猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2014年1月11日 受付開始14:45 読書会 15:15~17:15 レクチャー17:30~19:00 懇親会19:30~
- 2014年読書会初めは東京藝術部!「モオツアルト」を読んでモーツァルトを聴く【音楽レクチャシリーズ最終回】
2014年の猫町倶楽部の読書会は、東京藝術部の音楽レクチャーシリーズによって幕を開けました。
音楽評論家の鈴木淳史さんをゲストにお迎えし、クラシック音楽を勉強しちゃおうという企画の最終回、第三回目です。1月11日に東京ミッドタウン21階 シスコシステムズトレーニングルームで開催いたしました。
今回のテーマは、『「モオツアルト」を読んでモーツァルトを聴くと』いうもの。「AKBで踊って精神を奴隷化させられるより、モーツァルトを聴いて革命を夢見る方を僕は選ぶ」、というサブタイトルがついております。課題本は、小林秀雄の「モオツアルト」でした。
本文にときどき、楽譜の一部が引用されています。音楽経験者であれば、頭の中で音を奏でることができるのでしょうが、そうでない人には難しいこと。課題本に出てくるページに合わせ、事前に聴いていただく課題曲もあり、より理解しやすくなっておりました。課題曲は以下の通り。
- ƒ ト短調シンフォニイ(P.13)
- ƒ ト短調クインテット K.516(P.45)
- ƒ 三十九番シンフォニイの最後の全楽章(P.53)
- ƒ 四十一番シンフォニイの最初の主題(P.54)
- ƒ ハ短調クワルテット(K.465)の第二楽章(P.55)
- ƒ アヴェ・ヴェルム(P.69)
- ƒ 魔笛のモノスタトスの歌(P.69)
- ƒ 鎮魂曲(P.72)
大学受験で取り上げられることも多く、「小林秀雄」の名前を聞いたことがある方が多いと思います。が、著作を一冊読んだことがある人となると、それほど多くはなくなるようです。アンケートを取ってみたところ、私を含めですが、今回初めて読んだという方も多くいらっしゃいました。そんな方でも問題なく、十分に読書会を楽しんでいただくことができます。
読書会は、1テーブルあたり7~8人ほどの班に分かれ、本の内容について思ったことを語りあう形式で進んでいきます。
鈴木さんにも読書会に参加していただき、各テーブルを15分ずつ、すべてのテーブルを回っていただきました。本の内容について、小林秀雄について、モーツァルトについて、クラシックについて、ざっくばらんに会話をしていきます。
今回の課題本はとても難しかったと、参加者の多くの方が感じられたようです。そんな難しい本でも、鈴木さんの解説、班のメンバーと話をすることで得られた色々な見方などを通じ、理解することができたとの感想を、たくさん聞きました。
読書会に続き、鈴木さんに、課題本について講演をしていただきました。小林秀雄について、モーツァルトについて、そして、サブタイトルの意味についても。
モーツァルトの音楽の特徴についても解説をいただきました。講演の中で実際に音楽を聴くことができ、さらに理解が深まります。
まさか、クラシックのレクチャーで、昭和の香りが漂う「明るいなかま」や、「ウルトラマンエース」のテーマソングを聴くとは…それも、モーツァルトのすごさについて、理解を深めるためのものです。
みなさんとても熱心に聴講されていました。
質疑応答もとても参考になりました。初歩的な質問にも、あの曲を聴きたいといったリクエストにも、応えて下さりました。
「レクチャーを終えた鈴木さんの心情的に、かけたいクラシックは何ですか?」という質問に対して、スピーカーから流れてきた曲は、なんと…笑ってしまうくらい、あんなに音程をはずしていても、カーネギーホールで歌うことができるとは…難しい本なのに、笑いもあるクラシックレクチャーでした。
最後に全員で記念撮影をして読書会終了です。今回は、60名程度の方に参加いただきました。参加してくださった皆様、ありがとうございました。
レクチャーシリーズは今回が最終回。3回に渡りレクチャーをして下さった鈴木淳史さん、堅いイメージのクラシックを、陽気な雰囲気でわかりやすく説明していただき、ありがとうございました。シリーズはこれで終了となりましたが、鈴木さんによる、単発のレクチャーなどのイベントを、今後企画する予定です。
次回は、森美術館で開催される「アンディ・ウォーホール展」に合わせ、アンディ・ウォーホールについて、読書会を行う予定です。詳細が決まりましたら、猫町倶楽部ホームページにご案内をさせていただきます。今しばらくお待ち下さい。