猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2015年11月13日(金)
- 古井由吉「杳子・妻隠」藤ヶ丘会場
2015年11月“13日の金曜日”…ちょっぴり妖しい気配をはらんだ今夜は、名古屋文学サロン月曜会。
読書会の前に…。*・★藤が丘会場では受付時間を使ってマスターによる「猫町ジャズ講座mini・歴史編」を開催しています♪
今日ご紹介いただいたのはジャズ・ピアニスト「バド・パウエル」。
現在ではスタンダードな、ピアノ・ベース・ドラムスによる“ピアノトリオ”の祖であり、作品の中でもアルバム「バド・パウエルの芸術」はジャズピアノの聖書と評されるほどだそう。「クレオパトラズ・ドリーム」と「テンパス・フュジット」の2曲を題材に、私生活にまつわる一風変わったエピソードやその功績など楽しく解説していただきました♪
和やかなムードの中、読書会スタートです
今回の課題本は古井由吉「杳子・妻隠」。
テーブルには“喫茶店で待つ杳子”の姿が。影絵風の素敵な切り絵はサポーターおりがみ君の作品です。司修氏の妖美な装画も目を惹きます。
「杳子」は1971年の芥川賞受賞作品です。また同回の候補作として「妻隠」もノミネートされています。
その独特な筆致から「文体に慣れるまで時間がかかった」という声も多く聞こえてきました。
しかし次第に惹きこまれ・・・
「杳子に共感しすぎている自分が居た」「ラストの台詞が心に響いた」
「あらすじを追うのではない読み方の姿勢に気付いた」
と、さまざまな感想が飛び交います。
「杳子とS君の間に愛はあったのか」
「物語の結末に感じるほの暗さの正体はなんだろう」
といった疑問から
「杳子」と「妻隠」、二つの作品を行き来しながらのアウトプットもきこえてきました。
また小説が書かれた当時の、個人の内面を描き出した作風(内向の世代とも)についてなど、話題は社会背景にまで。
今回は特に一人ひとり捉え方・読み方の違いがおおきく現れた、新しい発見の多い読書会だったのではないでしょうか。
さて、お気づきかもしれせんが、今夜は「チェック」を身にまとった方がたくさんいらっしゃいますね。
本日のドレスコードは「アウトドア・山ガール」♪
読書会終了後はテーブル毎にベストドレッサーを選びます。
ここでもう一度アピールタイムです♪
七つ道具を携えた登山家さんから・・・
上の方はなんと、アウトドアスポーツウェア!ロードバイクですね!(衣装の詳細が解る方は、ぜひ筆者とお友達になってください)
下のグリーンのアウターの方は機能的で温かいアウトドア用品を普段着として愛用しているそうです♪
★☆★強豪の集う中、見事ベストドレッサーに輝いたみなさんはこちら★☆★
山ガールが勢ぞろい!ちょっと登山へいってきまーす♪
こちらは「杳子のイメージ」&「山の柄行の着物」個性的で素敵です♪
ザ・アウトドアスタイルのお二人!
下の方のリュックからはアウトドア用品が続々。双眼鏡に片手鍋に・・etc♪
みなさん、おめでとうございました!
ベストドレッサー発表の後は青猫マスターが“課題本にちなんで選んだ一曲”の鑑賞です♪
♪曲はウェイン・ショーターのアルバム“精神分裂症”(Schizophrenia)より…「ミヤコ」
https://www.youtube.com/watch?v=OtBGUWoMH4E
彼の活躍した1960年代後半のモード・ジャズ(50年代までは和音で展開するモダン・ジャズ。モードとは音階=スケールのこと)は、ジャズが好きな方でもきくのを挫折してしまいがちな所だそう。ただ、そこを乗り越えると・・・それまでの何倍にもジャズを楽しめる世界が広がっていきますよ、というマスターの言葉が印象的でした。いつかそれを味わえるようになりたいものです…!
*
読書会が終わり、懇親会スタート!
今回が初参加という皆さんも多数ご参加いただきました。本の話から趣味の話まで、お酒を交わしながら親睦を深めていただけたようです。
次回12月12日土曜日は猫町倶楽部恒例、クリスマスパーティー&読書会!!
課題本はサン=テグジュペリ「ちいさな王子」(光文社古典新訳文庫版)☆*・。
ご参加お待ちしております♪
文:よるこ
写真:おりがみ・よるこ