猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年5月14日
- 【動画付】新カラマーゾフの兄弟 上下巻読書会(藤が丘会場第101回定例会)
早くも夏のような5月の週末、著者の亀山郁夫さんをお迎えして『新カラマーゾフの兄弟』上・下巻読書会を開催しました。
上巻読書会から2ヶ月、上下巻合わせて1400ページを超える長編を読み切った皆さんの晴れやかな笑顔が集まってきました。
会場の靑猫でお迎えするのは、表紙をコラージュしたポスターやオリジナルのブックカバー.
そして、テーブルごとに絵柄が違う切り絵の札。参加者の数だけのフクロウも。
読書会テーブルには、亀山先生も加わっていただきました。
読書会が進むにつれ、会場が盛り上がってくるのが分かります。
12日間のできごとながら、細部にわたって作りこまれた物語、話すことはつきません。
「みなさんに(読了のために)長い時間を遣わせてしまって…」とテーブルを移動するたび恐縮される亀山先生。初めての小説だけに、読者の反応もとても気になるご様子。質問には丁寧に答えていただき、物語の核心をつく質問には「そう!いいところに気が付いたね」とお顔がほころびます。裏ドレスコードともいえる「フクロウ」の小物を持ってきた人には「それ、譲ってくれない?」とお茶目な一面が…
「亀山先生のドストエフスキーと『カラマーゾフの兄弟』への壮大な愛を感じる作品」という感想もあちこちで聞かれました。
「ドストエフスキーの他の作品に似ている」とか「男性に対して父殺しのようなイメージを持ったことがあるかどうか」など、とても深い話ができたり、『本カラ』の登場人物との違い、K先生には「どこまでがご自身のことを書かれているのか」などといった興味も津々。あっという間の1時間半でした。
読者会の後は、ベストドレッサーの選出です。今回のドレスコードは「白」。会場は白を決めた方ばかりで爽やかな雰囲気。全身白でコーディネートした人が並ぶと、どこかの怪しい団体のようでもあり(笑)…ドレスコードで遊べるのも、月曜会の魅力です。
ベストドレッサーのみなさん、頭から足元までキマってます!
名古屋月曜会藤が丘会場では、毎回靑猫のマスターに「課題本に合わせた1曲」を選んでいただきます。いつもはJAZZが多いのですが、今回は下巻に登場する、バッハ「マタイ受難曲47番」。荘厳な曲を聴きながら読書会が修了しました。
読書会の後は、亀山先生のレクチャーです。
今回も新カラについてよく出る「質問」に答える形で解説していただきました。
作品が書かれた背景、物語の時代、登場人物のモデルの話など、聞くとさらに深まる伏線や拡がり、また父権の推移と「父殺し」についても。
作品の中にも様々なシーンで登場しますが、PP資料にも1画面ごとにユニークなフクロウの写真が出てきて、会場の皆さんもどんどんフクロウ好きに(?)
またここには書けないようなエピソードも(!)いくつかご紹介していただきました。
懇親会では亀山先生にサインをいただきましたよ。ひとりずつ違うデザインで、フクロウのハンコがとても可愛かったです。
まだまだ聞き足りない方も、亀山先生のテーブルを囲んで、色々なお話を聞くことができました。
あちこちで作品の感想をシェアし合ったり、映画や本の話で盛り上がりました。初めてお会いした方とも話が弾むのは長編を読みきった連帯感でしょうか。
懇親会中には、サポーターのちづのさん撮影の画像を流しました。
作品中の舞台、野方、七井、益子、名古屋では城山神社や岩崎神社など。mixiの「新カラ、今どこ読んでる?」トピックで小出しに紹介されていたので「こんな場所なんだ」と思いを馳せ、読み進む励みになった、と嬉しい感想も。
『カラマーゾフの兄弟』を読んだ方は改めて理解が深まり、まだの方には「『本カラ』読んでみよう」と思わせてくれる大作。1995年、ショッキングな事件や新たな局面を迎えた日本という舞台で、私小説とのパラレルな世界が広がる物語。今回読みそびれた方も、ぜひ手に取ってみてください。
暑い中、参加していただいた37名の皆さん、本当にありがとうございました。
「ypa! ypa! カラマーゾフ!」
感想など、mixi「話したりん」に一言お寄せいただけると嬉しいです。
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次回月曜会は、6月11日(土)・12日(日)9周年1泊バス旅行です。俳人で文芸評論家、東京マッハでも大活躍の千野帽子さんをゲストにお迎えしての楽しい2日間。
ご参加お待ちしております。
グッズ製作:シロ、おりがみ
文:こころ
写真:rakti、okko