扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋文学サロン月曜会[文学]

  • 2017年6月7日(水) 
  • 月曜会名古屋会場 ジョージ・オーウェル『一九八四年』

これはオセアニア真理省により削除されるはずだった資料が奇跡的に復元された貴重な例である。
ニュースピークからの翻訳は困難を極めたが、オセアニア圧政下の2017年6月、ジョージ・オーウェル作「1984年」を課題本として秘密裡に行われたという読書会の記録をここに公開したい。
なおオセアニアの資料に関わらず、写真に写っている人物がどう見てもイースタシア人な理由は目下のところ解明されていない。



「1984年」は課題本とされる禁書の中でも「読みにくい」との意見が多かったが、それにも関わらず40人以上の参加者が集まったことは驚異的である。
今回が初めて読書会に参加する者も多かったということで、若干の緊張をはらんで読書会は開始された。



なおオセアニア圧政下は食糧難だったはずだが、何故コーヒーやダブルチーズケーキなどといったものが供されていたのかも謎である。
もしかしたら読書会とは反体制派の秘密集会ではなく、党の特権階級の集会だったのかもしれない。



読書会では ー信じがたいことだがー 参加者それぞれが自由に意見を出し合ったとのことである。
「ウィンストンとジュリアの恋愛小説の一面がある」
「ウィンストンが敗北したことで、逆に人の心は自由であり誰にも侵されないということ印象付けているように感じた」
「この物語は『合理性』と『非合理性』を書いている」
「これまでと”戦争”のイメージが変わった。領土争いや宗教思想の違いによる争いではなく、国内での仕事を作るため(国の繁栄のため)の”戦争”もある」
これらは正にイングソックを超越した二重思考であると言わざるを得ない。



読書会の終盤にはドレスコードのテーマ「ディストピア」に合わせて「ベストドレッサー」というものを決める行事があったとのことである。
これが何の儀礼なのかは不明だが、党の制服であるオーバーオールを模した者、また「映画泥棒(監視カメラのことか?)」のコスチュームを模した者など、様々な格好をした者が見受けられる。







ディストピ「ア」!

その後「今回の一曲」なる儀礼があり、読書会会場のKAKOのマスターのリクエストによりヴァン・ヘイレンのアルバム「1984」から「パナマ」、及びサポーターの選曲によりデヴィッド・ボウイのアルバム「ダイヤモンドの犬」から「1984」なる曲が流されたとのことである。
真理省が作成したプロレ向け流行曲であろうか。

読書会の後には懇親会と呼ばれる、合理性を尊重したオセアニアの圧政下にしては甚だ不合理で不可解な集会が催された。
オセアニアの首都ロンドンにちなんでBIG BENというパブ&レストランが会場だったようである。





次回の読書会の開催情報や、課題本について更に語りたいという者の為に、mixiというSNS(テレスクリーンの一種か?)で情報交換が行われていたようである。

読書会名古屋文学サロン月曜会
http://mixi.jp/view_community_detail.pl?id=2226186

話し足りん!総合トピック
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=2226186&id=77626066&comment_count=194&from=community_list

※コミュニティは承認制である。管理人(ビッグ・ブラザーのことか?)に承認されたメンバーが閲覧できるようで、未承認のものは申請すれば良いらしい。


ニュースピークからの翻訳:涼
写真:Yu
(名古屋月曜会第9期サポーター)

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