猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年9月6日(水)
- 月曜会名古屋会場 大岡昇平「野火」
月曜会名古屋会場 大岡昇平『野火』
9月6日水曜日、文学サロン月曜会名古屋会場第117回定例会が行われました。
今回の課題本は戦争文学の代表作、大岡昇平の『野火』。藤が丘会場の課題本『黒い雨』と合わせて、9月の月曜会は戦争文学月間となりました。
今回は40名(初参加は6名)の方々にご参加いただきました。
最近の名古屋会場は満員御礼続き。早めの申し込みが重要です!
いわゆる戦争文学が課題本になるのは実は初めての猫町倶楽部。重いテーマに参加者の口も重くならないか、若干心配しつつ読書会スタートです…
「田村ってインテリだよね。作者はなんでインテリを主人公にしたんだろう?」
「安田と永松のコンビが好きです! 生きる意欲がめっちゃある所が!」
「地形や自然から女性を連想するのは何を表しているの?」
「地の文が哲学的で硬質な文体、それに対して会話文の軽さが印象に残る」
「『この辺りはいいホテルが建てられそう』とか戦場でもほっこりできるセリフが出てくる」
「死体の描写がすごい。一つ一つよく書けるなぁ」
「人が生きるのに塩がこんなに大事だとは…」
みんなしっかり話してました~♪
心配は要らなかったようです!
「空腹だと何も考えられないということが良くわかる。食べた後は主人公が深く思考する描写が多い」
「『自分はすでに死んでいるも同然』と意識するシーンが多く、それによって気が楽になるのが印象的だった」
「塚本版の映画は、戦争の苦しさ、困難さを感覚的によく伝えているが、田村の哲学的思索部分はすっぽり抜けている。そのためにも小説を読む意味があった」
比較的簡単な感想から深い話へ…普段は会話に出てこないカニバリズムや宗教の話もこの機会に。
「カニバリズムを本格的に取り上げていて、とにかく圧倒される」
「食人を躊躇う様子や心情が、間接的な表現でよく描かれていると思う」
「人肉食を拒否しつつも結局食べてんじゃん!って思った。いや、そこが良かったんだけど」
「戦争文学というより、宗教的な描写が印象的だった」
「神の声なのか、結局は自分の声だったのか」
「ここで出てくる神はキリスト教の神だよね? なんでキリスト教なんだろう? 仏教ではなくて」
話が重くなったり、上手く意見が言えなくなることも。そしたらまた別の感想を。いろんな人の感想を聞きながら、自分の頭もぐるぐる回ります。
「人間ってのはどんな事にも慣れていくんだよね。そして、精神的に異常な状態だから残酷になるのではない。人は正常なままどこまでも残酷になれるし、なっていく。それをこの本は良く表していると思う」
長いようで短い1時間45分でした。
さて、本日のドレスコードは「黒」
各テーブルで選ばれたベストドレッサーの発表です!
「黒」ってシンプルなドレスコードでも、猫町メンバーにかかると様々になるんですよねぇ♪
なんて素敵な黒のまとい方なんだろう…
黒地に赤い花を炎に見立てて。一見、ナチュラルなのに課題本に合った着こなし、素敵です!
今回も素敵な装いが見られました♪
さて、読書会後は懇親会です!
事前に「懇親会は課題本に合わせて焼肉ですよね!?」「猿がイメージのカフェはどう?」などの会話がありましたが、「ご飯は気楽に食べたいよう!」とすぐ近くの『イタリアン酒場・オリバ』になりました。
…オリバのご飯、とてもおいしいです。
まだまだ話し足りないよ…
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文責:へなこ
写真:Yu
名古屋月曜会サポーター