扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋アウトプット勉強会[ビジネス]

  • 2018年1月26日 読書会19時~ 懇親会21時25分~
  • 第134回 名古屋アウトプット勉強会 「古事記」

1月26日、名古屋駅近くのウインクあいちにて、第134回目の名古屋アウトプット勉強会が開催されました。

年が明けて最初の名古屋アウトプット勉強会、課題本は古事記』。

「なんでアウトプット勉強会で古事記なの…!?」
「古い本だし、難しそう」

開催前から、そんな戸惑いの声も聞こえた課題本。

ですが、少しでも多くの方に参加してもらえるよう、何かきっかけを作りたい。また、せっかく毛色の違う課題本なら、いつもと違うこともしてみたい。
そんな我々アウトプット勉強会サポーターの想いから、事前企画として「古事記ゆかりの土地を訪ねる」という日帰り旅行を募集しました。

こちらは、課題本と読書会をより深く楽しむため、『古事記』に記述のある全国各地の土地から、特に三重県の松阪・伊勢に焦点を当てて現地に赴くというもの。

「えっ、いつの間にそんな企画が…!?」
そう思われた参加者の方もいるかと思いますが、実はこの企画、ホームページでは募集しておらず、猫町倶楽部が主に活動しているmixiコミュニティの限定企画でした。

mixiでは、今回に限らず、さまざまな企画を行っています。
猫町倶楽部をもっと楽しみたい方は、ぜひ参加をお勧めします。

では、まずは旅行当日の様子を、ほんの少しだけ紹介します。

まず訪れたのは、松阪市の本居宣長記念館です。



編纂から時を経て、読み方がわからなくなっていた『古事記』を、今のように読むことができるようになったのも、本居宣長が長年にわたる研究により完成させた注釈書『古事記伝』のおかげです。
また、宣長は17歳の時に日本地図を自作したり、『源氏物語』の講釈と歌会を40年にわたって行ったりと多彩な活躍を見せます。この記念館では、多くの資料とともにその足跡をたどることができます。

宣長の書を熱心に見入ったり、宣長の旧宅、鈴屋(国特別史跡)を見学したりと、参加者それぞれが、宣長のアウトプットに時代を超えて思いを馳せます。



松阪の次は、伊勢市に向かいました。
伊勢神宮内宮の祭神である天照大神は古事記上巻のあちこちに姿を見せますが、その孫である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が高天原から地上に降りる際には鏡を授け、これを我が魂として祀るよう命じました。
この鏡は八尺鏡とされ、現在も神宮内宮に祀られています。





また、おかげ横丁の近くにある猿田彦神社は、ニニギノミコトたちを先導した国つ神である猿田彦(サルタヒコ)を祀っています。その由緒から、人々が進む道の行先を開いて、良い方向へ導く「みちひらき」の神として信仰されています。
猿田彦神社の境内には、猿田彦と最初に言葉を交わしたとされる天宇受売(アメノウズメ)を祀る佐瑠女神社があります。アメノウズメは天照大神が天岩戸に隠れた際、舞を踊ったことでも知られる神です。
このように、神社やその土地の由来と照らし合わせることで、古事記の記述が身近なものに感じられたのではないでしょうか。



さて、前置きが長くなりましたが、いよいよ本番であるアウトプット勉強会当日の様子をお伝えします。
限定企画の効果はいかほどか、今回の参加者は70名を超え、ここ最近では最大の盛況ぶりとなりました。

古事記の現代語訳であれば訳者・出版社は問わない形としたため、参加者からは多彩な本が集まりました。
同じ箇所でも訳出による違いをお互いに読み比べるといった光景も見られました。











では、各テーブルのアウトプットを紹介します。

・色々なパターンの物語が書いてあり、古典文学として価値がある。
・語呂が良い表現等が散見され、日本のダジャレ文化を感じた。



・古事記は国生み神話で人類創世神話ではない、そこがキリスト教と違う。
・前半から暴力性をもった物語が多く驚いた。神といっても、むしろ人間に近く親近感をおぼえる。
・後半はエピソードの羅列で読むのが辛かった。



・今回の勉強会を通し、他の著者の古事記も読んでみたくなった。
・日本書紀との関係性を、もう少し学んでみたい。
・古事記は南北朝時代に写本が最古のものだが、それより以前のものはどこにいったのか?
・訳者による解釈が入っているものは読みやすい反面、ツッコミどころも多い。
・聞き覚えのある地名や苗字も出てきて、この頃からこの名前はあるのだなという学びがあった。
・古墳のVRアプリがあり、それと関連づけるのも面白かった。



文学として読んだり、地理や歴史とのつながりを考えたり…『古事記』をめぐるアウトプットが様々な広がりを見せた二時間でした。



会が終わり、懇親会の会場へ移動します。
今回は懇親会まで『古事記』ゆかりにこだわり、名古屋駅近くの「天照」というお店が会場となりました。



古事記についてまだまだ話し足りないこと、あるいは今年の猫町倶楽部各分科会への参加意気込みなど、初参加の方からベテランの方まで、活発な交流が行われました。

次回、第135回アウトプット勉強会は2月23日に開催を予定しています。
課題本はオルテガ・イ・ガセット「大衆の反逆」です。

繰り返しになりますが、今後の課題本など先行情報はホームページだけでなく mixiコミュニティでも案内されていますので、ぜひ確認してみてください。

今年も、多くの方のご参加をお待ちしております。

(文:Jun、写真:tt、わとう、rakti)

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