猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2018年7月25日(水) 受付時間19:00 / シネマテーブル19:30〜
- 第95回 名古屋シネマテーブル定例会『ザ・ビッグハウス』
2018年7月25日(水)伏見Nov. CafeとElephant’s Nestの2会場にて第95回名古屋シネマテーブル定例会が開催、初参加3名を含む40名の方々にご参加いただきました。
今回の課題映画は全米最大のアメリカンフットボール・スタジアム、ミシガン・スタジアム(通称:ビッグハウス)を舞台にした想田和弘監督によるドキュメンタリー作品『ザ・ビッグハウス』。「観察映画」という想田監督独自の手法で切り取った「ビッグハウス」をみなさんどのように観たのでしょうか。
ちなみに本日だけの限定ドリンクはSODA!(ソーダ)
理由は推して知るべしということで(ヒント:監督)。
その収容人数は所在地である都市・アナーバーの人口(約10万人超)にそのまま匹敵するとも言われるミシガン・スタジアム。そこに集う人も人種・階級がさまざまであることからスタジアムの内外で観察される事象がまさにThis is America! だったらしく…
・アメリカらしい巨大なビジネスの動きと貧富の格差を感じた。
・同じ厨房の中でも、料理の担当、洗いものの担当によって人種に偏りがある。
・大統領選前の政治不安等、アメリカが抱える社会問題の現実を感じさせる描写が 随所に見られ、複雑な気持ちになった。
といったアメリカが抱える問題点を随所で発見した、という意見が多く見られました。
また、そのスタジアムを包む「Go! Blue!(地元チーム”ウルヴァリンズ”を応援する合言葉)」の雰囲気に対しては、
・映画の中の観客に当てられて、自分もウルヴァリンズの一員となって「Go! Blue!」と叫びたくなる。そういった高揚感によってどんな事にでも加担してしまいそうな感覚があった。
・観客の熱狂ぶりが異常なものに感じた。アメフトの試合そのものを楽しむというよりは、W杯で渋谷に集う人達のように、一種のお祭り感覚で楽しんでいるように思えた。
など、集団だからこそ得られる高揚感やそれに対する憧れ、危険性を指摘する意見もありました。
テロップや派手な演出を廃した「観察映画」だからこそ、同じシーンでも見る人によって解釈が全く異なる、今回はそんな体験が各テーブルで楽しめたのではないかと思います。
【関連映画】想田和弘監督過去作:『選挙』『選挙2』『精神』『牡蠣工場』『港町』他
その他ドキュメンタリー作品:ロジャー・ロス・ウィリアムズ監督作『僕と魔法の言葉たち』森達也監督作『FAKE』他
【関連著作】森達也著書『ドキュメンタリーは嘘をつく』
想田和弘著書『THE BIG HOUSE アメリカを撮る』他
香山リカ著書『ぷちナショナリズム症候群: 若者たちのニッポン主義』
さて、21時をまわり舞台は懇親会会場のElephant’s Nestへ…。
みんな集まったらまずは、かんぱ〜い!
懇親会では話題映画について語る話題映画テーブルが用意されています。 今月の話題映画は『ブリグズビー・ベア』でした。
SNSを通して徐々に映画ファンの間でも注目が集まってきたこの映画、クリエイターへのリスペクトが詰まった作品であることや、主人公の純粋さに胸を打たれる方が多いようでした。
また、制作スタッフに『ハン・ソロ』の監督を降板となったフィル・ロード&クリストファー・ミラーの名前もあり、その上で散りばめられているスターウォーズへのオマージュに思わずニヤリ…という話も。
懇親会では話題映画だけでなく、最近見た映画やもちろん旧作の話題もOK。自分の好きな映画についてとことん語っていただいて大丈夫です。今回の懇親会は『カメラを止めるな!』の話題で持ち切りでしたね。まだ観てないから早く観たいなー。
ここまでお読みくださってありがとうございました。 少しでも興味の湧いた方は、次回シネマテーブルに参加してみてはいかがでしょう。
次回の名古屋シネマテーブルは、8月29日(水)開催。 課題映画は、イヴァン・コトロネーオ監督作『最初で最後のキス』。
飛行機の中でこの映画ををたまたま目にして一目惚れしてしまった男性がこの映画を日本で配給するために会社(日本イタリア映画社)を作って買い付けた、という逸話もある作品です。
申込開始しております。こちらからどうぞ! それではまた、名古屋シネマテーブルでお会いしましょう。
文章:のだ
撮影:名古屋シネマテーブルサポーター