扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋藝術部

  • 2019年1月13日 (日) 
  • 名古屋藝術部『猫の音楽』 ゲスト:鈴木淳史

年明けも一段落した1/13(日)の午後、名古屋藝術部読書会「猫の音楽」とクラブイベント「猫町ナイト」を開催しました。会場のSOUND BAR JAPには、読書会に28名、猫町ナイトに53名の参加者が集まりました。昼過ぎから読書会、夕方からは同じ会場で猫町ナイトと、盛りだくさんの一日です。



課題本はジャン=クロード・レーベンシュテインの「猫の音楽:半音階的幻想曲」、ゲストにクラシック音楽・文芸評論家の鈴木淳史さんをお迎えして行われました。開始時刻のすこし前には参加者の方がそろい、「可愛らしい装丁やタイトルとはイメージが違い難解だった」「分からない言葉や固有名詞が多かったので詳しい人の意見を聞きたい」といった言葉が交わされ、話したいこと聞きたいことがいろいろある様子でした。



猫町倶楽部主宰のタツヤさんから「年明け1回目の藝術部ですね。今年も楽しみましょう」、ゲストの鈴木先生から「久しぶりに猫町に呼んでいただき嬉しいです」と挨拶をいただき、なごやかな雰囲気で読書会がスタートしました。

猫町読書会のルールは「他人の意見を否定しない」こと。順番に自己紹介や読後の所感などを話すうちに段々とうちとけて、順番がひとまわりする頃には自然に意見や質問が出るようになります。様々な背景の参加者と話すことで、自分とはちがう感想や気づかなかった視点などと出会う機会となり、本から派生して新しい世界も広がっていきます。





 

今回の読書会のテーブルではこんな意見が交わされました。

「作者のとにかく猫が大好きという気持ちが伝わってきた。」

「本の段組みが凝っていて感心した。こんな本を作った出版社に敬意を表したい。」

「猫を題材にした文化人類学の本だと思った。音楽や絵画における猫のえがかれ方、地域による猫に対するイメージの違いが面白かった。」

「自分が猫好きでないために理解できない部分があった。猫好きの人が読むと受取り方が違うのでは。」

「猫の尾を痛めつけて音楽を奏でる“猫オルガン”について読んで怖くなったが、実在しないと知ってほっとした。」



鈴木先生にも順番にテーブルをまわって話に加わっていただきました。参加者からの「イラストの猫が怖かった」という意見には、「当時のヨーロッパは人間中心主義であり自然は支配されるべきものと見なすなか、猫に支配できないものを象徴させている。」「支配できないものとしての猫は、男性社会における女性や、音楽における不協和音の比喩としても使われている。」という解説をいただきました。また、「難しくて読むのに時間がかかった」という意見には、「全体を理解しなくても個々のエピソードや雰囲気を楽しむだけでもいいのでは」と優しい言葉をいただきました。



アッという間に時間が過ぎ、読書会を終えて休憩を挟んでからは鈴木先生のレクチャーの開催です。スクリーンに映した絵画や写真の説明をいただき、課題本に出てくる音楽を実際に聞かせてもらい、文章だけでは掴みづらいものを雰囲気として感じられる内容でした。“猫語”で歌う少年合唱団や、猫がピアノを叩いている動画とオーケストラとセッションは、可愛くて面白くて参加者みんなが思わず笑顔になりました。

定刻をむかえ、課題本を持って参加者全員での集合写真。



今回はそのまま同じ場所で、猫町倶楽部の音楽イベント“猫町ナイト”を開催。猫町メンバーがDJプレイで会場を盛り上げるなか、読書会から引き続きの参加者だけでなく、音楽を聴きたい人・踊りたい人・仲間と飲んで話したい人が加わっていきます。今回は常連のDJだけでなく、初めてDJをする人や藝術部サポーターも好きな曲をプレイして、いつもと違う面白さもあるイベントになりました。



次回の猫町読書会は2月13日(水)、課題本は「聴衆の誕生−ポストモダン時代の音楽文化」です。今回に続いて音楽についての本ですが、“音楽の聴かれ方”がテーマになっているようです。レストランバーで軽食とお酒もありの楽しい読書会になると思いますので、課題本を読了して是非ご参加ください。

文章:リュウセイ 写真:藝術部サポータ

 

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