扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2015年3月21日 
  • 豊﨑由美の猫町書評講座(第三回)

2014年6月の月曜会旅行をきっかけに始まった新企画「豊﨑由美の書評講座」。
8月・11月に続き、第3回の開催です。

今回の課題本は、以下の3冊。
■ミハル・アイヴァス「黄金時代」
■滝口悠生「愛と人生」
■松尾スズキ「私はテレビに出たかった」



参加者が課題本のいずれか1冊を選んで書評を書いて、
その全ての原稿を講座の2週間前にサポーターが集め、
誰が書いたかわからないように1冊の書評集にし、
参加者に送ります。

参加者は届いた書評集を読んで、
1点から10点の間で各原稿を採点します。
採点結果はサポーターが一覧表にまとめ、
豊﨑さんの採点を含め、講座当日に発表されます。

いよいよ、講座がスタート。



点数の高い書評から、順番に講評されていく豊﨑由美さん。
採点表を見ながら参加者を指名し「なぜこの点数を付けたのか?」と理由を聞かれます。



課題本の1つ「愛と人生」は、映画「男がつらいよ」シリーズを題材にした小説。
多様な読みを許す作品であるために、書くのに苦戦した人も多かった様子。

豊崎さんはある書評での筆者の誤読を指摘しつつ、「たとえ誤読だとしても、美しいことばならアリだと思う。」

一作、一作、いいところは大いに褒めてもらえます。

「10人が読んで10人ともが好きという書評はない。全ての人に好かれる文章を書こうとすると面白くなくなる。」

「自分の解釈を断言することが大事。あなたが断言しても世界はビクともしない。違うと言われたらギャフンと言えばいい。」

豊﨑さんの力強いコメントが飛びます。

講座を終えての記念写真。



あっと言う間の2時間でした。

 

懇親会はもちろん豊﨑さんを交えて。

課題本や講座の感想を話したり、辛口採点の理由を豊﨑さんへ直接聞きに行ったり(笑)。

話は尽きません。豊﨑シャチョーのお話も毎回面白すぎる!


 

今回の書評王は、ラジオDJの語りで「黄金時代」を評したスミー君。
なんと、第2回に続いての2連覇です。
記念に豊崎さんとのツーショットをパシャリ。


 

懇親会の後は再び靑猫へ。終電まで語り合いました。



さて、全3回の予定で開催してきた書評講座も、今回で一段落。

たった1冊の本であっても、読む人それぞれの解釈があって、それぞれの語り方がある。

「書評を書く」という試みは、自分らしさと向き合うことなのだと感じました。

 

文責:かずいち(月曜会6期サポーター、書評講座リーダー)

撮影:キム、okko

 

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