扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

特別イベント

  • 2018年2月25日(日) 16:30オープニング、16:40読書会、18:30各分科会プレゼン、19:00懇親会(21:00終了)
  • 【すべての分科会がわかる】東京猫町 初心者読書会

春が待ち遠しい225日、代官山chano-maで各分科会合同の初心者読書会が開催されました。 



初心者読書会は、猫町倶楽部 定例会の参加回数が2回以下の皆さん(一応、今だけ「(猫町)初心者」と呼ばせて頂きます~)を対象に、猫町倶楽部の魅力を知ってもらうためのイベントです。 

初心者だけのテーブルで気楽に読書会を楽しみ、また、猫町倶楽部すべての分科会からも、それぞれの会の特徴・魅力などを紹介して、東京猫町倶楽部すべて丸ごと知って頂きます。



16:00 受け付け開始 

猫町倶楽部ってどんなところだろう、期待と不安が入り交じり、緊張されていらっしゃった方も多かったのではないでしょうか?



猫町倶楽部には、サポーター(通称サポ)という仕組みがあります。会場内にお世話係のサポがいて、会場設営から、受付・案内、司会、写真撮影などを行っています。



こんな人々です。困ったことがあったら、気兼ねなくご相談下さい。

ちなみにこのサポも、皆さんと同じように参加費を支払って参加しています。猫町倶楽部の読書会では、参加者の皆さん全員が協力して楽しい会を作り上げています。

 

16:30 オープニング 

猫町倶楽部の代表タツヤさんの挨拶からスタートです!

猫町倶楽部は、東京をはじめとして、名古屋、京都・大阪、金沢、福岡と、全国各地で定例会が開催されています。タツヤさんは猫町倶楽部のいわば「伝道師」-全国を飛び回って猫町倶楽部の魅力を伝えてくれます。



16:4018:30 読書会 

8人程度のテーブルにわかれて頂き、読書会が行われます。 

各テーブルでは、ファシリテーター(通称ファシリ)をお願いしています。課題本の専門家ということではなく、単なる進行役です。会話の順番は方向付けますが、みんなが意見をどんどん出して読書会を盛り上げましょう。初心者読書会では、サポがファシリとして参加しています。



猫町倶楽部の読書会には、唯一大事なルールがあります。それは『他人の意見は否定しない』ということ。本の読み方は人ぞれぞれ。他人の意見を受け入れることで、自分では普段感じない新しい読み方を知る機会ともなります。



それでは、分科会毎に読書会の様子を見ていきましょう。

 

【東京文学サロン月曜会】

月曜会という名前ではありますが、週末に開催されています。

1会場は、代官山chano-maで毎月、第2会場は、銀座G-zoneモンスーンカフェで隔月、それぞれ開催されます。季節によっては、旅行会や浴衣読書会も開催されています。 

ドレスコードを設けているのも特徴の一つで、参加者の皆さんには、課題本に因んだテーマにそった服装などをお願いしています。

 

(課題本)谷崎潤一郎「春琴抄」



大阪の下町 道修町 美しい盲目の少女-春琴とその愛弟子-佐吉が織りなす美しくも妖しい愛情物語。初心者にも負担にならぬ短い作品。読み手によって多様な解釈ができる本は、読書会の課題本に最適と考えました。

 

(読書会の様子)

文学が好きだけど、感想を語り合う仲間がいない、仲間を見つけたいと参加された方が多かった印象です。皆さん積極的にコメントして頂きあっという間に時間となりました。

中には、着物が大好きで、谷崎作品の嘆美な世界に惹かれている方も。夏の浴衣読書会では、個性豊かな浴衣が楽しめます。是非参加してみて下さいね。



(主な意見)

・谷崎文学のエッセンスが凝縮された優れた作品。

・春琴のために眼を突いた佐助の行動に至高の愛を感じる。主従の美しさに感動する。

・視覚がないことにより他の感覚が研ぎ澄まされた世界を垣間見た。

・最後まで完遂された男女の愛に感動。反面、現実世界で愛情を持続させる難しさを感じる。

・間接話法を駆使した構成で、春琴が襲われた事件やその後の出来事たど多面的な解釈が可能。深読みすると、実は愛憎劇とも読み取れて面白い。

 

【アウトプット勉強会】

ビジネス書を中心とした読書会。毎月一回、六本木で開催されています。

 

(課題本)リンダ・グラットン「LIFESHIFT」 



専門的知識が無くても読むことができ、表現も難解なものは少なく、初心者でも読了しやすい課題本です。平均寿命が伸び続け、高齢雇用が増えている日本では、共感できる点が多く、参加者みんなで話しやすい内容だと思います。人に指針を与えるほどの影響力をもつ、読む価値のある本だなと実感しています。

 

(読書会の様子)

全体的に女性の参加者が多く、女性の社会進出のあり様、そもそも皆さんにとって幸せとは?などが話題の中心になりました。



 

【フィロソフィア東京】

哲学者 國分功一郎氏がその名付け親。隔月、門前仲町 深川東京モダン館で開催されています。難しい哲学書でも、皆が知恵を出し合えば、なんとか理解できた気にもなります。

 

(課題本)永井均「翔太と猫のインサイトの夏休み哲学的諸問題へのいざない」 



中学生の翔太君と猫のインサイトが哲学的な問いをめぐって対話する哲学入門書です。文章は会話文中心で易しい書き方ですが、内容は深く読みごたえ十分です。

難しいと思われがちなフィロソフィアなので、予備知識なしに易しく哲学に導いてくれる入門書を課題本にしてみました。

 

(読書会の様子)

著者の永井均さんの著作を読んでいた方もいれば、哲学は普段馴染みがないという方も。いつもは小説など違う本を読んでいて哲学に興味をもつきっかけにしたいという方が多かった印象です。

課題本は可愛いイラストの表紙と裏腹に頭を悩ませる内容でしたが、分かったことより分からなかったことに目を向けて皆さん積極的に話されていました。

子どものときの疑問を振り返るなど、普段考えないことを考え、話さないことを話した貴重な場になったかと思います。

最初は緊張しつつ集まられた皆さんですが、読書会が終わる頃には本の理解とともにそれぞれのお人柄も分かるようになり、その後の懇親会でも楽しく交流されていました。



(主な意見)

・翔太君と猫のインサイトの対話が面白かった。哲学は本来2人、または自己と対話するものと実感。 

・「いまが夢じゃないって証拠は?」で出てきた培養脳の話はマトリックスみたいだが、頁が進むにつれて複雑になり理解できなくなった。

・常識を疑い、再構築するという作者の意図に共感。哲学は役立つものと実感。

・ひとつの疑問を執拗に考え続ける哲学者はすごい。

・子どものときに抱いた疑問など普段話せないことについて、この課題本をきっかけに話せてよかった。

 

【東京シネマテーブル】

あらかじめ課題映画を鑑賞して来て頂き、当日のテーブルで感想を語りあいます。

 

(課題映画)マーティン・マクドナー監督「スリー・ビルボード」



初心者会だからということではなく、今劇場で観ることができる中で一番面白く、語り甲斐があるである作品。ゴールデングローブ賞で作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞し、アカデミー賞でも作品賞の最有力候補という評判の良さもある映画です。

 

内容としては、

・次の展開が全く読めず観客を翻弄し、そこにユーモアまで絶妙な間で入れる見事な脚本、

・主張しすぎず、それでも映画全体をしっかり支える音楽、

そして

・それら全てを一身に背負い物語を体現する俳優たちの演技、

どれをとっても素晴らしい映画です。

 

(テーブルの様子)

・予告観たときはスルーしてたけど観たら意外に良かった。

・課題映画にならなかったら観なかったかも。 

などシネマテーブルきっかけで観たという嬉しい意見もあり、参加された人全員が観てよかったという感想でした。



観ていない人には「面白いのでとにかく観てください。」としか言いようがなく、

あらすじを説明しただけでは「それって面白いの?」となってしまう、

そんな映画だからこそ、観た者同士で語り合い、楽しさが生まれる素晴らしい時間でした。

 

【東京藝術部】

不定期に開催。ゲストイベントが多いのも特徴です。

 

(課題本) 宮下規久朗「モチーフで読む美術史」



絵画を今以上に楽しむには、書かれているものを読み解けばいい。書き込まれた動物や小道具には、それぞれが象徴する意図がある。新聞での連載記事をまとめた本作は、どのモチーフからも読み始められながらも、それぞれが発見と驚きに満ちた傑作入門書。

過去に課題本で取り上げた時も定員以上の人気でした。



(読書会の様子)

やはり美術館へ通われるのが好きな方がいれば、最近は足を向けられていなくてそのきっかけにと答えた人も。

多様なモチーフの意図に驚きながら、当時の時代背景についても皆で思考を巡らすことに。識字率が今よりもずっと低かった時代、絵画が担っていた権力や物語性についても想像が広がります。

話題は時に脱線し、小説や映画、美術館について広がりながらもアートについて返っていく。時代も文化も横断し、脱線しながらも脱線していない。この話題の広さが藝術部の魅力です。

 

【東京UG(アンダー・グラウンド)】 

参加者は全員がマスクを着用。ちょっと大人な課題本を読む。当日だけの呼び名もOK。オフレコトークを楽しめる非日常な空間です。 

 

(課題本)代々木忠「プラトニック・アニマル」



AV業界の大御所ヨヨチューこと代々木忠監督が「本当のオーガズムとは何か?」「どうすれば体験できるのか?」をAV作品の撮影エピソードとともに実践方法を提示。 

10年前にタツヤさんが「アンダーグランド読書会やろう。課題本はこれで」と提案したことがある一冊。表紙のインパクトも選書の理由のひとつです。 

 

(読書会の様子)

各テーブルとも男性が1人という女性率の高さ。 

UGのドレスコードである仮面を任意で着けてもらいました。ほとんどの方が着用し怪しい雰囲気に。 



(主な意見)

・付き合っている人が読んでくれたらいい。

・読んでいて楽しかった。共感できた。

・相手をちゃんと見て自分の欲望を素直に出して相手を受け止めてあげられたらどういうことをしようが自由だと思った。

・枠がなくてもいいんだということを教えてくれる本。

・アンダーグラウンドではなくコミュニケーションの本だと思った。

・「こんな世界があるのか」と思った。

 

「信頼関係を築くことの大切さ」「どうしたら信頼関係の築けるか」について意見が交わされ「まずは自分が信頼される人間になること」などの意見が出ました。

 

課題本についてだけではなく「男性参加者ばかりだと思ったら女性が多くて驚いた」という感想もありました。

 

18:30 各分科会プレゼン 

各分科会のサポによりそれぞれの分科会の特徴・魅力をご説明。



読書会では、どこか一つの分科会を体験するしかできませんが、気になる他の分科会の様子もすべて知ることができます。



サポが手作りで準備した資料を使っての説明で、分科会のライブ感が伝わってきます。

 

19:00 懇親会 

緊張の読書会も終わっていよいよ懇親会がはじまりました。

この頃になると、猫町倶楽部の雰囲気にも慣れて頂けた方が増えた気がします。



会場のchano-maは自由な移動が可能です。 

懇親会は着座でスタートしますが、いつの間にか立食パーティーに。



他の分科会メンバーが入り交じって情報交換を楽しみました。



会場内には、お薦めの本、映画を紹介する情報交換の場がつくられました。参加者一人一人がメッセージカードにお薦めを書き込んで情報交換しています。

読書を通じた友人の輪が広がっていきます。

ところで、猫町倶楽部では、懐かしいmixiコミュニティを利用して情報交換をしています。 

コミュニティでは、メンバーの自己紹介、読書会では語りきれなかった本の感想や、定例会開催の最新情報、メンバーが個人的に企画する、お花見や食事会などの課題活動も公開されています。

mixiの古いアカウントを発掘して、猫町ライフを楽しみましょう。 

 

21:00 イベント終了 

名残惜しいですがお開きです。

有志で3次会へ繰り出す方もいらっしゃいました。 

 

猫町倶楽部を思いっきり楽しむには、3回連続で参加されることをお薦めします。

知り合いも増えて、読書が楽しくなります。



今後の予定は、是非ホームページをチェックしてみてくださいね。

サポーター一同、ご参加をお待ちしています!

 

(画像:やまちゃん、真珠、レポート:マッチュ)

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