扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

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  • フィロソフィア東京 /第1回 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』 『ドゥルーズの哲学原理』

東京藝術部

  • 2016年5月14日 
  • フィロソフィア東京 /第1回 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』 『ドゥルーズの哲学原理』

ついに東京にもフィロソフィアがやってきた!

昨年春、名古屋で始まった哲学/思想系分科会「フィロソフィア」。東京での第1回目となる今回は、「フィロソフィア」の名付け親でもある國分功一郎さんをゲストにお迎えしての開催となりました。
課題図書は、ご著書の『暇と退屈の倫理学』と『ドゥルーズの哲学原理』からの選択。
國分功一郎さん人気もあるのでしょうか、難しい哲学書の読書会におよそ100名の申し込みがあり、しかも「2冊とも読んで参加」の方がそのうちの4割も占めました。

5月14日(土)当日、場所は渋谷にあるmixi本社 コラボレーションスペース。今まで猫町倶楽部で何度か使わせもらっている会場です。

13時15分に司会第一声のあと、代表のタツヤさんから挨拶。
國分さんからも一言あって、早速、読書会スタート。

フィロソフィア東京 オープニング



会場は1テーブル約8名、13卓。自己紹介のあと、ファシリテイターの進行のもと各テーブルで意見や感想を述べ合います。話が弾むテーブルもあれば、やはり哲学書ということもあり苦戦しているところもありましたが、途中から國分さんが各テーブルに入ってもらい、質問などに応えてもらいました。

読書会風景




『暇と退屈の倫理学』は「人間はなぜ退屈するのか?」という問題をラッセル、パスカル、ホッブス、ルソー、ハイデッカーなどの哲学者たちの叡智を援用しながら迫っていくのですが、そこに國分功一郎のさんの哲学的テーマがあります。端的にいうと「人間は生活の快適さや効率を求めて進歩してきたはずなのに、その一方で生活が安定すると退屈をしてしまうのはいったい何故なのか?」ということになるでしょうか。
本文にある「わたしたちはパンだけでなく、バラも求めよう。生きることはバラで飾られねばならない」という言葉が印象的です。



『ドゥルーズの哲学原理』はフランスの哲学者、ジル・ドゥルーズの思想を掻い摘まんで解説している入門書です。ドゥルーズというと、精神科医のフェリックス・ガタリとの共同作業「ドゥルーズ=ガタリ」での活動が有名ですが、この本ではガタリの要素を分別し、ドゥルーズの思想のみが立ち上がるように書かれていて、ドゥルーズがなぜガタリを必要としたのかなども順を追って丁寧に説明されています。
こちらの本は『暇と退屈の倫理学』に比べると、ふだんから哲学書を親しんでない方は少々手こずったかもしれません。



実は会場には、作家の吉川浩満さん、クラシック評論家の鈴木淳史さんにも一般参加として各テーブルに加わっていただきました。





休憩を挟み、國分さんによる講演。
ドゥルーズの映像を流したあと、ドゥルーズにからめ「猫町倶楽部だから…」と断った上で、現在、ご自分が向き合っている哲学上の問題を忌憚なく語っていただきました。
またその後の質疑応答も、一人ひとりの質問に丁寧に応えていて、実にお人柄の出る質問タイムでした。







記念撮影の後、近くの居酒屋で懇親会。
ここでも國分さんは席をまわって交流を深めてもらいました。



以上、第1回目のフィロソフィア東京は、國分功一郎さんのお力と参加されるみなさんのおかげで無事、終了することができました。
ありがとうございました。

しかしこの日の國分功一郎さんはこれだけでは終わりません。
引き続き、19時15分から猫町ナイトがありました。

会場は紫原明子さん、二村ヒトシさん、海猫沢めろんさん、鈴木淳史さん、吉川浩満さん、そして國分功一郎さんがDJとして加わり、大いに盛り上がりました。















次回のフィロソフィア東京は9月頃を予定しています。
課題本はこれからですが、決まり次第、mixi等で告知していきます。

(文)いんごま (写真)みのる

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