猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年4月29日 16:00~18:00
- 猫町キャラバン 第1回 『人間失格』 太宰治
さて、この日がついにやってまいりました!
猫町キャラバン。記念すべき第一回目を開催する日が!
キャラバン。良い響きですね♪ その名前だけで、うきうきしてしまうのは私だけではないのではないでしょうか。
本日の舞台は、大分の由布院。
かつて太宰治が暮らしていたことがある下宿がそのまま移築してある『碧雲荘』に併設されている、太宰カフェの一室にて行いました。
天井が低めにつくられているところや、モダンな窓枠や、素敵なお庭、たくさんの本などなど、
わくわくポイントがたくさん。もうここに住みたい! と思ったのは、内緒です。
そして、外では古本位置が。
私も、素敵なブックカバーと本をゲットしました。
(お店のお二方、本当にありがとうございました!)
今回は、猫町読書会が初参加という方や、大分からご参加いただいた方、他県から遠征していただいた方など、多くの方にご参加いただきました。
みなさん、ありがとうございます!
テーブルにわかれて、自己紹介。そして、読書会がスタートです。
今回の課題本は、太宰治の『人間失格』。
彼の最高傑作のひとつに数えられたり、夏目漱石の『こころ』と発行部数を争っているというベストセラー。映画化、漫画家などされている不朽の名作です。
主人公のことが、まるで自分のことのように思われる方。
(自分に似てるー、という方、意外に多かったです)
再読して、印象がかなり変わっている方。共感できないな、という方。
様々な感想がありました。自分と同じ作品を読んでいるはずなのに、自分とは異なる感じ方や考え方に触れるのは、何度経験しても面白くて楽しいですね。
主人公は一言でいえば、とっても引っ込み思案で内気な人。(と、個人的には思っています)
自虐な表現が出だしからいっぱい。ダメダメな自分が好きなの? とつっこんでしまいたくなるくらい、ネガティブモードが全開な人です。
そんな主人公についての感想もいろいろありました。
「最初からダメな自分。それが、大事!」
「本当に救いようがない人」
「自主的な評価が低くて、客観的には高い」(主人公は、とても裕福な家の末っ子なのです)
自分のアイデンティティーはどこにあるのだろう、と必死に探しているようにも思える文章なのですが、とんとん拍子に文字通り、堕ちていく主人公を見ていると、なんだかコミカルな文章にも思えて不思議でした。
個人的に一番印象的だったには、主人公こそが「信頼の天才」ではないか、という意見でした。
詳しくはネタバレになってしまうのですが、とある場面で主人公がある女性のことを「信頼の天才」だから、という場面があります。
本当に「信頼の天才」なのは、彼女ではなくてむしろ主人公なのでは? だから、ラストの「神様みたいないい子」につながるのでは? という考えに、目から鱗でした。
こうして自分では考えもおよばない考えに触れる機会があるって、本当に素晴らしいですね。
みなさん、お疲れ様です。ありがとうございました。
そして、ベストドレッサー賞の発表です。
今回のドレスコードは「道化」。今回選ばれたのは、このお二人です。
おめでとうございます!
最後には、記念撮影。
今回は、出版社はどこでもOKでしたので、みなさんの手には、いろいろな「人間失格」が。
何人かの方をお見送りして、懇親会が同じ会場で引き続き行われました。
おいしいご飯と飲み物で、楽しい時間が過ぎていきます。
次回のキャラバンの予定は未定ではありますが、
猫町倶楽部福岡定例会は、5月19日。
会場は、福岡の天神にある after the rain です。
課題本は、田中小実昌の『ポロポロ』です。みなさんのご参加をお待ちしています。
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写真・文章 ふゆ