扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2018年9月21日(金) 
  • 月曜会藤が丘会場 小川哲『ゲームの王国』

今回は29名が参加、そのうち初参加は2名でした。

 

課題本は、小川哲の「ゲームの王国」上下巻です。カンボジアの内戦をテーマとした作品です。上巻はカンボジアの現代史について書かれ、下巻はSF的な内容となっています。特に下巻の評価は分かれる作品。月曜会の皆さんはどのように読んだのでしょうか。

 

 

主に以下のような感想や意見が出ました。

・やたらと人が死ぬ。いかにして生き残るかが前半のテーマだと感じた。
・登場人物が濃い。漫画的な感じ。登場人物は魅力的ではあったけど、ほったらかしに終わっていくような感じがした。
・エンターテイメントとしては面白いんだけど、歴史は描き切れていない。

・ソリヤ、ムイタックが生き残ったのはただ単に運が良かっただけ。

 

・ソリヤが政権を取ったとしても、上手くいかなかったのでは。第二のポル・ポトになっていそう。
・バラバラなシーンで書かれている伏線が回収されていって面白い。

・リアスメイの方が母ソリヤよりも政治家向きでは。リアスメイの方が視野が広い。

・ゲームの王国というタイトルはふさわしくないと感じた。

 

・泥や輪ゴムなど、土着の文化が面白かった。

・上巻の方が良かった。カンボジアの雰囲気が良い。

・ガルシアマルケスの「百年の孤独」と作品の雰囲気が似てると感じた。

 

 

・上巻はルールなんてない理不尽なゲームだと分からせるための装置ではないか。

・上巻で期待しすぎた。下巻はいらないかな。
・上巻と下巻のつなぎ目がない。

・下巻はSF的な内容を理解できなかった。

 

上巻の方が面白いという意見が多かったようです。SFが好きな方からは、下巻の方が良かったという感想も出ました。上下巻の評価は分かれるものの、作品全体としては、興味深く読んだ方が多かったようです。

今回のドレスコードは「ゲーム」。こちらがベストドレッサーに選ばれた皆さん。

以下、この日のハイライトです。

 

青猫マスターによるジャズ講座では、Steve Kuhnのアルバムから”Catherine”が紹介されました。

 

こちらは、マスターが最も好きなアルバムだそうです。

 

今日の一曲は加古隆の「パリは燃えているか」でした。NHKスペシャル「映像の世紀」で使われていた曲です。雰囲気が課題本にとても合っていました。

読書会の司会は、ななさん。落ち着いた進行をしてくださいました。

 

ベストドレッサーに選ばれた方が、こだわりポイントを教えてくださいました。

 

サポーター手作りの名札。

読書会の後は、近くの居酒屋で二次会をしました。「ケイブ」という名の通り、洞窟をイメージした隠れ家的な雰囲気のお店。本の話や近況、人生相談などで盛り上がりました。

 

10月、11月の課題本はドストエフスキーの「白痴」です。ひとりでは読むのが大変な長編も、読書会の締め切り効果で乗り越えましょう。

 

初参加の方も、お気軽にどうぞ。

 

次回も藤が丘のジャズ喫茶青猫で、サポーター一同お待ちしております。

 

写真︰サポーター一同

文章︰うえじ

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