扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2017年11月17日(金) 
  • 月曜会藤ヶ丘会場 フィリップ・K・ディック「ヴァリス」

秋が深まり、冬の到来が近いことを感じさせる11月17日(金)、JAZZ茶房靑猫にて名古屋文学サロン月曜会(藤が丘会場)の11月定例会「ヴァリス」が開催されました。今回の参加者は34人、うち6人の方が初参加です。



18時45分、受付開始。課題本を読み終えた参加者が次々と会場に入ってきます。そして19時。ここから15分間は藤が丘会場だけのミニ企画、「猫町ジャズ講座mini・歴史編」の時間。静かで落ち着いた雰囲気の中、青猫マスターのレクチャーを受けながら、美しいJazzの名曲に耳を傾けます。



今回取り上げられたのは、Chick Corea and Gary Burtonの『Crystal Silence』。



19時15分、司会者の挨拶を合図にいよいよ読書会の開始。各テーブルにはピンクを基調としたサポーター作のテーブル札が並んでいます。





今回の課題本「ヴァリス」は、ディック最大の問題作との評判だったためか、非常に難解で読みにくいとの声が多数。その一方で興味深く読めたという声もきかれた作品でした。

以下、読書会の中で出てきた意見の一部を紹介します。

「リンダの妊娠は輪廻転生を意味しているのではないか。」

「あまり理解できなかったが、読み終わってみるとジェットコースターに乗って頭を振り回された後のような、不思議な爽快感というか虚脱感が味わえた。」

「村上春樹の作品に似ている。春樹自身がディックに影響を受けたと言っていたので、春樹作品を読み慣れた自分としては読みやすく、面白く読めた。」

「語り手(フィル)の曖昧な立ち位置や視点が作り出す浮遊感や不安定さが、ドラック中毒の酩酊状態を読者に体験させる仕掛けになっているのでは。」

「フィル或いはディックが体験した理解出来ないような異常な精神状態や世界観をそのまま書き出すことにより、読者はそれを疑似体験することがこの本を読む意味かも。」





21時、読書会が終了し、ベストドレッサーの発表です。今回のドレスコードは「ピンク」。各テーブルから選ばれたベストドレッサーより、今日のポイントを発表します。





発表を終え、ベストドレッサーたちの記念撮影です。



定例会の最後の締めくくりは本日の一曲、Eric Claptonの『Change The World 』。曲が終わり、次回の案内も済んだ21時15分、読書会は終了です。



懇親会は「Slow Camp」で実施。読書会だけでは話足りないのか、とても賑やかな雰囲気でした。読書会では異なるテーブルだった方との交流も、懇親会の楽しみの1つです。




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文責:りじゅ
写真:苺奈津美、ろく、まりそる
名古屋月曜会サポーター

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