猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2015年8月9日(日)
- 大谷能生の21世紀芸術学講座第3回 椹木野衣『シミュレーショニズム』
今年3月より東京藝術部で開催してきた大谷能生の21世紀芸術学講座、いよいよ今回が最終回となりました。
最後を飾る会場は大谷さん推薦のお店でもある、代官山駅から徒歩30秒のお洒落な風土カフェ&バー「山羊に、聞く?」。
聞けば 地下にあるライブハウス「晴れたら空に豆まいて」もまた系列店なんだとか。この少し変わった店名とどこにもない異国風の内装は、芸術学講座のラストを飾るに相応しい場所ではないでしょうか。
そして今回の課題本は、美術評論家である椹木野衣の『シミュレーショニズム』。
東京国立近代美術館で行った芸術鑑賞講座でお世話になったキュレーター、桝田倫広さんも「名著中の名著」とお勧めする一冊です。
オープニングが終わった後は、各チームに分かれて読書会の開始。
当時の時代の雰囲気や聞き慣れない現代アートの固有名詞に戸惑う人が多い中、どのチームも徐々に話が広がっていくことに。
これまで同様に、大谷さんにはそれぞれのテーブルを回ってもらいながら解説をしてもらうことに。
課題本のテーマとなる「サンプリング/カットアップ/リミックス」の違いとは、何だったのでしょうか?
休憩を挟んだ後はレクチャー開始。今回の課題本の著者である椹木野衣さんの名前はドイツの実験的ロック・バンド、NEU!(ノイ!)から来ているという話から始まり、ライブイベントとしても活用されるお店の音響設備を最大限活用して様々な音楽を流してもらいました。
著者が言及している80年代のハウス・ミュージックの数々を再生していく大谷さん。J.M.Silkの「Jack Your Body」をCDJでこれでもか!と繰り返し再生しながら軽妙な解説を加えていきます。
また音楽だけでなく、当時の時代の盛り上がりを切り取った貴重な雑誌も紹介。
『Remix』の雑誌の前進となる『mix』で特集されたハウス・ミュージックを中心に置かれた意味深なSPACE MAPは、当時における衝撃の大きさを物語ってます。
レクチャーの後は懇親会。スタッフ絶賛のシェフによる料理は美味しいだけでなく、添えられた花がまた素敵ですね。
懇親会では課題本についての話題だけでなく、最近面白かった本や映画、大谷さんへの質問とこちらも盛り上がっていました。
最後に記念写真を。3回に渡って講師を引き受けてくれた大谷さん、そして告知から当日の会場設営まで快く協力して頂いた山羊に、聞く?のスタッフには改めて感謝を。
東京藝術部の次回企画は9/6(日)の神保町「Editory」で開催。課題本は暮沢剛巳『美術館はどこへ?-ミュージアムの過去・現在・未来』もしくは同『美術館の政治学』の選択制となっております。
現代アートとミュージアムの歴史をなぞる前者か、それとも日本の美術館の実態と動向について述べられた後者を取るか。お待ちしています。