猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2016年11月26日(土)
- トリコ組 第6回猫町BL読書会(男子禁制) 萩尾望都 「トーマの心臓」
11月26日(土)、猫町倶楽部トリコ組 第六回BL読書会が開催されました。
会場は名古屋藤が丘の「JAZZ茶房青猫」。
今回の課題本は、1975年に第一巻が刊行され、現在まで読み継がれている不朽の名作「トーマの心臓」です。
テーブル札はおなじみトリコ組リーダーの作による教会。そのお隣にはサポーターのもはさんによる入魂の一筆、作中に登場するトーマの手紙が添えられています(「再現率やばすぎ!」と大好評でした)。
名札は宛名と差出人どちらか選べるようになっています。自分がもらうより差し出す側にまわりたいという方が多かった印象。
トリコ組では作品にあわせてリクエストするのがすっかりおなじみになってしまったお茶菓子。今回は作品の舞台がドイツということもあり、スパイスをきかせたクグロフ風の焼き菓子をご用意いただきました。いつもわがままに応えていただいてありがとうございます!
受付前、青猫に集まったサポーター七人中六人がシュロッターベッツ生のコスプレ。打ち合わせもなしにこのシンクロ率。続々と集まってくる参加者の皆さんも白シャツ&リボンタイ率が非常に高かったです。
毎回ぐずついたお天気に見舞われるトリコ組BL読書会。頻繁に女ばかりで狂乱の宴を開いているから神々の怒りを買っているのではないかと一部では囁かれていますが、今回はひさしぶりに気持ちよくさわやかなお天気の下、20代から50代まで幅広い年齢層の女性参加者28名で読書会スタートです。
キリスト教的な主題を扱い、非常に難解で繊細な作品だけに真面目な話ばかりになるかと思いきや、
「『トーマの心臓』はBLじゃないという方が多いですけど、わたしはこれはBLだと思うんです!」
「ユーリは総受だけど、最後に総攻に転じる」
「バッカスはリバ」「サイフリートはド受」
普段にもましてみなさん自由にお話しされています。
「名作で重厚な作品だから萌えちゃいけないと思っていたけど、やっぱり萌えますよね!!」
とあっさり転がった方も。
それにしても、やはりオスカー人気が圧倒的!
「孤独がオスカーをユーリに惹きつけた。だからオスカーにユーリは救えない」
作品を読み解いていく上で、たびたびあちこちから「ああ、オスカー!」「ふびん!」とうめき声があがります。
「トーマの死の理由がはっきりと書かれていないから読者はこの物語に惹かれるのでは?」
「サイフリートはおそらくガチゲイ。異端ゆえに悪魔主義に走ったのでは」
「大人が記号的に描かれていない。どんな脇役にも物語がある。この先、何度読み返しても飽きないと思う」
などなど、ほかにも様々な意見がかわされていました。
BL愛好者だけでなく、普段はまったくBLを読まないという方にも参加していただいているのがトリコ組のいいところだと自負しております。専門的な話(萌え話)一辺倒もたのしいけれど、心に残るなにかや新たな気づきを持って帰りたいし、お持ち帰りしていただきたいですよね。
今回のドレスコードは「寄宿舎」。異様な白シャツ&リボンタイ率の中から選ばれたのはこちらの五名。
まさかのバッカスかぶり。
天使(トーマ)が地上に舞い降りました。
主人公ユリスモール。
と、ここまでは見事に全員キャラコスプレ。
最後のお一人は、東京から遠征でやってこられたもー様ヘビー読者。
「たぶん100回ぐらい読み返してます!!!」
『トーマの心臓』イラスト入りのTシャツを着ていらっしゃいました。
ベストドレッサーに選ばれた方には特製しおりを進呈しました。
マスターの一曲は、ウィーン少年合唱団でモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」ニ長調、K.618.
きよらかな少年たちの歌声に我々の煩悩が浄化されていくようでした。
懇親会からは男性カップルが二組参加してくださいました。
「実際の寄宿舎なんてそんないいもんじゃない」
と女性陣に厳しい現実を突きつけようとしていたようですが、
「そんなこたぁ百も承知だよ!!!!」
とあっさり切り捨てられていました。
11月開催だというのにまたしても冷房が入ったトリコ組BL読書会。
暖かくなる前にまたお会いできることを願っています!
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文責:トリコ
撮影:ayuppe、もは、まさき