猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年8月19日(土)
- 猫町UG「ゲスママ」読書会&神田つばきトークショー
――――暗転。あやしいピアノの音色が響き始めると、客席は静寂につつまれステージに注目が集まる。黒い全身タイツに身を包み赤い首輪に真っ白なエプロンをしたマルチパフォーマーの若林美保さんがゲスママを妖艶に表現する。
「猫町倶楽部、猫町アンダーグラウンドへようこそ。猫町UGならではの非日常を楽しんでください」というゲスママ色のレースの浴衣に身を包んだチアキ隊長の始まりの言葉から開始した2017年8月19日の読書会。
課題本はAVシナリオライターである神田つばきさんのご著書
『ゲスママ』
会場は渋谷の駅からほど近く、階段を地下2階まで降りていくと赤いカーテンが張り巡らされた別世界が広がる、渋谷SuNaBa
この物語を単なるAV業界で働く女性のルポやSMの実話ととるか、親と子の、そして母親と娘の物語ととるか、女性の人生の探求の物語ととるかは人それぞれ。読書会を通じて神田さんが付けたタイトル『ゲスママ』に込めた思いを探っていきます。
ゲストには著者の神田つばきさんを初め、二村ヒトシさん(AV監督)、紫原明子さん(エッセイスト)、金井茉利絵さん(AM編集長)、深志美由紀さん(官能小説家)、小沢カオルさん(漫画家)、辻陽介さん(『ゲスママ』編集者)を迎え、神田さん以外は一参加者として各テーブルに入っていただき、それぞれの『ゲスママ』に対する思いを語ります。神田さんにはすべてのテーブルを回っていただき、参加者全員と交流を持っていただきました。
今回の課題本にも性的な描写がたくさん。猫町UGのドレスコードである「仮面」を付けているからこそ、体験とも妄想とも言えるそれぞれの「性」についての言葉が頻繁に飛び出し、そして「性」に対する熱い思いを語ることができる。初めて参加した人の中にはこれまでの人生でできなかったエロティックな会話が猫町UGの中では普通に話され、そして受け入れられていく快感に酔いしれる。
読書会後は各テーブルでベストドレッサーを選出し、合計13名の方がステージに上がり、それぞれの思いを語る。中にはベストドレッサーの常連も。猫町UGでは仮面と、それに合わせた衣装に身を包んで非日常を楽しめるのも魅力の一つ。
今回のベストドレッサーたちにはチアキ隊長お手製のトートバッグがプレゼントされました。どこまでも手の込んだチアキ隊長の演出に感服。
ベストドレッサーたちの集合写真の後は、神田つばきさんによる講演会。ご著書『ゲスママ』に込めた思いから、神田さんが影響を受けた文学作品や映画から絵画まで、たくさんご紹介いただき、神田さんを“AV業界のエロいおばちゃん”だと思っていた人はきっと神田さんの感受性の高さに度肝を抜かれたはず。
そして「ここには18歳未満はいないから大丈夫よね❤」とおちゃめに言ったかと思うと、神田さんお気に入りのAVビデオを鑑賞することに。「ダメなところは早送りしますね」と言っておきながら、うまく早送りできずに卑猥な映像が大画面に映し出されてしますと「あらあら大変」と突っ込みを入れながら、そのAVのストーリーになぜ自分の感情が揺さぶられるのかをたっぷりと語ってくださいました。
講演後は懇親会にはほとんどの方が参加し、読書会では話せなかったことを存分に語り親睦を深めることができました。ゲストの方との交流もできて思い出深い一夜となりました。
最後のゲストの方たちの告知タイムで二村さんから一言。
「猫町男子、猫町倶楽部に来て、僕に話しかけたり、握手を求めたりしていてはダメです。ここにはエッチな本を読んで集まっている女性がたくさんいるのです!!」
がんばれ、猫町男子。
text ヘイデン、photo 林