猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年5月6日(土) 受付開始:16:30〜、読書会:17:00〜19:30
- 第27回関西文学サロン月曜会 ジョージ・オーウェル「一九八四年」
2017年5月6日、春の余韻を残した京都oinai karasumaで関西文学サロン月曜会の定例会が開催されました。
課題本はジョージ・オーウェル著の「一九八四年」です。今回の課題本は2017年1月から米国の某書籍販売会社で売り上げ1位になっている作品で、全体主義や完全管理社会がテーマになっており、白熱した議論が繰り広げされそうです。参加者は合計40名、内6名が初参加者です。
読書会が始まる前に恒例のタクミバーでドリンクを注文し、同じグループになった人たちとおしゃべりして緊張をほぐしていきます。
読書会がスタートしました。
初めて参加の方も他の参加者の方と一緒にたくさん意見を交わしています。
まず、自己紹介と課題本を読んだ全体的な感想をそれぞれ述べていき、気になった点について、他の方の意見を聞いていきます。
同じ課題本読んでいるので、感想を共感できて嬉しかったり、同じ文章でも感じ方や自分とは違う見方・意見があることに刺激を受けます。また、読書会には色々なバックグラウンドの方が来られるので、時々自分の想像もつかない世界が広がったりします。
読書会の中で出てきたコメントを抜粋。
・社会評論、小説として出来が良く、どの時代でも当てはまる普遍的なテーマで面白かった。
・言葉の解釈は時代や、その言葉を最初に認識する環境によっても異なってくる。
・感情移入をして読むと拷問のシーンなどが重かった。
・この世界で生きる彼らにとって「幸せ」とは何なのか?どんな時に幸せを感じられるかが疑問。そもそも「幸せ」という概念が削られているのであれば、彼らは何のために生きているのか?
・オブライエンがどんな心情でいるのかがわからない。作中で「捕まったのはずっと前だよ」と言っていたが、それは冗談ではなく、党に拷問されたのではないか?
・ウィンストンの事例を見ると二重思考は相当体得するのは難しそう。子供の頃から思想統制されていれば受けいれやすいと思われるが、二重思考が一般かされる前の時代の人がどうやって受けいれたのか、その過程が気になる。
・全体主義への移行は社会主義からの移行だけではなく、現米政権やヒトラー政権のように民主主義から移行することもある。
・戦争状態を続け、憎悪の利用や二重思考を導入することで権力維持する方法があることはわかったが、その動機が理解できない。オブライエンの言う「権力のための権力」では説明不足な気がする。
・小説の中だけではなく、現実社会もネットによって監視社会が実現している。通販サイトのおすすめ情報などもそう。気持ち悪いと便利という意見が半々。また、監視社会について、安全とプライバシーのどちらを優先するべきか。監視カメラをつけることで犯罪を低減できるが、自分の行動が録画されることでプライバシーの侵害となっている。
・社訓を復唱する点など、現実社会でも似通っているところがある。
・抑圧がないと自由という概念は出てこない。
・愛というのは制度の中ではなく、ジュリアとウィンストンの関係のように本能的に生まれるものではないか。
意見交換の合間には、サポーターが選んだお菓子でホッと息を抜けます。
席表のイラストもサポーターの手作りでめっちゃかわいいー!!
各チームで本日のベストドレッサーを選出します。
今回のドレスコードは「数字」です。
皆さん趣向を凝らした服装で、見事ベストドレッサーを獲得されました。
おめでとうございます!!
最後に全員で記念撮影です。皆さん、お疲れさまでした!!
読書会のあとは近くのプロントで懇親会です。
課題本について続きや他の本、趣味などについて読書会メンバーとお酒を交えて話し、さらに仲良くなっていきます。
読書会には学生だけではなく、社会人も多く参加されているので、皆さん知識や経験が豊富でおしゃべりに熱が入っていきます。
社会人になってからは会社外ではなかなか仲のいい人を作る機会がないので、同じ趣味を持つ読書会メンバーは大切な存在です。
初心者の方も3回くらい通うとお互いに顔覚えてくるので、どんどん親近感が湧いて読書会が楽しくなってきます。
またのご参加をお待ちしています♪
続いて次回の読書会は、
2017年6月3日(土)17:00〜京都恵文社にて、
課題本:ミシェル・ウエルベック 『服従』で開催します。
皆さんのご参加お待ちしております!!
また関西文学サロン月曜会はmixiコミュニティを中心に情報発信をしています。
課題本の続きを話せたり、読書会メンバーとの課外活動イベントに参加できますので、ぜひご利用ください!!