマスの風習がアメリカの商業主義の影響を受けていると知って驚いた」「大人から子供へプレゼントを贈るのと大人から大人に贈ることは違うことなんだろうなと思った」というようなご意見が。



猫町アンダーグラウンドでは、「内容自体はすごく単純だけど、それをいかに文学的に表現するのがポイントだと思った」「エロティシズムを使って死生観や人間の本質を描いているが開けっぴろげだからエロさは感じなかった」というような少し際どさを感じさせるような発言も上がっていました。



シネマテーブルでは、「犯罪映画なのに極悪人がおらず、犯罪計画がどこかで破綻しそうに見えて全てうまくいくところが痛快だった」「娯楽として楽しめる作品でありながら、アメリカの社会問題を描いている」というように娯楽作品の中に隠された映画の真意を探るような意見が上がっていました。

いずれの分科会も、常連メンバーだけでなく、あえてメインとは別の分科会に参加していた方も多かったようで、新鮮な気分で盛り上がったテーブルが多かったようです。



読書会終了前には各分科会ごとにベストドレッサーを選出。
今回のドレスコードはそれぞれ異なる色だったため、個性的な出で立ちの方々が選ばれました。
クリスマスらしい素敵な白の服装やサンタルックでまとめた女性の傍に、緑の手術着や囚人服の男性が立ち並ぶ模様はこの場でなければ中々見られない光景です。




そしてここからはクリスマスパーティー!司会もパリピ(?)なサンタルックに身を包んだサポーターの二人に交代です。
また、本日は読書会から参加して頂いた美術ライターの佐藤晃子さんに加え、パーティからはフリーライターの大竹敏之さんと猫町倶楽部に縁のあるゲストもお越しくださいました。



パーティーのはじまりはクイズ大会!各分科会の参加者が混ざるように編成されたチームでの対抗戦です。
全12問のうち、まずは前半6問のクイズで正解数が多いチームから、勝ち抜け方式で好きなレコメンドカードを選べる権利が得られます。



レコメンドカードとは、各参加者が持参した交換用のプレゼント本のキャプションを書いたカードです。テーマは「自分を紹介する一冊」ということで、すぐに決まった方も直前まで悩んだ方もいらっしゃったのではないでしょうか。



クイズの内容はサポーターが考えた各分科会にちなんだ出題。
ノーベル賞関連の問題から、ゲストの佐藤晃子さんの好きな芸能人に関する問題まで非常にバラエティーに富んだ内容でした。
後半6問のクイズも終わり、すべての参加者がレコメンドカードを手にした後に、いよいよプレゼント本の交換タイムが始まりました。




本の交換は、選んだレコメンドカードの中に書かれた名前や本人の特徴をもとに探す、という方法。大人数の中から相手を探すのはなかなか…やっとめぐり会えたときの嬉しさ倍増です。
「カードのレコメンドを読んで選ぶ」という企画のため、初対面でもすぐに話を弾ませられるのが好評でした。



さらに、各分科会リーダー、主宰のタツヤさんのレコメンドカードを引き当てた幸運な方たちには本以外の物がもらえる特別賞がありました。
「各分科会リーダー賞」は、「今日参加した分科会以外の分科会に使用できる無料参加券」。これを使えば、興味はあるけどこれまで足を運んだことがない分科会にも気軽に足を運ぶことができますね。



ゲストの大竹敏之さんにもご登壇いただき、著書の『なごやじまん』をプレゼントして頂きました。



そして、気になる「タツヤ賞」は…。恒例のお姫様抱っこ!


本を交換した後は歓談タイム。
料理とお酒を楽しみながら、話したりない課題本について語ったり、他分科会の読書会の話を聞いたり、久々に会う人との会話を弾ませたり…。
皆さん思い思いの時間を過ごしていました。












楽しい時間は非常に短く感じるもの。あっという間に終了予定時刻が近づいてきました。
最後に全員の集合写真をパチリ。今回のクリスマスパーティも大盛況でした!

今回は、名古屋では初めての全分科会合同クリスマスパーティーでしたが、初めて参加した方にとっては6つの分科会の内容を一気に知る機会に、初めてではない方にとっても普段はなかなか参加できない分科会の方々とお話できる貴重な機会だったのではないでしょうか。
6つの分科会・猫町倶楽部はもちろん初心者大歓迎。常連さんも最近ちょっとご無沙汰の人も、各分科会ごとに定例会を開いていますので、今回のパーティーで気になった分科会に是非お気軽に足を運んでみてください。
定例会にはまだ今年参加できるものも。新年の名古屋猫町倶楽部は1月10日(水)の月曜会からスタートです!
http://www.bookreading.nekomachi-club.com/side/124

さあ、あなたは次にどの分科会に参加しますか?


文責:tt、イノッチ
写真:テラダユキヒロ、Yu、わとう、苺、

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