猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年2月11日(土) 受付開始13:15~ 読書会13:30~ レクチャー15:40~ 懇親会17:15~
- 名古屋藝術部「ゴッホの手紙」読書会&レクチャー
ひまわりの絵といえばゴッホです。
でも、この絵を描いたのはゴッホではなくゴーギャン。
既に亡くなっていたゴッホを偲んで描いた絵だそうです。
「ゴーギャンにこの絵を描かせたゴッホとはどんな人物だったのか?」
「2人の人生はどう交わったのか? 」
ゴッホの手紙や絵を通して探りに行きましょう!
読書会に先立って、午前中にmixi限定募集で、愛知県美術館で開催中の「ゴッホとゴーギャン展」の鑑賞会を実施しました。
開場30分前から既に行列ができているほどの盛況ぶりでしたが、団体入場の申し込みをしていたおかげで優先的に入場でき、快適に鑑賞することができました。
初期の暗い色調の絵から、印象派と出会った後の明るい色調の絵まで展示されており、その変化が印象的だったという感想が多かったです。
午後からいよいよ読書会です!
会場は愛知県美術館の真上にあるセミナールーム。
ゴッホの肖像のウェルカムボードは猫町メンバーのおりがみさんの作品です。
いつもクオリティの高い作品にただ驚かされるばかりです。
当日は1月の日本美術基礎講座に引き続いてあいにくの雪でしたが、47人もの方々に参加いただき、部屋の中は外の寒さに負けないワクワク感と熱気に包まれていました。
そして、なんと東京猫町から遠征して参加してくださった方々もいらっしゃいました!
ありがとうございます!
初めに、主宰のタツヤさんから開会のごあいさつ。
実は、課題本の「ゴッホの手紙」は、タツヤさんが猫町倶楽部を発足させた時から、ず~~~~~~~~~~~~~~~っと読書会をしたいと思っていた本だそうです!
そして、いよいよ読書会のスタート!
今回、課題本が上・中・下と3巻あるので、選んだ巻ごとにテーブルを分けるスタイルとなりました。
・上:画家仲間ベルナールへの手紙。芸術や他の画家についての話が多め。
・中:弟テオへの手紙。南仏アルルに住み始めて希望でいっぱい。上り坂のゴッホ。
・下:弟テオへの手紙。ゴーギャンとの共同生活開始と破綻。精神を病んでいく…。下り坂のゴッホ。
それぞれ三者三様の魅力があり、全巻読んでどれにするか迷った方も多かったようです。
読書会では参加者の皆さんから様々な感想が飛び交いました。
「ゴッホは弟にお金をねだりすぎ!弟も兄を甘やかしすぎ!」
「文末の結びに毎回出てくる“握手を”がすごく気になった」
「すごくマメで他の画家も気にしているので、案外評論家に向いているのでは?」
「上巻は薄いからすぐ読めると思っていたけど、内容が濃くて大変だった」
「ゴッホのゴーギャンへのアルルへ来てほしいという想いが一途すぎる。そして、対照的なゴーギャンのつれない態度がもう…」
「入院してからも文面は意外と冷静で手紙では良いことばかり書いているのかも」
「売るためというよりも自分が描きたい絵をひたすら描いている気がする」
自分の感想と同じところ、違うところ、それぞれを話しながら課題本をより深く理解していけるのが、読書会の醍醐味なのです。
今回の読書会では、「ゴッホあるいはゴーギャン」がドレスコードでした。
こちらが各テーブルのベストドレッサーの皆様。華やかです!
他の方々も、絵が入ったアイテムを持参したり、ゴッホをイメージする黄色や花柄の服を着てくるなど、会場が明るい雰囲気になっていました。
読書会に続いてレクチャーへ。
ゲストに「ゴッホとゴーギャン展」の担当学芸員である森美樹さんをお招きし、話をして頂きました。
2人の画家のプロフィール、出会いのエピソードからスタート。
ゴッホとゴーギャンで同じ人物をモデルに描いた絵なのに、アプローチは全然違うという興味深い話も。
ゴッホはアトリエにいるモデルをそのまま描いたが、ゴーギャンはアトリエでの人物画とカフェの内部を想像で組み合わせて描いたそうです。
当時、ゴーギャンのように想像で絵を描く画家は他にいなかったそうで、ゴッホも後に自分の絵で試してみたそうです。性には合わなかったようですが…。
もちろん「ゴッホとゴーギャン展」の見どころについてもお話していただきました。
ゴーギャンの作品はアチコチに散らばっているため、21点もまとめて観られるのは滅多にないそうです。
一方、ゴッホはアムステルダムの美術館にまとまっているから、比較的集めやすいのだとか。
学芸員ならではのお話ですね。
また、ゴッホは悲劇的なエピソードが有名でそれに引きずられた先入観を持ってしまいがちだが、ゴーギャンの絵と比較しながらそのイメージをとらえ直してみてほしい、という狙いも展覧会には込めているそうです。
懇親会は、栄のイタリアンバルTHANK YOUへ!
イタリアと、2人の画家が暮らしたアルルは共に地中海の陽光を浴びる明るい地域。
参加者の皆さんもおいしい料理とお酒で楽しく歓談されていました。
皆様ご参加ありがとうございました!
次回の名古屋藝術部は4/9(日)に開催します。
毎回好評の美術ライター佐藤晃子さんの第3回日本美術基礎講座です!
課題本は山口 晃「ヘンな日本美術史」です。募集が始まりしだい猫町HPやmixiで告知させていただきます。
4月も名古屋藝術部で皆さんと握手!
文:イノッチ、写真:めの、あにき