扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

特別イベント

  • 2019年6月2日(日) 読書会15:25~17:10 懇親会『NEKOMACHI LOUNGE(ネコマチラウンジ)』17:45~
  • 【半年に一度の開催】猫町倶楽部の全てがわかる!ビギナー限定読書会2019

 

令和元年6/2に開催されたビギナー読書会2019についてお伝え致します。

会場はSAROS.the Quisson本山店。ビギナー読書会ではお馴染みのお店です。



ビギナー限定読書会は、猫町倶楽部の初心者(参加回数が0~2回)の方を対象に、猫町の全活動を紹介する、半年に一回だけ開催する説明会つきのイベントです。読書会未経験の方や、猫町倶楽部に参加したことのない方が中心のイベントなので、今まで「ちょっとハードル高いかも…」と躊躇されていた方も安心して参加していただけます。





猫町倶楽部の運営ボランティアであるサポーターの皆さんが会場を設営、参加者の皆さんをサポートします。



主催のタツヤさんの挨拶の後、いよいよ読書会の始まりです。



 

それぞれの課題作品のテーブルを覗いてみましょう。



 

まずは橋本治『恋愛論』のテーブルから。橋下治の『恋愛論』は、著者自身の初恋の体験をつまびらかにしつつ、普遍的で色褪せることのない恋愛哲学を展開。1986年の刊行以来、長く読み継がれている名著です。



参加者の皆さんからは、自身の恋愛経験やジェンダーに関する感想が多く出たようです。



「普段はジェンダーの問題が気になるのに、恋愛になるとあえて自分がへり下ったり、相手を立てちゃう。男女平等を目指したい自分と好きな相手にへり下っちゃう自分がいると気づいた」

「この本を読んで、承認欲求を恋愛に求めてしまうのは、恋愛コンテンツの刷り込みがあるのかもと思った。情けない自分を認めてほしい、ダメな自分を『そんな君が好き』と言って欲しい、と言ったストーリーが巷には多いように感じる。」

「(課題本の中で一番)読みやすいと思ったけど、その内容ゆえ読みにくい!」という方も。

 

お次は『春琴抄』のテーブルです。

『春琴抄』(しゅんきんしょう)は谷崎潤一郎の中編小説。盲目の三味線奏者の春琴と彼に献身的に使える丁稚の佐助を耽美的に描いた、谷崎潤一郎の代表作の一つ。句読点や改行を大胆に省略した独自の文体が特徴です。



耽美主義的な内容に対して参加者の皆さんからは様々な意見が飛び出しました。またそのショッキングな展開に言及する方も多かったようです。



「中学生の頃に読んだときは”ハンディキャップを乗り越えた素敵な恋愛”と思ったが、今は”気持ち悪い話だなぁ”と思った。」

「春琴が佐助を操っているように見えるけれど、実は佐助が春琴を操り、春琴の性格を作り上げたのでは。」

その特徴的な文体に関する感想も多く、「句読点がないので、一文が長くて読みづらかった!」という方もおみえでした。

 

こちらは『夜と霧』のテーブル。



『夜と霧』はユダヤ人精神分析学者ヴィクトール・E・フランクルが、自らのナチスの強制収容所での体験を綴った作品。日本では1956年の刊行以来ロングセラーとなっています。

テーブルでは、「『夜と霧』を手元に持っていたものの読み切れずにいたので、この読書会が読了するよいきっかけになった」とのお声が複数ありました。「読書会までに読まなきゃ!」と思うから読了できる!これも猫町倶楽部の魅力の一つですね。





その普遍的な内容に、アウシュビッツでの話でありながら、現在の職場での状況にも置き換えて読まれた方など、実生活と繋げて読んだという方もみえました。大変活気のあるトークが展開されたそうです。

 

次はスコット・ギャロウェイ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』のテーブル!



『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』はGoogle、Apple、Facebook、Amazonの4つ主要IT企業をGAFAと総称し、それらの企業が世界をどう変化させたのかを明らかにする話題のビジネス書です。



「課題本が難しそう」と言う事で、長い間参加せずに課題本だけチェックして読まれていた、と言う方も今回初参加!今までなかなか参加に踏み出せなかった方にも安心して参加して頂けるのがビギナー読書会です!

「GAFAがどれほど自分の価値観に食い込んでるのかが分かった。正直もう逃れられないのではないか。」

「GAFAから離れることも大切。『正しい正しくない』だけでなく、自分の中の『好き嫌い』に耳を傾けることも重要。」

などなど現代人の生活になくてはならないものとなってしまったGAFAについて、活発に意見が交換されました。

 

こちらは平松洋『クリムト 官能の世界へ』のテーブルです。



19世紀末のウイーンに現れ、絢爛豪華な作風で美術界を代表する画家となったグスタフ・クリムト(1862-1918)。平松洋『クリムト 官能の世界へ』は、そんな彼の主要作品をオールカラーで集約。最新研究を踏まえたクリムト論を知ることができる一冊です。

「いくつかの作品は一つの絵の中に重なり合うように複数人が描かれているが、実は1人の人生を描いていると解説に書いてあり、なるほどな、と思った。」

「黄金絵画が有名だが、紹介されている初期の頃は画風が違うのが意外だった。」

「クリムトの風景画が新鮮で良かった。」

赤裸々で官能的なテーマがクリムトの特徴ではありますが、初期の絵など別の作風の絵もあって、それに関しても参加者の皆さん一人一人がそれぞれの感じ方をされたようですね。

 

こちらはジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ 目玉の話』のテーブル!

『マダム・エドワルダ/目玉の話』はフランスの思想家、作家のジョルジュ・バタイユの作品。一人の娼婦との出会いを通して、エロティシズムの深奥に迫った『マダム・エドワルダ』と、球体への異様な嗜好を持つ少年少女を描いた『目玉の話』を収録。



参加者の皆さんは、その刺激的なあらすじに興味をもたれて参加されたそうです。



「ページ数は少ないのに、濃い読後感があった。」

「部分的に映像が浮かんできた。」

「キリスト教の抑圧が根底にあるので、キリスト教を理解してないと難しいと思った」

と、その過激な内容に感想も様々でした。

 

最後に紹介するのはアルフォンソ・キュアロン監督『ROMA/ ローマ』のテーブル。本でなく、映画が課題作品である唯一のテーブルです。



アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』は監督の半自伝的な物語。メキシコのとある中流家庭とその家政婦の日常が描かれています。ヴィネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した他、アカデミー賞では監督賞、撮影賞、外国語映画賞を受賞。世界各国で高く評価されています。



サポーターお手製の資料もご用意!

「監督の映像へのこだわりがすごい。長回しが印象的。」

「ラストがあまりにも感動的で泣いてしまった。」

と非常に好評でした。

登場する男性が軒並み間抜けなので、それに関して盛り上がる一幕も。



また劇場での公開より先にNetflixで配信されていた今作。

「音響が凄いので、間違いなく劇場で観るべき映画」という意見が出つつも「配信していたから観やすかった。ギリギリ前日に観れたので参加できた」と言う方もおみえでした。

 



今回も読書会は大盛り上がり!いずれのテーブルも活発に意見が組み交わされ、話題と笑いが耐える事はありませんでした。

 

読書会終了後、猫町倶楽部の各分科会の説明会が行われました。



文学サロン月曜会、アウトプット勉強会、藝術部、フィロソフィア、シネマテーブル、猫町UG(アンダーグラウンド)のサポーターによる、それぞれの会の紹介がありました。各々の分科会について、初参加の方にも興味を持って貰えたと思います。



 

説明会の後は懇親会の始まりです。お料理はどれもこれも美味しそう!



SAROS.the Quissonの料理は、ビギナー読書会のたびに好評で、実際もの凄く美味しいんです!



皆で乾杯!





 

今回の懇親会では新企画『NEKOMACHI LOUNGE(ネコマチラウンジ)』が行われました。これはいわば課題本のない読書会であり、4つのテーマのテーブルを設けてそこで思い存分、語り明かそう!・・・と言ったものになっています。テーブルの移動は自由!

テーマは、

①    海外文学

②    人生で役に立った本

③    映画ファンの大好物!『MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)』

④    最近観た美術展示舞台の4つ。

もちろんフリーテーブルもご用意。皆さん、話したい話題のテーブルに移動し、心ゆくまで語り合いました。





さらに懇親会からは、初心者だけでなく、普段から猫町倶楽部に参加されている常連さんたちも参加。トークもお酒も進みます!







 

また懇親会では、猫町倶楽部主催者タツヤさんによる一箱古本市も行われました。興味深い本がいっぱい並んでおり、多くの方が古本を購入されていきました。こちらも盛況!



 

同時に、6/30(日)に開催される予定の『猫町UGプレゼンツ名古屋猫町コアタイム・リブート 蓮實重彦『伯爵夫人』の紹介テーブルも用意されました。



名古屋猫町倶楽部では月に一度『コアタイム・リブート』と称して「たまり場」的なパーティーを開催しています。

次回のコアタイム・リブートは猫町アンダーグラウンドがオーガナイズ。第一部は、蓮實重彦の『伯爵夫人』が課題本の読書会、第二部がDJイベント!



「一体どんなイベントなんですか?」と聞きにみえる参加者さん方にイベントの概要を紹介されてました。

 

皆さんがそれぞれの話に花を咲かせつつ、夜は更けていきます・・・。







大盛況のなか、ビギナー読書会は閉幕となりました!

名古屋猫町倶楽部のビギナー読書会、いかがだったでしょうか?

「まだまだ語り足りない!」という方が多いのではないかと思います。

まずは三回続けて定例会にご参加下さい。きっと新たな友人、新たな学びに出会い、猫町倶楽部に参加するのが楽しくなるはずです。

今後も魅力的なイベントや定例会などが目白押し!あなたの気になるイベントもきっとあります!

それでは、またいずれかの定例会でお話できるのを楽しみにしております。

 

写真:猫町倶楽部サポーター 文:のぐち(シネマテーブルサポ)

 

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