猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年10月1日(土)
- 関西文学サロン月曜会 第20回 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡
穏やかな陽気に包まれた或る秋の日、うららかな陽気に似つかわしくない低ーい声で、
どこからかひそひそ話が聞こえてきました。
「おい、どうやら今夜は俺たちの出番らしいぜ」
「そうそうか。。。今年もこの季節がやってきたか。。。」
「でも、ちょっと時期早くないかい?」
「ハロウィーンにはまだ早いが、本番前ににちょいと驚かせてやろうか。。」
そうです、今宵の読書会は、不気味で面白い「うろんな客」で有名な絵本作家
エドワードゴーリーが選書した短編集「エドワードゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡」
ゴースト大国??イギリスの作家が中心となって書かれた1800年代中盤から1900年代にかけての作品集です
怪談集と一言でいっても、Theゴーストな分かりやすい幽霊屋敷や、これぞ怪談の名著と言われるストーリー
疑心暗鬼に包まれた心理描写にせまる恐怖、夢か現実か分からない世界に呪いのまじない、教訓めいた話など バラエティにとんだ物語があなたをホラーの世界に誘います。
さて、今回初参加の人間界の方々及びゴースト達へ、守って頂きたいルールがあります。
本については、何を述べても良いが、他人(他のゴースト)の話は否定しない
このルールは、初参加の方でも常連の方でもみんな気持ちよく話せるための大切な決まりです。
「ふーん、俺らゴーストには関係ねえし」
「でも、郷に入れば郷にしたがえって言うし。。。。」
「しゃーない、ゴウストだけに郷には従おうぜ。。。。
ゴースト君たちもしぶしぶ納得してくれて、無事読書会の幕が開けました。
場所はおなじみ、恵文社一乗寺のレンタルスペース恵文社COTTAGEです。
月曜文学サロンの読書会は、ドリンクとお菓子をつまみながらのアットホームな会です。
お茶や缶ビール、チューハイなど取り揃えているのですが、何といっても
サポーターのたくみさんが作るオリジナルカクテルは大人気!!(通称タクミバー)
ノンアルコールも加わってカウンターには長蛇の列が並びました
今回は
○二層のフルーツティー(アプリコットと紅茶の嬉しいコラボ)
○パイナップルファンタジー(爽やかな甘さが美味しい!)
○YUKOカクテル子悪魔風(サポーターが持ってきた無添加葡萄酒がベース)
お菓子もゴーストらしく、ハロウィンにちなんだチョコレート菓子にお化けのスナックが華を添えました。
さて、自己紹介を終え、くつろいだ雰囲気に包まれた初参加のかたも常連の方もゴーストも??みんな和気藹々とおしゃべりしています
ちょっとのぞいてみましょうか。。。
「ゴーリーの絵が怖い! 12の怪談の順番が、フルコースみたい 前菜 メイン デザートって!」
「悪いことをしたら自分に帰ってくるのが〆のお話、スカッとするよね」
「世にも奇妙な物語みたい」
「空き家って京都にもいっぱいあるよねー!近づいたら行けないところ」
「幽霊ってみえる??」
「関西人だからか、ついオチを求めてしまうけどはっきりしないから色々な解釈できるよね!」
人間の知らないところで、ゴースト君の会話もはずんでいます。
「おいおい、まじかよ。最後殺しちまったよ!!」
「なんか一人でがんばりすぎ、個人主義のお国柄か?ご先祖様とか守ってくれないの??」
「昔はこんなわかりやすい幽霊話で怖がってくれたのに。。。いまどきの人間どもは、ちょっとやそっとじゃ驚いてくれないぜ」
「猿の手、おまえならどんな願いする??」「俺ら死んでるのに願い事ってなんだよ」
「最後の願いって何なんだ??」
ふと、時計をみるともうベストドレッサー賞を決める時間です。
毎回ドレスコードが決まっている月曜会ではテーマにちなんだ、ファッションやアイテムを持参します。
グループごとに1人選び、選ばれた人はみんなの前で今日のファッションポイントをお話して頂きます。
今日のドレスコードは「ゴースト」
ドラキュラを思わせる牙に百均の猿の手(笑)、 幽霊っぽい薄い色のワンピース、白いスカート、首吊りを思わせるひもをからめた
(でもかわいい!)お洒落幽霊、
ゴシック風のお洒落なドレスシャツに、きらきらはじけるTHEハロウィンな髪飾りなどなど、
みなさん、とても素敵でした^0^
読書会はここで終了。懇談会へと続きます。
今晩は久しぶりのスーフルさんのごはん。
ゴーストっぽく怖かわいい、でもとっても美味しいビュッフェをご用意して頂きました。
急な人数調整にも快く対応して頂き、ありがとうございます!
☆お品書き☆
ガイコツポテトサラダ スモークオイルサーディン
ビーツのポテトサラダ
指ウィンナー
目玉クラッカー
頭付きエビフライのバゲットサンド
オープンオムレツ
紫キャベツのマリネ
ブロッコリーとまいたけナムル
トマトチキンカレー
ワッフルとベリーソース
さて、ゴーストたちはごはんを食べなくても平気です。(というか食べれませんが)
あまりに美味しそうに食べてる私達をみて、ちょっぴりうらやましく思いました。
でも、あまりにみんな笑顔なので、普段はいかめしい顔をしているゴーストくんもついついニンマリしてしまいました。
「なんか、なごむぜ」
「おい、ゴーストだろ?しっかりしろよ!感化されてんじゃねえぞ」
「でも人間もまんざら捨てたもんじゃねえかも、、、世間では、いやーなニュースがいっぱいあって大変なこともあるけど、たまに美味しいごはんを食べながら本を通じて色んな話ができるなら、聞いてくれる人が
いるなら、また明日からがんばれるよな」
「ここに来る人間ってなんか感性が似てるからかな、初めてでも楽しそう」(ちょっとうらやましそうに)
「。。。。てお前人間かっ!!」
「200年前はね。。」
懇談会ではテーブルごとにテーマを決めて自分が話したい場所に移動します。
・芸術・読書・グルメ・タクミバー(マスターのカクテルを頂きながらカウンターでお話します)
マスターのお酒とタクミな話術にリードされて、ちょっとディープな大人なお話にドキドキしたり。
グルメのテーブルは、食べログでは3.0から3.5に絞るとか、宇治には美味しいパン屋さんがあるとか情報交換したり、
こてこて大阪人のおっちゃんに、下手な関西弁しゃべるなと毎回言われて大阪弁恐怖症になった(笑)など。
芸術では猫町主催のタツヤさんを中心に盛り上がっていますね
読書でも本の話は尽きることなくはずんでいるようです。
いつの間にかゴーストも、どこどこの幽霊屋敷は住みやすいやら、実は鏡の女に恋してるとか、
カーズウェルは死んでも、インチキ錬金術をゴーストに伝授してるらしいとか、色んな話で盛り上がっているようです。
さて、懇談もいよいよ終了の時間が近づいてきました。
名残惜しいですが、ご参加頂いた人間のみなさんもゴースト達も充実した時間を過ごせたようです。
怪談フルコースの今宵、お楽しみ頂けたでしょうか?
次回はあなたを更なる混乱と狂気の世界へ導く、ドグラ・マグラでお会いしましょう。
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「そういや勝手に進行役してたあいつ誰だ??」
「しょうもないギャグ入れすぎ、クレームつくんじゃねえの?」
「あんなやつ人間にいたっけ。。。」
「。。。。人間驚かすの忘れてた!。。。まいっか。。。今回は前夜祭、本当の恐怖は次回へと続く。。。。」
気が狂ってしまうほどの。
完
文 ゆうこ 写真 あおい shige