猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年6月16日
- 福岡文学サロン月曜会 第28回 『悪童日記』 アゴタ・クリストフ
最近、肌寒い日や暑い日があり、今日は何を着ていこうと、毎朝ちょっぴり憂鬱な今日この頃。
けれど、夜空を見ると星座の位置がだいぶ変わってきていて、もう夏まであと少しだと思うと、
夏休みという名前の休みはありませんが、夏休み何しようかな~とウキウキしてしまいます。
練乳入りのかき氷、早く食べたいなあ……。
今回は、福岡初めての女子会となりました!
女性の参加率はもともと高かったのですが、男性が一人もいないというのは初めて!!
今回は遠方よりお越しの方も多数いらっしゃり、時間ギリギリまで楽しい女子トークで盛り上がりました。
今回の課題本は、アゴタ・クリストフの『悪童日記』。
タイトルだけ見た感想は、いたずら好きな少年たちのほのぼのとしたお話かな、と思いきや、
戦争中に起こる数々の理不尽な状況や環境。その中で、自分という軸を捨てずに生きていくことの困難さや大切さ。
淡々とした文章で描かれるからこそ、そのシーンがより鮮明なイメージで目の前に広がってきて、
後を引く苦さが印象的な作品でした。ラストは、衝撃的な場面で終わります。
続きが気になる! という方が続出していました。
(ちなみに、今回の課題本は三部作の一作目でした。二作目は、『ふたりの証拠』。三作目は、『第三の嘘』です)
この主人公の双子の少年についても、いろいろ話が盛り上がります。
双子の少年が、あんなにも過酷ともいえる訓練を日々行っていたのは、狂ってしまいそうになる自分を保つためにしていたのかもしれない。
双子という存在は、モチーフとして用いやすいから双子にしたのかな?
自分のことを客観的にみる存在があるということのために双子なのかな?
二人で一人なのかと思っていたけれど、ラストを読んで驚いた。自分と他人という分かれた存在で最初から描いていたのかな?
謎が謎をよび、どんどん話が盛り上がる中、一番私が気になったのは主人公の双子のおばあちゃんでした。
双子のおばあちゃんの今までの生涯は、どんなものだったのだろうと気になって仕方ありません!
とってもケチで意地悪。しかし、それだけではないおばあちゃん。(詳しくはネタバレになりそうなので書けませんが)
(おそらく)舞台はハンガリー。けれど、(おそらく)ロシア軍人と流暢に会話するおばあちゃん。
戦争中にもかかわらず、畑も持っているし、食料も市場に売りに行くほど持っているおばあちゃん。
ご主人を毒殺した、という疑いをかけられ(真実はだれにもわかりませんが)、魔女と呼ばれるおばあちゃん。
発作を一度起こしたため、二度目はこの瓶の中身(おそらく毒)をミルクに入れて飲ませてね、というおばあちゃん。
その毒はいったいどこから入手したの? その毒で本当におじいちゃんを殺したの?
気になります。ものすごく、気になります。
次巻を読んで謎が解けると良いな、と思いつつ、読書会は終了しました。
今回のドレスコードは、双子でした。
ベストドレッサー賞は、サクランボのネックレスが素敵な彼女です。
手にしているのは、参加者の方が持ってこられた双子ではないけれど、双子のようにそっくりなシルバニアファミリーのウサギさんです。
そして、全員で記念写真。
皆さん、ありがとうございました。
次回は、7月21日(土)です。課題本は、江戸川乱歩の『江戸川乱歩傑作選』(新潮社文庫)です。
皆さんのご参加、お待ちしております。
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文責・写真 ふゆ