猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 第83回 柳田国男「遠野物語 山の人生」【名古屋会場】
10/8「遠野物語・山の人生」開催レポート 名古屋会場
第83回名古屋文学サロン月曜会は、柳田国男「遠野物語・山の人生」の読書会でした。
国語の授業で日本民俗学の草分けといえば柳田国男!という感じで、名前は知っていても、本を読んだのは今回初めて、という参加者が多かったように思います。
さて、本の舞台は日本ですが、お店はハロウィーンシーズン♪
ということで、ジャックオーランタンがお出迎えです。
徐々に参加者の方たちが集まってきます。読書会ベテランの方は慣れた感じで、初参加の方は少し緊張した面持ちで受付を済ませていきます。名古屋会場は、初参加の方が多い会場なので、今後参加したいと思っている方も一度遊びにきてみてください☆
テーブル札も凝っています。
筆で書いたテーブル名と、遠野物語の中で印象的だった話を、雰囲気たっぷりに書き上げています。
サポーターが作った、遊び心あふれるテーブル札も毎回見物です。
スタート時間になり読書会が始まりました。まずは自己紹介から。一人ずつ名前と好きな作家などを紹介していきます。続いて、各テーブルのファシリテーターが推進役になって、テーブルの話し合いが展開していきます。
「山男とか河童とか、この時代の人たちは心から信じていたんですね」
「昔、遠野に行ったことがあります。結構、観光地化されていて・・・」
「わたしの実家の田舎にも似たような風習があって・・・」
「印象に残った話は、美女と馬が夫婦になる話!」
「現代におきかえると、山男は漂流してきた外国人だったのでは?」
「子供と女が、やたらといなくなっていますね」
「神隠しは、口減らしを正当化するためのお話だったんだよ」
「河童の子というのも、奇形で生まれた子を殺すための言い訳だったのかな・・・」
自分が知らなかった話、新しい視点がどんどん出てきて、話し合いも熱を帯びてきます。
これが読書会の醍醐味!
話し合いは、より突っ込んだ内容に進展していきます。
「マヨイガは、実はこつこつ努力して裕福になった家が、いらぬ妬みを買わないために作ったお話なんじゃないかな。妬み回避のための、この時代の知恵。」
「なるほど。たまたま山からの授かりものがあったから裕福になっただけで、個人の才能や努力はあまり関係ないと思わせるためか。欲のない人間ほど、ラッキーに当たるってお話だものね」
「そう考えると、同一社会・ムラ社会の秩序を維持するためのお話にも思えてくるね」
「逆に没落しても、個人の才覚の問題じゃなくて、座敷童がいなくなったから。で説明できちゃうのは気が楽かも」
どのテーブルも、盛り上がっているようです。時おり、弾けるような笑い声も聞こえてきます♪
今回は平日にもかかわらず、着物姿の人が目立ちます。なんたって、ドレスコードは「和」。着物好きな方には着物を着ずにはいられない日ですね。
約2時間の話し合いも、あっという間に終了です。
(話し足りないくらいが丁度いいんです。2次会もありますからネ。)
今回は、名古屋会場 初の試みで「朗読」を行いました。お題はマヨイガ。
サポーターのみゆきんによる朗読で、照明を落とし、妖しい旋律の音楽にのせて、雰囲気たっぷりに朗読してもらいました。好評だったので次回もやります。
ちなみに曲はこちらです。
G.I.Gurdjieff’s music – No 40 from Asian Songs and Rhythms
そして最後は、恒例のベストドレッサーの発表です。
今月はツワモノぞろいでした!
カッコいい昔ながらの前掛け(エプロン)姿に、着物美人、村娘、剣を携えた女性に、百名山を征した現代の山男。皆さんドレスコードを思う存分楽しんでいます☆
さて、次回は11月12日(水)サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」
不条理演劇の代表的作品。賛否両論の問題作です。楽しみですね。
それでは次回のご参加をお待ちしております。
(作:第7期サポーター まゆ)
(おまけ)
2次会は、おばんざいが豊富でとっても美味しかった「コビトカバ」さんでした。
カンパーイ♪
大根のどて煮。味がよくしみていて大変美味でした♪♪
おしまい