扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

関西アウトプット勉強会[ビジネス]

  • 2013年08月24日(土) 18:30~21:00
  • ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」 【関西アウトプット勉強会 第40回】

関西アウトプット勉強会の8月の課題図書は、ボリス・ヴィアン著『日々の泡』でした。フランスの幻想的で美しい恋愛小説でこの秋に映画が公開される予定です。



 

関西アウトプット勉強会は、毎月1回ビジネス書を中心に読書会を行っていますが、4カ月に1回は文学の読書会を開催しています。今回は4月の読書会(夏目漱石の「夢十夜」)の以来の文学作品の読書会でした。

会場は京都駅から歩いて5分くらいの場所にある会議室です。受付開始の6時過ぎから少しずつ参加者が到着。受け付け時間中は、入口に案内の紙を貼ってドアを開放していますので、迷わずに来られると思います。入ってすぐのところで受け付けをしておりますので、気軽に声をかけて下さいね。申し込みの名簿を確認してグループ名をご案内します。



今回は21名の方にご参加いただきました。1グループ6~8名、A~Cの3グループに分かれて座っていただきました。今回参加者のうち11名が女性です。4月の「夢十夜」の時もそうでしたが、文学作品の回は女性参加者が多く、華やかな雰囲気になります。
また、今回は7名の方が初参加でした。毎回初めて参加される方が2~3割いらっしゃいます。最初は緊張した面持ちですが、同じ本を読んでいるという共通項があるので、すぐに打ち解けて会話が始まります。



定刻の6時半、主催者のタツヤさんから開始のアナウンスと簡単なルール説明があり、読書会がスタートです。

これから約2時間、どんな会話が交わされるのでしょうか。



各テーブルには進行役としてファシリテータがついています。自己紹介から始まります。読書会に参加しようと思った動機とか、その他もろもろなどを紹介し合ってから、意見を述べ合います。自己紹介が終わり、いよいよ本題に移ります。課題本を読んだ感想や興味を持った点などを、思い思いに話していきます。

Aグループ



Bグループ



Cグループ



猫町倶楽部の読書会はルールが2つ。「本を読んでくること」「人の意見を否定しないこと」という、とってもシンプルなルールです。それ以外は何を言ってもOKです。例えば、“この作者、何を言ってるのかよくわからない、嫌い!”という意見も大歓迎です。そんな考え方もあるんだなあ、と逆に視野が広がっていきます。“あなたの考えはおかしい”と批判されることはありませんから、初めての方も勇気を出して、思っていることを発言してみてくださいね。

今回の「日々の泡」は、主人公の青年コランの愛した女性クロエの肺の中で、睡蓮が美しい花を咲かせ、やがてクロエが死んでしまうという、不思議で悲しいストーリーです。ただ、それだけではなく、さまざまな登場人物やこの世のものとも思われないような不思議なアイテムがたくさん出てきて、どこか他の世界で起きているような幻想的な雰囲気を醸し出しています。

各グループの議論では、そういった作者が構築した世界にそって話が進むのかと思いきや、全く予想できない展開を見せました。
“自分が病気だからといってコランに尽くさせるだけ尽くさせて、何もしないクロエは悪女だ”と「クロエ悪女説を唱える女性陣 vs そうは思わない男性陣」で熱い議論が繰り広げられたり。
そうかと思えば、“この主人公のコランのような人が芸術を愛して育んできたのだと思うが・・(中略)・・芸術はどのように対価が決まるのだろうか?”と、なぜか本の内容そっちのけで、物の価値とは何か、という深遠かつ哲学的な議論が始まったり。

「人の意見を否定しない」というシンプルなルールがあるので、人の話をよく聞いて自分の意見を出そうという前向きな雰囲気が場を支配しています。そのためでしょうか。議論がどんどんと深まっていき、次々と触発されて新しい意見が生み出されてきます。気づけば、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。

今回は文学系作品の読書会でしたので、ドレスコードが設定されています。ドレスコードとは服装規定のことで、今回は作品の内容にちなんで「フローラル」です。参加者の皆さん、思い思いに工夫した服装で集まっていただきました。読書会終了後にグループごとにベストドレッサーを選んで、前で記念撮影。いずれも素敵ですね。



終了後、京都駅近くの広い座敷のある居酒屋で2次会があり、終電近くまで語り合います。毎回7~8割の方に出席していただき、お酒(ノンアルコールもOK!)を飲みながら、読書会の議論の続きやプライベートな話など様々な話題に花が咲きます。

読書会のときに別のグループで話せなかった方と話をしたり、また仲の良い友達を作ることができ、懇親会に参加することで、よりいっそう読書会を楽しむことができます。主催者のタツヤさんによれば、“3回連続で2次会も参加すると顔見知りも増えてすごく楽しめる”とのことです。

今回の2次会でも、今回初めて参加された方が、サポーターの○さんと同じ町内に住んでいることが判明して驚いたり・・。世の中狭いものです。





最後にサポーターからのお願いですが、まだmixiの「読書会◆関西アウトプット勉強会」のコミュニティに登録されていない方は、この機会に登録をお願いいたします。皆さんともっと仲良くなりたいですし、続けて来ていただきたいので、ぜひよろしくお願いいたします。

次回9月28日(土)の定例会の課題本は、村上隆の『芸術起業論』です。
皆さんの参加をお待ちしております。

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