猫町倶楽部とは、参加者が毎回課題図書を読了して集まり、
それぞれの気付きをアウトプットすることで学びを深め合う読書会です。
- 2017年11月24日 読書会19時~ 懇親会21時25分~
- 名古屋アウトプット勉強会 第131回「実践 行動経済学」
11月24日、名古屋駅近くのウインクあいちにて、第131回目の名古屋アウトプット勉強会が開催されました。
ここしばらく満員御礼が続いたアウトプット勉強会。
今回は課題本も2017年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー著の『実践 行動経済学』ということで、さらに注目度もアップ? 参加者は総勢60人、急遽会場を大きな部屋に変更しての開催となりました。
さて、あらためて課題本の『実践 行動経済学』について。本書の原題は「Nudge(ナッジ)」。
耳慣れない言葉ですが、本のはじめに説明があるとおり、英単語としては「注意や合図のために人の横腹を特にひじでやさしく押したり、軽く突いたりすること」という意味があります。
転じて本書では、一方的な禁止や押しつけではない形で人々の行動を変えるための、あらゆる要素を指し示す言葉として使われています。
喫煙や肥満を防止するナッジ。保険や投資の商品を選ぶためのナッジ。
従来の経済学とは異なり、人間らしい感情や心理に焦点を当てた「行動経済学」。参加者のみなさんはどのような思いで手にとられ、読了後はどのように感じられたのでしょうか。
司会による開会宣言の後、さっそく各テーブルでのアウトプットがはじまります。どんな意見が出たか、すこしだけ覗いてみましょう。
・仕事以外の日常生活でも、思い当たることが多いと感じて読んだ。
・アメリカの事例は複雑で少しわかりにくいが、日本に置き換えても納得できることも多い。
・行動を促すために視覚に訴えることが効果的だと感じた。小学校のころ、テストで良い点を取ったときにもらえる花丸はナッジだったのではないか。
・子供や部下、後輩などをどう育てるかという観点でいうと、コーチやリーダーとは、うまくナッジを与える人なのだと感じた。
・この本を読むと、自分もナッジを仕掛けたくなる。
・自分が詳しくない分野では、専門知識のある人にうまくナッジしてもらうことが望ましいが、その人の都合の良いように誘導される恐れもある。だから、ときには自分が興味のないことにも関心を持つことが大事。
・行動経済学って、どこか心理学のよう。
・最近のスマホアプリなどは、ナッジの視点の工夫があるのかなぁ、と感じた。
・周りに流されやすいので、いい方向に流れられるように。
・武道の型などは自動システムという概念を克服するものではないか?・住宅ローンは実際に選んだ立場として超複雑。保険もよくわからなさすぎる。
読書会も終盤に近づき、それぞれの実行宣言を書く時間に入ります。
この本にも書かれていますが、本を読んだり勉強会をした直後はやる気満々なのに、結局そのまま何も行動を起こせないことが多いのも、また人間らしさのひとつ。アウトプット勉強会の実行宣言は、会が終わったあとすぐ実行に移せる小さな行動を、一人ひとり付箋に書き出してもらうもの。
これもアウトプット勉強会ならではの、ミニ・ナッジ?
実行宣言を各テーブルで共有したあとは、自分の書いた付箋を持ち帰ることができます。手帳に貼って見返したり、毎日見える場所に貼ったりして、ぜひ今回の課題本や読書会で学んだことを忘れずに活かすきっかけにしてみてほしいです。
終了後は今後の読書会の案内と、全員での集合写真撮影の時間です。3,2,1,ナッジ!
このあとは、ウインクあいち前のブリティッシュパブ「HUB」へ移動して、懇親会がはじまります。
今回の課題本について、まだまだ話し足りないことを語ったり。
12月9日に予定されている、名古屋猫町倶楽部の全分科会合同クリスマス読書会&パーティの話題で盛り上がったり。
はたまた、猫町倶楽部のmixiコミュニティや運営サポーターへの勧誘合戦が行われたり…。
初参加や参加回数が少ない方でも濃密な交流ができ、さらに参加を重ねることでますます楽しくなる、そんな猫町倶楽部のナッジを感じていただけたのではないでしょうか。次回、第132回アウトプット勉強会はクリスマス読書会とは別に、12月22日の定例会が予定されています。
課題本は曽村保信「地政学入門 改版 – 外交戦略の政治学」です。
年の瀬とはなりますが、みなさまの参加をお待ちしています。(文 Jun 写真 わとう・tt)