扉を開けると本の向こう側の世界が広がっていた。

猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。

名古屋藝術部

  • 2017年07月09日 (日) 
  • 佐藤晃子の日本美術基礎講座 第四回

7月9日に名古屋藝術部「佐藤晃子の日本美術基礎講座第4回」が開催されました。

昨年10月に始まった日本美術基礎講座は、今回が最終回でした。
参加された方は総勢44名、初参加の方は10名です。

今回の会場も藤が丘の「JAZZ茶房靑猫」です。

今回サポーターに加わった、あやさん作成のポスターは、
佐藤さんの似顔絵付きです。

猫町メンバーのおりがみ氏(写真右)が、
今回もウェルカムボードを作成してくれました。


佐藤さんが持ってきてくださった、アンティークの眼鏡絵セットです。
レンズを覗くと中にある絵が立体的に見えるという、江戸時代に
大流行した3D玩具です。
円山応挙も修行中に眼鏡絵を描いていたそうで、
みなさん興味津々で覗いていました。

最初に佐藤さんから今回の課題本についての紹介です。
今回の課題本は山本陽子著「図像学入門 疑問符で読む日本美術」、
副読本は 佐藤晃子著「画題で読み解く日本の絵画」でした。

司会のちづのさんより読書会のルールについての説明です。

猫町倶楽部の読書会のルールは「人の意見を否定しないこと」です。
このルールがあるので、気軽に参加できる読書会になっています。

読書会の中では各テーブルを佐藤さんに回って頂きました。
どのテーブルでも話が尽きないようでした。


読書会の中では以下のような話題で盛り上がりました。
・『源氏物語絵巻』の引き目鉤鼻には、高貴な身分で似せて描けないので、
あえて省略して描いてるとは思わなかった。
・今まで日本美術に馴染みがなかったが、実物を見たくなった。
・本の中に書かれているように描かれているモチーフを知って絵をみると
より楽しめそう。
・本の中で取り上げられている作品ではどの作品が一番欲しいか。




読書会に参加されている人は、美術館に普段から行く人から、読書会が
きっかけになって日本美術に興味を持った人まで様々です。
今まで知らなかった分野についても気軽に参加することができ、
興味をもつことが増えるのも猫町の読書会の魅力です。

今回のレクチャーでは何と150枚のスライドが用意されてました。

レクチャーでは課題本には写真がない絵や、本の中ではわかりにくかった箇所を
中心に取り上げて頂きました。

仏像の種類です。「これが分かっているだけで、仏像をみるときに楽しめる。」


空海のレクチャーではみうらじゅんさんのエピソードを聞くこともできました。

曼荼羅で描かれている枠のイメージです。

曼荼羅の一部を拡大したスライドです、細かく顔が描かれています。
取っつきにくかった曼荼羅の見方がわかった気がします。

『山越阿弥陀図』の使われ方のイメージです。阿弥陀仏から
出ている糸を手にもち臨終を迎えます。
使われ方を見ることでより作品の意味が理解できますね。


奈良国立博物館の『地獄草子』です。『地獄草子』は東京国立博物館にもあります。
「奈良のはカラッと観られるけど、東博のはグロくて怖い」とのこと。


北野天神縁起絵巻』のレクチャーでは本には書かれていない話を
聞くことができました。

『源氏物語絵巻』については1つの場面で数時間語ることができるそうです。
佐藤さんの『源氏物語絵巻』についてのレクチャーも受けてみたいですね。

『伴大納言絵巻』では炎が出てくるまでの描き方や、風上、風下の場所に
よって人の表情が違うところなどの見どころが紹介されてました。

『男衾三郎絵巻』の一場面です。文章だけではよくわからなかった
箇所も写真でみるとインパクトがあります。

上が俵屋宗達、下が尾形光琳の『風神雷神図屏風』です。
画面内に収まるかどうかで大分印象が異なってきます。

円山応挙『雪松図屏風』です。リアルに見せるために影の表現がありません。

上村松園の『序の舞』です。影の書かない表現は
円山応挙から上村松園へと引き継がれています。

150枚のスライドでしたが、あっと言う間の95分でした。

レクチャーの終りには集合写真をとりました。

懇親会は「ばんばんざい」で行いました。

懇親会では引き続き課題本や美術のこと、猫町倶楽部の
こと等で盛り上がりました。

ご参加のみなさんありがとうございました。

佐藤さんが関わってる展覧会が愛知県美術館で予定されてます。
「長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」
平成29年10月6日(金)~11月19日(日)
名古屋ですし、楽しみです。

佐藤晃子さんの日本美術基礎講座は予定していた4回を終えました。
この講座を受けてみて、美術館に行くのが楽しくなった、
今まで馴染みがない分野だったが楽しかったという声を
参加者の方からよく聞きます。

この講座は終わりましたが、また何かの企画で佐藤晃子さんには
来て頂きたいと思ってます。

また、今回の読書会から藝術部サポーターの一部が交代しました。
引き続きサポータ募集中ですので、興味がありましたらタツヤさん、
サポータまでお訊ね下さい。

文 めの、写真 ジャスミン。,しょうふう,めの

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