扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2017年1月11日(水) 
  • 月曜会名古屋会場中勘助「銀の匙」「犬 他一遍」

年が明けた1月11日(水)、KAKO柳橋店で猫町倶楽部月曜会名古屋会場定例会が行われました。今回で109回目となりますが、これが今年最初の定例会です。
会場の定員いっぱいの45名(うち初参加者7名)が集まり、賑やかなスタートになりました。



今回の課題本は昨年12月行われた名古屋月曜会のクリスマスパーティーでレコメンド大賞に選ばれた中勘助著作の「銀の匙」「犬 他一遍」です。

(クリスマスパーティ時の写真。左側のけいさんが持っているのが「銀の匙」)

どちらか一冊を選択して読書会に参加していただきました。中勘助が描かれているテーブル札は今回からサポーターになったなほこさんが描いてくれました。素敵なテーブル札で読書会への期待が高まります。


初めに代表であるタツヤさんから新年の挨拶を込めて一言。また著述家、ディレクターと幅広く活躍されている湯山玲子さんがご挨拶のみですが、忙しい中駆けつけてくれました。湯山さんには猫町倶楽部全体でお世話になっております。今後ともよろしくお願いいたします。



さて、読書会がスタートです。今回は満員御礼ということでテーブル席が少し狭くなってしまったかもしれませんが……人数か、活気か、読書に対しての熱意か、会場はスタートから大盛り上がりになりました。
今回は課題本ごとにテーブルが違うので「銀の匙」が3テーブル、「犬」が2テーブルの合計5テーブルです。
銀の匙テーブルを覗いて、どんな意見が出ているか集めてみました。


「幼少期の世界をここまでみずみずしく描いているのはすごい」
「主人公は成長しているようで、肝心なところ(大切な人との別れ)でいつも逃げていてヤキモキした」
「当時ならでは生活描写がどうしても実感として想像しにくかった。その時代だったら・・」



「前編と後編では物語の雰囲気がガラッと変わるためどちらが好みか」
「あとで読み返すとまた違った発見があるかも」
「あまり好きになれなかった後編の話も好きになれそう」



みんなの意見を聞いたことで「もう一度読み返してみたい!」と思った方が多いみたいです。次に犬のテーブルを覗いてみました。



「銀の匙は白勘助、犬は黒勘助」
「男性の中勘助がここまで女性の心情を描けるのはすごい」
「女性が可哀想でならない」
「僧侶は女性の声にもっと耳を傾けて聞くべきだった。そうすれば良かったのに」
犬テーブルでは僧侶が女性に好かれるためにはどうしたら良かったのか、という議論も交わされていました。登場人物に思いを詰め込めるのも読書会ならではです。


読書会が終わり、ベストドレッサーの発表です。今回のドレスコードは「銀あるいは犬」。みなさんの工夫をこらしたドレスコードが目白押しです。



銀の靴を履いて来られた女性。スカートもシルバーグレーとファッションセンスがばっちりです。



学生時代に自分がデザインした犬のキャラクターを作成してきた男性。キャラクターに思い入れがあるのが伝わってきます。
全員で記念撮影!みなさん、おめでとうございます!



読書会の最後に課題本を選出したけいさんから一言いただきました。



「銀の匙を読んで感動した後に犬を読んで衝撃を受けたので、この衝撃をみんなと共有したかった。今日はそれが叶って、とても嬉しいです」
嬉しそうな顔で語った女性。参加者の方の嬉しい、楽しいが読書会の原動力です。



新規サポーターの紹介です。これから一年、よろしくお願いします!

名古屋会場サポーターが選んだ本日の一曲は銀の匙に合わせて、娘を想った有名な曲―Stevie Wonder「Isn’t She Lovely」




読書会の後は懇親会です。銀の匙に出てくる章魚坊主の連想から、こちらのお店です。課題本にちなんだお店で本について会話も弾むことでしょう。
新年を迎え、終始めでたい雰囲気に包まれて終わった名古屋会場。この一年も楽しさに包まれた読書会が続きますように。みなさんの次回のご参加、お待ちしております。


~ちょっとお知らせ~
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文:月曜会名古屋会場サポーター
撮影:Yu、司馬 甲子太郎利家

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