猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2019年11月27日(水) シネマテーブル定例会:19時30分~ 懇親会:21時10分~
- 第111回:名古屋シネマテーブル『CLIMAX クライマックス』
街路樹の紅葉が目に鮮やかな11月の最終週の水曜日。
名古屋シネマテーブル水曜会が開催されました。
課題映画はギャスパー・ノエ監督の『CLIMAX クライマックス』です。
41名の方にご参加いただき、Nov.cafeとElephant Nestの二会場での開催となりました。
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【あらすじ】
豪雪の山中の、とある廃墟に集められた22人のダンサーたち。
華麗なダンスを魅せるパーティーの夜、ダンサーたちは ”何者か” の手によってLSDが混入されたサングリアを飲んだことにより、集団ドラッグ中毒に陥ってしまう…
雪山の夜は深く、外に逃げ出すこともできない。カオスと化した獄所のような廃墟で夜を明かす彼らは、一体どうなってしまうのか…
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R18指定にて劇場公開されたこともあり、残酷な描写に思わず目を背けたくなった方もいた一方、逆に映画でしか見られないような光景に思わず見入ってしまった方もいたようです。
まさに賛否両論。
しかし、猫町倶楽部は「他人の意見を否定しない」がたったひとつのルールです。
どんな意見・感想でも大歓迎。
それでは、参加者の方の感想を一部ご紹介します。
■ 前半の長尺のダンスシーンに見惚れるものの、後半はドラッグでトリップして以降、ビートの重低音や子供の泣き声、各所から聞こえるうめき声、加えて画面が揺れたりなど、感覚に訴えてきて辛い。
■ 反対にそういった描写が、普段お酒を飲んだ時の状態に見え、酩酊状態を擬似体験できた。
■ トリップ状態を主観描写ではなく、一貫して「幻覚を見ている人のリアクション」を第三者目線で描き続けていることが新鮮な表現だった。
結局、サングリアにLSDを混入した犯人は明かされないことや、ドラッグに侵された視線のように画面が揺れたり上下逆転したりと、まるで自分がそこにいるような感覚に訴える描写も多かったことから、
■ 「考えるな、感じろ」
というメッセージに受け取った方もいました。
内容が過激なぶん、映画に対しての是非を問う意見のアウトプットが多くありましたが、皆さん「自分がなぜこの映画を好きなのか/目を背けたくなったのか」という理由も併せて述べたようです。
ドラッグでのトリップの描写から、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)や『トレインスポッティング』(1996)などの作品を連想された方もいました。
■ ダンサー達それぞれの関係性が対峙する相手によって変化していく様子、多面的な人間模様がフランス映画らしい。
■ 映画の設定が1996年と明記されていたことから、90年代を思い出して懐かしくなった。
■ クレジットの出し方の大胆さや、映画の構造を覆すようなエンドロールを冒頭に持ってくる手法に感動した。
といった、構成や衣装、作品の演出についてのを感想も多くありました。
映画自体への賛否、ファッションや音楽への感動… どのような感想であっても「他人の意見を否定しない」が唯一のルールであるからこそ、臆することなく話せます。
まさにパーティーさながら、劇中のダンサー個々人が魅せたように、それぞれ個性的な感想が飛び交いますが、21:00で一旦、定例会は終了です。
引き続き、二次会の懇親会へと移動します。
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懇親会の参加者が全員揃ったところで乾杯!
今回はElephant Nestさんのご厚意により、劇中の超重大アイテムのサングリアをご用意いただきました。
(とても美味しかったです、ありがとうございました!)
定例会の興奮も冷めやらぬまま、サングリアを片手に会話も弾みます。
定例会では会の進行の都合上、いくつかのテーブルに分かれて感想を述べ合っていますが、懇親会は立食形式。
なので、定例会では同じテーブルでなかった方とも気軽にお喋りできます。
自分がいたテーブルでは出会えなかった、新たな感想も聞けますね。
懇親会では着離席自由な「話題映画テーブル」も設けられています。
(「話題映画テーブル」のテーマ映画の鑑賞は必須ではありません)
今回の話題映画は「マチネの終わりに」。
福山雅治演じる天才ギタリスト 蒔野(まきの)聡史と石田ゆり子演じるジャーナリスト 小峰(こみね)洋子が互いに惹かれ合いながらも、すんなりと進まない大人の恋愛模様を描いた今作。
原作小説は読書好き芸人の方にテレビなどでたびたび紹介されたこともあり、映画化にも注目が集まりました。
ミュージシャンでもある福山雅治が実際にギターを演奏しているので説得力があるが、福山雅治イケメン過ぎるがゆえに(原作とは)イメージと違った、という意見や、小峰を演じる石田ゆり子は美しく、彼女ように年齢を重ねたいという意見がある一方で、彼女の演じる “女性らしさ” について違和感を覚えた方もいたようです。
恋愛がテーマの一面である作品とあって、好きな恋愛映画やおすすめのラブストーリーについても話題が広がりました。
さあ、時計を見るともうこんな時間。
『CLIMAX クライマックス』のようなパーティーの惨状に遭遇したら、きっと「一刻でも早く帰りたい」と願うのでしょうが、シネマテーブル では、「少しでも夜が長く続けばいいな」なんて考えてしまいます… 楽しい時間はあっという間ですね。
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さて、名古屋シネマテーブルの定例会は、今回の『第111回 CLIMAX クライマックス』の会にて、年内最後となります。
しかし、まだまだパーティーは終わりません。来たる12月は楽しいイベントが盛り沢山です。
① 12月14日(土) 名古屋猫町倶楽部クリスマス読書会 & パーティー
… 全分科会合同の読書会&パーティーです。
本イベントでのシネマテーブルの課題映画は、誰もが一度は耳にしたことのある、あの名曲 “ラスト・クリスマス” にのせて、大人の恋愛模様を描く『ラスト・クリスマス』。
もちろん、シネマテーブルでの参加ではなくとも、それぞれの分科会で設定された課題本を読了しての参加も大歓迎です。
お好きな分科会を選択して参加できますので、是非奮ってお申し込みください。
② 12月28日(土)名古屋シネマテーブル ベスト&ワースト2019 忘年会
毎年、大盛り上がりのシネマテーブル忘年会。
ひとり90秒の持ち時間で「今年の新作映画鑑賞本数 」・「ベスト3」・「ワースト1」・「今年最も印象に残ったシーン(ベスト&ワーストに選んだ映画に限らず) 」を発表いただきます。
参加条件は、2019年度の名古屋シネマテーブル定例会に”1回”以上参加されていること、となっておりますので、ご留意ください。
※ 参加申込はシネマテーブルmixiコミュニティにて先着順にて受付の後、猫町倶楽部ホームページより後日入金という形になります。
忘年会のより詳しい内容につきましても、コミュニティのトピックの内容をご参照ください。
皆さん、今年は素敵な映画にたくさん出会えましたでしょうか。
文 : たにぐち
写真 : 名古屋シネマテーブルサポーター