猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年10月15日 (日)
- 佐藤晃子の日本美術基礎講座第Ⅱ期―第一回
この日は、朝から雨が柔らかく降り注ぎ、
気温も18°Cと少し肌寒く、秋を感じる一日でした。
読書会の会場である『JAZZ茶房 青猫』の階段横のつる草も、
雨に濡れて、心なしか風情を感じます。
今回は、第五期藝術部サポーター就任後、初の読書会です。
新サポーターは少し緊張気味ですが、気合は十分の様子。
皆さまの来場を心待ちにしながら、準備を進めました。
サポーターのレオパードさんが作成された案内用ポスター
愛知県立美術館で行われている長沢芦雪展の中でも、一番の見せ所である《虎図襖》
猫のように愛らしい虎がお出迎えします。
芦雪は、今回の課題本『奇想の系譜』においても取り上げられています。
今回もユーモラスな話で会場を沸かせてくれる
美術ライターの佐藤晃子先生が、芦雪を講義してくださいます。
豊富な知識に加え、話し手としても抜群のセンスを誇る佐藤先生。
読書会といっしょに拝聴できるなんて、本当に楽しみです。
続々と参加者が入ってこられます。
店内は大盛況!!
50名を超える参加者にお越しいただきました。
知り合いに声をかけたり、雑談したりするのも楽しいですね。
続けて3~4回参加されると、趣味の合う知り合いも増えて、話が弾みますよ。
佐藤先生が、小さく複製した絵巻や掛け軸を作ってきてくださいました。
今回のもう一つの課題本である『江戸の絵を愉しむ』において、
当時の設置状況を想像しながら絵画を見ることの重要性が説かれていましたので、
参加者にそれを体感してもらうためです。
「掛け軸の裾が曲がっている効果で、立体的に見えて迫力があるような気がする。」
「絵巻は何が出てくるのか分からないと思うとワクワクする。でも最後に巻き戻すのは大変そう。召使にさせたのかな?」
などと、皆さんそれぞれに感想を言い合いながら、興味深そうに手にとっていらっしゃいました。
こんな細やかな作業をしていただいた、心配りある佐藤先生に感謝です。
さて読書会が始まります。
真剣な眼差し!
参加者も色々な方がいらっしゃいます。
ご自身で絵を描く、個展を開くなど、
ご自身がアーティストという方がいらっしゃれば
興味のある展覧会を見るために東へ西へと渡り歩くような、
美術にどっぷりはまっている方もいらっしゃいます。
その一方、美術に興味はあるけれど、
美術館にそこまで足を運ぶわけでもないとか、
次に何を見に行ったらいいか分からないという参加者もいらっしゃいます。
読書会は、知識がどれだけあるかではなく、
皆の意見を上手に取り入れられる方こそが、
より楽しめる場所です。
自分の琴線に触れる話が出てきたら、
素直に聞いてみると、ご自身の世界が広がると思います。
また、課題本はもちろん読了していただく必要がありますが、
本の中身だけでなく、自分の好きな絵などの話に派生しても大丈夫です。
自分のスタイルで、気負わず参加してみてくださいね。
たくさんのほころんだ顔が見られる中、読書会は終了。
読書会の後は、佐藤先生の芦雪講座
「ヒャッハー」て、何これ?
芦雪は南紀に修行に出て、師匠である円山応挙の目が届かない場所で、
美味しい魚や酒を堪能し、水を得た魚のように生き生きと絵を描いたそうです。
このスライドは、その際の芦雪の心境だそう(笑)
酔っ払い、指に墨をつけて、即興で絵を描いたりと、まあ、やりたい放題。
また芦雪は多種多様な虎を描きましたが、
当時は虎を輸入することはできなかったため
虎の毛皮から想像して描いたという話もあるそうです。
「虎図襖」にあたっては、
伊藤若冲のコレクションを多々持っていることで知られるプライス氏にして、
「全財産をなげうってでも手に入れたい」と言わしめた一品。
師匠である応挙はもちろん凄いですが、
それに負けない芦雪の魅力を感じることができました。
今回も佐藤先生が沢山のスライドを用意してくださり、
沢山の興味深いお話を拝聴することができました。
佐藤先生は中日文化センターや毎日文化センター等で
美術講師も兼任されています。
興味がある方は是非、一度足を運んでみてください。
芦雪講座を終えて、懇親会場へ移動します。
エキゾチックな雰囲気で、ゴボウ揚げなどお料理も美味しいunvogueです。
この日の参加者は38名。
同じ興味を持つ仲間同志、会話が弾みます。
佐藤先生の周りには、参加者が入れ替わり立ち代りに集まり、質問しています。
今展示されている京都の国宝展や東京の運慶展の話もよく出ていましたね。
明日は月曜日ということで、仕事始めの方も多いですが、
皆さん、晴れ晴れとした顔でお帰りになられました。
サポーターもほっと一安心です。
週末のリフレッシュタイムに、
是非これからも藝術部へお越しくださいね。
【第五期 藝術部サポーター】
めの イノッチ だーしも nao
未規 まりそる レオパード あや
文・写真 / あや